“原発 上部は弱い構造か”
福島第一原子力発電所の3号機で陸上自衛隊が18日地上から放水を行った際に撮影した映像について、原子力が専門の東京大学の関村直人教授は、「3号機の建物は、中ほどより上の部分で壁や屋根の部分が大きく崩れてしまっている。原子炉や使用済み燃料のプールがある場所は、この映像では、建物の中ほどよりも下の部分にあたり、比較的損傷が少ないように見える」と分析しました。
建物の上の部分と下の部分とで壊れ方が違うことについて関村教授は「建物の上の部分は、原子炉の格納容器などが入っている下の部分より、もともと弱い構造になっているためではないか」と話しました。また、自衛隊の消防車による放水活動について、「建物の中から水蒸気が立ち上っているのは、放水した水が熱を持っている燃料棒に触れて発生しているとみられる。放水によって、ある程度の量の水がプールに入っていると考えられる」と話しています。さらに関村教授は、今後の対策を検討するうえでのポイントとして、「建物の内部の天井付近に取り付けられた、重い装置などを移動させるためのクレーンが、今どのような状態になっているのかが非常に気にかかる。クレーンが下に落下して燃料棒を損傷させたりしていないか、確認する必要がある」と指摘しています。