ドリンクバー事件

そう、あれは、外出中に上司とお昼を食べに行った時の事でした。

自分は、初めて入ったこの店は、一緒の上司が昼時にこの近くに来た時には、いつも立ち寄る洋食屋さん。今日も近くに来たこともありまして、一緒にお昼を食べることとなりました。嬉しいことに、ランチメニューには、すべてドリンクバーが標準セットとなっておりました。これが、上司お気に入りの理由でもあるらしいです。

外の暑さですっかり汁ダクになっていた自分には、本当に嬉しい限りのドリンクバーです。ランチを注文をして、早速ドリンクを取りに行きます。そこには、コーヒーやアップルジュースにフルーツジュースなど、数種類のドリンクが大きな水差しに入って並んでいます。どれも飲みたい衝動に駆られましたが、すっかり喉の渇きに飢えていた自分は、甘過ぎるのも、苦いのも避けたいなぁと、どれにしたものか悩んでしまいました。(´ε`;) ウーン

・・・と、悩んでいた自分の目に白い飲み物が目に留まりました。白い飲み物といえば、そう、牛乳。予想通り、ラベルには「ＭＩＬＫ」と書いてあります。自分は、猫だけに牛乳には目がありません。まだまだ若いですから、お腹もゴロゴロしませんし、こりゃいただき！！と、ナミナミと全部注ぎました。ヽ(´▽`)ノ ワァイ


・・・意気揚々と席に戻ってきたところ、先に席に戻っていた上司が、自分のコップを見て怪訝な顔をしています。不思議に思いつつ着席すると、上司が不思議そうに尋ねてきました。(°д　゜) ハァ

「かいねこ。それ何だ？」

「これですか。牛乳ですよ。本当に牛乳大好きでして、暑かったから本当に…」

「いや、それはいいけど、牛乳なんてあったか？」

「いやいや、ありましたよ。ちょっと小さめだったんで、全部持ってきてしまいましたが…」

「ふぅん・・・」

その刹那、自分の肩越しにドリンクバーを見ていた上司の顔が、変に歪んでいくのでした。そう、笑いを堪える表情に・・・。(´ー`) フフフッ

「か、かいねこ、ダメだよ・・・ハハハッ」

「はい？」

「そ、それって

ミルクティー用の牛乳だぞ」


な、なに～！！ Σ（゜д゜lll）


確かに、これだけ小瓶に入っていましたけど

確かに、一杯入れただけで空になってしまいましたけど

確かに、砂糖やガムシロやレモンのそばにありましたけど


・・・って

どっかで気付くだろう・・・
＿|￣|○


はじめのうちは、爆笑していた上司も、この牛乳泥棒とひとくくりにされるのが恥ずかしいのか、気がつけば、すっかり相席をしている人のような他人行儀さをかもし出してくれてます。当事者の自分も、当然ながら顔から火が出るくらいに恥ずかしい思いをしているわけですから、クーラーのきいた店内で、再び滴る程の汗をかいてしまうのでした。

そうそう、その当事者の牛乳は、証拠湮滅のために一気飲みして差し上げました（味は、当然濃厚でして…うぷっ）

しかしですね。カインの印は、そんな簡単には消えないわけでして、自分の目の前には、所在無げに白い跡のついたコップが、犯人の痕跡として残されたのでありました。あぁ、もう嫌ぁ・・・。こいつをどうにかしないと犯人確定ですから、それから我々は、店員に見られないようにひた隠しつつ、そのコップを自分達の回りから離そうと必死になりながら、お昼を過ごしたのでありました。(*´д｀*) ハァハァ


その時、ドリンクバーを点検に来て、空の牛乳入れを見て、怪訝そうに辺りを見回していた店員の顔と、他人のフリをしようと必死だった上司の顔は、しばらく忘れられそうにありません。(ToT)


大人になってからの牛乳は、危険ですので、飲める方でもくれぐれもご注意ください。