明治座五月花形歌舞伎 5月4日夜の部
一、「あんまと泥棒」 市川猿之助、市川中車
二、「鯉つかみ」 片岡愛之助 六役早変わり
大百足を退治する勅命を受けた俵の藤太は、宝剣の助けにより見事に退治するのだが、琵琶湖に流れ込んだ大百足の毒血が湖に住む鯉大王の息子の身を汚してしまう。実は鯉大王の息子金鯉は龍に化身して天に上ることになっていたのだが、毒によって登龍の望みが絶たれてしまう。これを恨んだ金龍は末代まで俵家に祟ると誓った。
時は移り、俵家の末裔釣家では、お家乗っ取りに陰謀がおきる。釣家の息女小桜姫は清水寺であった志賀之助に一目ぼれする。この志賀之助は、実は釣家の滅亡を企てる鯉の化身であることが宝剣の力によって露見し、真の志賀之助が琵琶湖へ鯉退治にむかう・・・というあらすじ。
舞台では、本物の水を使っての鯉との格闘・立ち回り、宙乗りなど様々な仕掛けがある。幕になるまえの、花道を戻るときには愛之助は水掻きのように手を動かしての「泳ぎ六法」を見せる。
舞台4-5列めまでの観客にはビニールシートが配られたが、舞台から飛び散る本ものの水はもっと飛んだのではないでしょうか。
鯉との格闘では、小さな鯉であったり大きな鯉を使い分けて、舞台にこしらえた池に愛之助が鯉を投げ入れたり、自ら池に飛び込んだりと、観客は大喜びだった。
私は2階席だったので、水は飛んでこなかったが、宙釣りになった愛之助が花道の上空を舞う姿が、とてもよく見えた。
(写真は明治座公式HPより)