今日の一貫

今後の農政は、戦後保護農政思想か、自立型農政指向か

さて農政だが、農政の争点は、政局を形成していない。微々たる違いでしかない。対立軸が明確ではないからだ。
自民・民主ともに「戦後保護農政思想」にもとづくもの。
なぜ戦後保護農政思想が、わが国に蔓延するのだろうか?
農協が、、、という言説もあるにはあるが、おそらく、自立型農政がイメージできないせいではないだろうか?

自立型農政とは何か?を語ろうと思うが、その前に、2007年参院選後の農政を新聞タイトルでフォローすると次のようになろう。

「農水省、農地税制見直し封印、賃貸借規制緩和も後退、政局混迷で」日本経済新聞2007/11/07
「農地改革ぐずぐず、企業参入うやむや、具体策わずか、農水省方針」朝日新聞 2007/11/02
これは的確なタイトルだ。政治に翻弄された産業の再来だろう。

もっと具体的な内容は次のようなもの。  
① WTOを巡るわが国の戦略について
 特に市場アクセスについて→米の高関税維持
② コメ政策
 コメ価格の下落と政府米購入→米価維持策
③ 生産調整と産地づくり交付金
 締め付け強化→参加メリット強化
④ 品目横断政策
 民主党戸別所得補償に対抗→バラマキに
⑤ 農地政策
 制度改革放棄、面的集積問題に換骨奪胎、
⑥ 中山間・地域活性化策
 制度改革と絡めた議論なし、現在ある仕組みで対応

まーこんなところだろう。いずれも従来の「戦後保護農政」のフィロソフィー(思想)上での政策の復活だ。
農家所得向上・社会保障的保護農政への逆流・先祖帰りといっていい。
逆に、農業の活性化を通じた「自立型の農業・農村振興政策」ではない。


農政学では、「食料問題」から「構造問題」へといわれている。
これは経済成長に伴い、農政課題が変わることを理論的に語ったもの。
具体的には、「食糧増産・飢餓からの開放」を目的とした農政から、「産業として自立する構造改革」への転換をいっている。
「開発途上国型農政」から「先進・成熟国型農政」への転換といってもいい。

わが国では、この転換が、体制維持(票が欲しい、農協を敵に回したくない)幻想のためになされていない状況。
今後の地域振興や、地域間格差是正のためには、農政改革が最も重要なのだが、、、。

「開発途上国型農政」と戦後保護農政、「成熟国型農政」と自立型農政は同じ座標軸で語れるのではないか?

今の日本は、後者、自立型農政がイメージできない状況にあるのだろう。
明日は時間があれば少々、自立型農政について書く。
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