経営安定対策の担い手確定作業が自民党ではじまる。4日から自民党の農林合同部会。(農林部会、総合農政調査会)を開催し、11日からが主作業とか。
論点を整理した。
1,あらためて食料・農業・農村基本計画の意味は何か?
食料・農業・農村異本法(99年制定)に基づき、食料農業農村に関する「施策の総合的計画的な推進を図る」ために策定された。
おおむね5年ごとに見直すこととされている(以前は、12年3月に閣議決定され、17年3月までの5年間。今年の3月に見直された計画は、「今後10年程度を見通した上で農政全般にわたる改革を早急に実施する」としている)
ここで、農業経営をもっと強いものにし、政策の対象を「効率的安定的農業経営」に絞り、その農家に経営安定政策をしましょうとしている。
19年度から実施
2,経営安定対策では、直接支払いの対象となる担い手農家の選定が行われるが、どの様な選定が行われるのか
1)担い手とは誰のことか、
・経営安定対策の対象となる担い手は、水田や畑作などの土地利用が他農業の担い手
・①効率的勝つ安定的な農業経営、②及びこれを目指して経営改善に取り組む農業経営、③一元的に経理を行い法人化する計画を有するなど、経営主体としての実態を有し、将来効率的安定的経営体に発展することが見込まれる集落営農
2)対象経営
①どういう農家・経営を対象とするか?
目標27年度に家族経営33から37万、集落営農経営2から4万、法人経営1万の担い手育成を目指す(新構造展望)。認定農業者(この説明が必要現在19万経営うち12万が水田)、水田農業ビジョンでは認定農家12万、地域合意14万、集落営農1,5万の合計27万)19万育成すべき経営体
問題は集落営農組織の扱い→「経営主体としての実態」をもっていれば認める(基本計画)。つまり先の担い手基準に適合すれば、OK。
②どのぐらいの経営規模を課すのか?
一つの目安は、「担い手経営安定対策」の基準(都府県4ha、北海道は10ha、その8割でOK)ではないか?しかし、現在加入状況は3万、8割基準の経営数は、16万、55万haしかない。
3,この選定にはどの様な問題点を含んでいるのか?
1)当面の論点は、①集落営農の扱いと、②面積要件に地域の実情をどう配慮するか、なのだろうと思う。また19年度から実施というのも、準備期間がないという人もいる。③もう一つ課題なのは、予算単価。これは来年から検討。
2)担い手の選定に当たって、①対象者を絞り込むことによって生産が縮小し、自給率が低下しては困るし、②だからといって逆に、対象農家を広げて、ただでさえ遅れている構造改革がさらにまた不可能になったということでも困るし、そうなると単なるバラマキとの批判も出てくる。
3)「何のために担い手を特定するのか」、という原点を忘れないことが大事。
そもそもの目的は、①消費者ユーザーの要請をふまえた食料自給率の向上であり、②WTOなど貿易グローバル化の流れの中で国際競争力を持った農業の確立、③そのために構造改革を推進する筆世があるというので、行うもの。
4)40万の農業経営が、わが国の土地利用型農業生産の7割から8割をカバーできるようにエンカレッジすることが大事。
4,この経営安定対策によって農業改革を進めることにつながるのか?
1)そこが問題
担い手を特定すると、このことによって、担い手農家の急速な規模拡大が必要。それが可能となるか?
農水省はしなければならないといっているが。
2)しかし、
①米をはずした経営安定政策で支援になるのか
土地利用型農業はわが国ではなんといっても水田農業が中心だし、稲作が中心。
稲作は、対象外となっている。現行の「担い手経営安定対策任せ」で、またWTO交渉では関税引き下げはないという交渉をしているので、下げることを前提としにくい。
②また、経営安定対策は経営が被るリスクの軽減の意味があるが、はたしてセーフティネットとして機能するのか?
③したがって、現状維持のための仕組みでしかないのではないか、といった疑問も出てきている。
実際にどうなるのか、見守りたい。
ところで直接支払いについて。
直接支払いを「緑」でやるとする品目横断だったが、「緑」の「直接支払い」は、過去の生産量にリンクするため、「構造改革」促進的ではない。むしろ中立である。
そこで、不足払い等、「現実の生産量にリンクする」直接支払いが必要となる。
昨年の審議会で、私が主張したのはそこだった。
USAの「カウンターサイクリカルペイメント」を例示して、「黄色の直接払いをわが国も仕組む必要がある」という主張。
あれだけ発言を無視しておきながら、基本計画を見てびっくり。直接支払いは「緑と黄色の二段構えに」ちゃんとなっているではないか。
これなら自民党が改革政党になるわけだ。
また、これも昨年のことだが、5月に私が提案した「麦のSBS」、あれだけ反対していたのに、これも昨年の10月の報告書を見たらいつの間にかちゃんと入っている。
入れたり、変えるなら、主張した人にちゃんと「入れる」あるいは「変える」と説明するのが仁義と思うのだが。
また品目横断の際に、「米が入ってないから問題」という主張には、「産地づくり交付金がある」と説明すればそれで住むこと。
となれば、19年から「産地づくり資金」をどうするかという議論になるはず。
これは地域実情に応じて配分しているので、いろいろなケースが出てきているのだろう。私はまだ検証してないが、ポイントは1点だけ。「地代補助にしているのかどうか?」である。
土地所有者ではなく、利用者にいくシステムでなkればならない。
この点が今後の構造改革に大きく関連してくる。
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