ハニカム薔薇ノ神殿

西南戦争の現地記者の歴史漫画を描いてます。歴史、美術史、ゲーム、特撮、同人誌の話他

映画「グッドバイ〜嘘からはじまる人生喜劇〜」感想

2020年09月04日 | ドラマ映画アニメ音楽(エンタメ)
原作太宰治「グッド・バイ」をケラリーノ・サンドロヴィッチが
(ええと… 脚色?でなく…こういうのを何と呼べば)
太宰の未完のドタバタ恋愛コメディを、続きを描いて完結させた作品です。

今年の2.14公開だったけど、新型コロナで全然映画行けてないです。

太宰のあのテンポのいい笑いをそのままに、
しかもきちんとオチまで。
もしAI太宰を作っても、こう書いたんではないか?という感じに仕上がってて
最高に面白かったです。

太宰のアレの続きを描くというのは、ガチで太宰と勝負なわけで
下手すりゃ比べられちゃうし
太宰ファンは多いですから、一歩間違うと総スカンて事もある。

しかしこの映画は
「原作と若干違う」「アレンジ」ではなくて
むしろ太宰に足らない部分を完璧に「補完」しています。
そこが凄い。

原作の方に出てくる愛人の女性は
美容師と女流画家だったのだけど
そこに追加で女医さんが描かれ(なるほど)、
キヌ子とのその後も。

昭和レトロのファッションもすごくステキです。

で、あくまでこれはケラさんの作品だから
それとなくケラ味もするのですよね。

この際だから、「グッド・バイ」の続編チャレンジ、
他の人もやってみてほしい気がする。

お金で全てを解決しようとする男、お金じゃ買えないもの
でもやっぱりお金…?

鴉のような声、怪力、大食い、そしてバカだけど
ふとましくもピュアなキヌ子役、小池栄子さんが演じられてて
さすがでした。
そしてタラシ編集、大泉洋しかいないなあ。
役者が揃った良作なので、まだ観てない太宰ファンもにオススメしておきます。


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