西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

何事も「立地」が最重要だ

2011-04-25 | 地域居住学
東日本大震災からの復興(復旧含む)に当たって、住まいはどうする、農地はどうする、漁港はどうする、堤防はどうする・・・、これらを考える時に、何が一番大事か。

私は、何をどういう立地に建設するか、が一番重要と考えている。

参考に城郭建設を考えてみる。戦国時代から江戸時代にかけて多数の城郭が造られてきたが、どういう手順で築かれてきたのか。NHKカルチャラジオ歴史再発見の、『城と女と武将たち』テキストで著者の小和田哲男さんは、
「城を築くのには、地選(土地を選ぶ)、地取、経始(縄張)、そして普請(私注:建築)、作事と段階をふむ・・・」(133頁)と述べている。

先ず第一が、地選(土地を選ぶ、立地をしっかり考える)ということになる。

まあ、お城は、その地域の大名、領主なので、自由に「最高の」立地を取りやすいので、あえて現代語で言う「地盤改良」のような言い方は大きく出ていないが、現代では、立地一発で全ての問題がほぼ解決の見通しを得るのは中々難しく、「地盤改良」も含まざるをえないだろう。

で、大震災復興の住宅建設にあたっては、前にも述べたが、津波が襲ってきた以上の海抜の台地を造って、他に部分的には等高線に沿って、〔1〕海が各戸から望められ、かつ〔2〕更に高いところに逃げられるように計画することが、立地を選ぶ中に想定されるだろう。

立地を考える時に今回でも分かったことは、津波に対しては「海抜を考えること」、震動に対して(地盤流動化が起きるかどうか、地盤が沈下するか隆起するかどうか、土砂崩れが起こるかどうか等)は「以前の土地利用を調べること、海岸線かどうか・・・」などのチェックが大事である。

とにかく地理的立地(と歴史的土地変動履歴)を真剣に考えて決めることは、全体の計画を本当に「リッチ」にすることに通じると思う。

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