西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

私のしごと館の経営と住民の思い

2009-05-24 | けいはんな学研都市マター
私の住む「けいはんな学研都市」に「私のしごと館」という三つのこと、すなわち40~50位の職種の「しごと体験」が出来、さらに多くの「しごと情報」が検索でき、自分の望む「しごと適性検査」が出来る日本唯一の施設がある。

この施設は渡辺行革相、茂木行革相が一寸見ただけで、「税金の無駄使いだから廃止の方向」みたいなことをマスコミに言ったものだから、そういう「流れ」が出来てしまい、「廃止」に追い込まれつつある。

たしかに、全国には中央官僚の天下り受け皿のみのような無駄な施設もある。「私のしごと館」がそれらと同じだと言うのだろうか。

一二の大臣の発言や一部のマスコミに惑わされてはいけない、と思う。

今日、私のしごと館で市民、住民が主体の「けいはんなのまちづくりを考える会」(代表:杉原五郎さん)主催で、「地域・住民の視点から。私のしごと館問題を考える市民フォーラム」が当の私の仕事館で午後13時から16時半まで開かれた。参加者は報道も含めて120人ほどと言う。

私は私のしごと館に来たのは4回目位だ。初めは一人でざっと見た。2回目は三人の孫(中1、小2、2歳)である。3回目は、このフォーラムの前に下見に来た。

で、今日は13時から館の見学、約40分で館の係の説明をききつつ回った。係の説明では、先にあげた「しごと体験」「しごと情報」そして「しごと適性検査」をするには3時間かかると言う。私は前に来た時には、予約もしていなかったので「しごと体験」が出来なかったが、今日も時間不足だったが、子どもたちがしごと体験している現場をガラス越しに何カ所も見た。皆イキイキ取り組んでいるようだった。

この見学の最後に「来た大臣はどの程度見て回ったのか」という質問があった。答えは「まあ1時間ちょい・・・」私は「国会議員はどうか」と聞いた。答えは「ほとんど来ていない、来られたらじっくり対応するのに・・。」

今日のフォーラムには国会議員一人、別の議員秘書一人が来ていたが、とにかく少ない。この原因の一つが後で分かった。それは、この私のしごと館は国会議論をしなければいけない一般財源での施設ではなく、最近「埋蔵金」などと言われている政府「直轄」ともいうべき特定財源での施設であるからだ。

14時からのフォーラムでは、主催者代表の杉原五郎さんが、今までの経過と問題提起をされた。情報 今まで用地取得費、建築工事費、造成設計費の計で580億円ほど出費、平成19年度の収支:収入・・・運営費交付金(独立行政法人に交付)12.9億円、自己収入 1.7億円 支出・・・人件費等14.6億円

平成20年9月より運営を指定管理者として(株)コングレに委託、

その社長も今日のフォーラムに参加されていて実情に即する分析や意見を言われた。関連記事:「産経新聞」http://sankei.jp.msn.com/economy/business/080921/biz0809211918001-n1.htm

パネルディスカッション:パネリストは住民3人:斎藤恵彦さん(精華町住民、保育所理事長、自治会長歴任)、木戸明美さん(主婦、3人の中高生の母親、木津川市在住、主催者の事務局担当)、吉田秀子さん(npo働きたいおんなたちのネットワーク理事長、宇治市在住) 行政代表2人:木村 要精華町長、河井規子木津川市長 教育者代表:井上 総さん(前木津川市立木津第二中学校長)、石黒典男さん(元大阪府立白菊高校校長) 司会が藤田 忍さん(「考える会」副代表、大阪市立大学大学院教授)だった。

全体として、小中高生の「キャリア教育」の上で我が国唯一の施設だから大事にすべし、という意見が大半だった。

フロアから私は「けいはんな市民雑学大学」代表として指名され感じた意見を述べた。(ここで増補リファインしている)一言で言えば、全省庁で取り組むべし、一つは厚労省(更に言えば旧労働省)のみであれこれやるのではなく「キャリア教育が大事」と言うなら文科省が、京都、奈良、大阪あたりに来る修学旅行に補助金を出したりして3時間だけ私のしごと館体験見学を組み込むよう指導すること。これが出来れば小中高各学年100万人以上の児童生徒がいるのだから小中高で各校で1回づつくるとすれば全部来て300万人、仮に2割として今の倍の60万人が年間入場する。運営交付金6億円から減らしても十分黒字になる。

もう一つは、各省庁は様々なしごとにかかわっている。農林漁業のしごとだったら農林水産省、建築・土木・造園のしごとだったら国交省、大使などのしごとだったら外務省、npoボランティア主婦だったら総務省や内閣府・・・である。各省庁も私のしごと館を応援すべき根拠があるのだ。

記念公園の人もリピーターを増やす努力・工夫を言われた。

コングレの社長・隈崎守臣さんの発言が圧巻だった。要約すると「これの運営を引き受けることになった時、「運営費交付金」のような政府支出年間6億円とそれ以前の半分で運営できれば「節約」になっているし、国民的役割からいってオーケーだったのに行革大臣が変なこというものだから、全国の学校からの予約が落ちて年間30万人も危なくなっている。まあ増やす算段もしているが・・・」、と言われた。

お手並み拝見である。また、「ここには200人の地元雇用があり、今、雇用問題が最重要になっているのに、リストラするの?という問題もある」更に「ここにはキッズアニアと違って本物の物、本ものの者があり、いる。土地建物だけでなくそういうものも含めての私のしごと館なんですよ、廃止したら積み上げてきた貴重なノウハウが一気に奪われるのですよ」また、「これがあることで交通などのインフラも維持できる」とも言われた。

精華町長や木津川市長には、「検討会でも森永卓郎さんのような支持者がいる。」「厚労省だけでなく文科省も引き込むべし」との発言があった。

終わって来ていた一国会議員と喋った「厚生労働委員、文部科学委員」とのことだ。今日は、厚労省の役人も文科省の役人も来ていなかったようだ。帰ったら地元の熱い思いを両省に伝えるとのことだ。

まあ後から考えると、「関西文化学術研究都市」なので文化活動のしごと、学術研究のしごと(今年の調査で男子のなりたいものに野球選手とともに学者・博士というのもあった)ともリンクしたら良いと思った。近くに様々な研究施設、大学もあるのだから業務に大きな「迷惑」にならない範囲で子供達を受け入れてもらう。その結節点にこの私のしごと館があるという位置づけだ。

読まれた皆さん、是非ご自分のブログにリンク(転載含む)していただき使えるメーリングリストでも発信して頂きたい。お願いします。




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4 コメント

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そうですね (ichiro)
2009-05-26 08:11:24
学研の古だぬきさん

コメントその通りですね。この記事150人の方に読んでもらっています。今まで一記事では一番多いアクセスです。

もし、あのフォーラムにお出でだったのでしたら周りの住民にも友人にもこの意見広げて下さいね。
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残したいです (学研の古だぬき)
2009-05-26 00:00:39
所管の関係から無駄と言う事で始まっているようにおもいますが、「わたしの仕事館」をその様な発想からいえば国会図書館も無駄であり、博物館も無駄であるとおもいます。現在中学校において体験学習が取り入れられています。今後の子ども達にとって絶対に残したい施設だと思います。コングレの社長も頑張って頂きたいと思います
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協力して (ichiro)
2009-05-25 13:01:49
綾紫さん

コメント有り難う。一寸、雇用保険法よくわからないのですが、とにかく厚労省から文部省に管轄替えがそんなに簡単に行くとは思えないので、厚労省を結節点に文部省も「キャリア教育」の観点から大いに協力するとしたら良い、と思います。
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Unknown (綾紫)
2009-05-25 05:56:36
今日は。かつて、けいはんな地区に通勤していた者です。

さて私のしごと館問題ですが、ご指摘の通り特別会計(雇用保険)で運営されています。

しかし、雇用保険を使って能力開発事業としてやっていいのは労働者・求職者を対象にした事業であり、初めから子供を対象にする事業は違法だと感ずるのですが、いかがでしょうか。

雇用保険法第62・63・65条はそう読めます。

ご発言には「文科省」とありますが、私のしごと館はやはり文科省の業務ではないでしょうか。

個人的には職業キャリア教育が教育らしい教育とは思えないのですが、それはともかく、今の景気を考えると、官→官の横滑りもあり得るのではないか、と思います。
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