【70才のタッチ・アンド・ブースト】ーイソじいの”山””遍路””闘病””ファミリー”ー

【新連載】 『四国曼荼羅花遍路-通し打ち45日の マイウェイ』

四国曼荼羅花遍路-通し打ち45日の マイウェイ 34 写真は横峰寺奥の院 星が森からの石鎚山遠望

2023-01-05 17:44:46 | 四国曼荼羅花遍路 通し打ち45日のマイウェイ 涅槃の道場(愛媛県)編
(34日目・5月24日)壬生川のターミナルホテル東予からママチャリで伊予
         小松へ。駐輪場所から路線バスで横峰寺アプローチの入り
         口大頭(おおと)下車。約8km、1時間40分の登りで湯浪
          (ゆうなみ)休憩所。そこから山道の遍路道を60番札所 横
         峰寺へ、奥の院の星が森から石鎚山を遠望する。下山は林
         道を下り、63番、64番を逆廻りして小松の駐輪場所から
         ママチャリで61番札所 香園寺詣り、出発地の壬生川のホ
         テルに戻り、本日連泊。
 晴。6:30起床7:10発→7:40小松総合支所、ファミリーマートで朝食、行動食仕入れ
→8:05路線バス→8:15大頭バス停下車→歩きで9:55湯浪休憩所(若者たちと談笑)
10:20→11:35 60番札所横峰寺、昼食(行動食)13:00→13:10奥の院 星が森13:30→下
山16:45 61番札所 香園寺17:05→18:05間食を仕入れてターミナルホテル東予着、本日
連泊。
(ホテルからの朝の石鎚山)
 本日は四国霊場の中でも屈指の難関、横峰寺。今回の通し打ちでも楽しみにしてい
た札所で、パートナーも呼んで一緒に歩き、さらには石鎚山にまで足を延ばそうと思
っていたのだが、日程等合わずで、単独での遍路で石鎚登山も『お預け』となってし
まった。なるべく余裕の日程と思いホテルの朝食は採らず、ママチャリで伊予小松を
目指す。通勤通学で交通量の多い国道196号を約30分で小松総合支所のバス停に到着
し、バス停横のファミリーマートで軽く朝食と昼用の行動食を仕入れ、8:05発の路線
バスに乗車して約10分で大頭バス停着、下車。バス停から国道を左折し生活道路へと
入っていく。ここから横峰寺遍路道の山道入り口になる湯浪(地元では『ゆうなみ』
と言っている)の休憩所に向かう。
 バス停から湯浪まで約7.5kmで標高も300m近く登らなければならない。その間大頭
集落を通り過ぎていくのだが、延々歩く感じだが人家が点在しこの間コンビニや商店
が何もない。気を付けなければならないのは食べ物や飲料を仕入れるところもなけれ
ば、使用できるトイレも何もなく、何か所か集会所か公民館があるけれど、朝も早い
ためカギがかかっており入れない。一層のこと人家も何もなければ、『ちょっと失
礼』でさっさと済ませるが、集落が延々と点在して続いており、女性や大きい方では
そうもいかない。普通準備を周到にしておけば2時間ぐらいの行程なら何とかなる
が、エマージェンシーの場合は大変だろうなあ、記憶に留めておこう、と思った。
(左・湯浪の東屋の休憩所、中・湯浪の湧水汲み場、右・湯浪の遍路道登り口)
 10時前に湯浪休憩所着。ここは広場のようになっていて普通車なら5台くらいなら
駐車できそう。自転車遍路の時はここまで延々と漕ぎあがってきてここに駐輪し、山
道を往復した。登り口には横峰寺と書かれた四国の道の杭があり20年前と同じ景色。
登り口の左手には湧水の汲場があり、これも20年前と同じく、地元の女性の方が軽ト
ラックにポリタンクをいくつか積んで湧水を詰めておられた。
 湯浪休憩所にはきれいなトイレが設置されていて、若者たちが7~8名くらいかと思
うけれど、トイレの掃除をしていた。大学か高校のフィールドワークかなあと思って
いたが、どうやら支援学校の若者たちのフィールドワークのようだった。そのうち掃
除が済んで休憩ベンチで輪になって指導員の方を囲んで、飴をしゃぶったりジュース
を飲んだりしながらにぎやかに談笑。私もそろそろと出発なので、わいわい話す彼や
彼女らに
 「トイレをきれいに掃除していただいて、ありがとうございました。おかげで気持  
 ちよく使わせていただきました。それでは今から、山に行ってきます。」
 と言うと、賑やかに
 「行ってらっしゃい。お気をつけて。」
 と返してくれた。元気な声に送られて遍路道の山道に入る。
(左・遍路道①、中・遍路道②、右・遍路道途中にある丁石)
 遍路道は整備されていてそれほど厳しいところはないが、距離にして約1.7km、標
高差約450m近く登らなければならない。しばらく川の上流、せせらぎに沿って歩
き、やがて丁石が出てきて尾根へと向かう。1時間強の登りで、歩き遍路へのウェル
カムゲートである山門に着いた。20年前にはもう少し道も整備されていなかったけれ
ど、45分で登ったことを覚えている。20年の歳月による加齢か、今回は途中休憩も少
ししたし、仕方がないか。
(左・歩き遍路のウェルカムゲートの山門、中・横峰寺山門にて、右・横峰寺近辺の道案内)
 山門でオートシャッターの自撮りをして、境内に入りお詣りと納経を済ます。納経
所でご婦人と寺のことや石鎚山との由来や奥の院のことを話していただき、奥の院星
が森へ行く旨を言うと別に星が森の納経も頂いた。山門から歩いて10分、霊場 星が
森に着いて鉄製の鳥居の中に石鎚山を遠望し、写真を撮る。いろんなポスターなどに
使われているアングルだけれど、鉄の鳥居は小さい鳥居で、高さは1.3m位かと思う。
したがって鳥居の中に石鎚山遠望を入れるアングルはかなり低い目線となるので、カ
メラを持って後ろへ少し倒れ込むような姿勢で何とか収めた。星が森のお詣りを済ま
せ、鳥居の横の道案内看板を見ると、石鎚山まで8時間と書いてある。本来はその道
を行くつもりだったのだが、今回かなわずということになった。13時20分に星が森
発。
(左・横峰寺境内、中・奥の院星が森にて石鎚山遠望、右・星が森にある道案内看板)
 13時20分に下山開始。横峰寺の駐車場から少し下がったところで、下山路の作業用
林道から左手に遍路道の下山道がありそこ辿ると61番札所 香園寺へはほぼダイレク
トに行けそうでそちらが古道の遍路道のようだけれど、私は下りの山道には極端にて
こずる。段差でもあればどうなることか予測がつかない。したがって今回はかなり遠
回りになるけれど作業用林道を下山することとした。林道とはいえ、森林組合の管轄
で作業用の道でもあり運転には緊張しそう。暫く行くと『平野林道管理署』というプ
レハブの事務所があり、自動車遍路の方はそこで料金を払うようだ。有料とはいって
も道の補修も必要最小限という感じで、自家用車はたまに訪れる遍路さんの車くらい
だがここから横峰寺駐車場まで簡易舗装はしているけれどオフロードのような道。あ
まり車の運転をしない人やツアーの遍路さんは料金所からさらに4kmくらい下がった
ダム湖が見下ろせる所にある『横峯寺登山参拝バス』への乗換所で、市街地からの路
線バスから参拝バス(不定時便のようだけれど)に乗り換えて横峰寺まで行かなけれ
ばならないようだ。一番の内陸部ということでは大宝寺、岩屋寺、標高の高さでは雲
辺寺等の難所があるが、アプローチの不便さというか厳しさは、四国霊場屈指の難所
の札所に違いない。
 林道の下山に2時間強費やし市街地の氷見に降りてきて、国道11号線に出る。すぐ
近くに63番 吉祥寺、10分ほどで62番 宝寿寺と逆打ちして、両方ともお詣りは明日に
まわし、まずは小松総合支所に歩いて戻る。16時20分ごろ総合支所に着。まず横のフ
ァミリーマートでポカリの一人乾杯し軽くスウィートを食べる。しかし、気が付けば
16時30分が過ぎている。慌てて駐輪してあった自転車に乗り、横峰寺から降りてきて
本日中にお詣りして置く予定だった61番札所 香園寺へと向かった。
(左・香園寺本堂・大師堂、右・香園寺境内)
 何とか間に合ってまず納経所に飛び込み納経していただいた。香園寺は20年前に来た
時、モダンなデザインで鉄筋コンクリート造りの大変立派な本堂・大師堂が建立され
ており、左手にはまた立派な宿坊が建てられていた。本堂・大師堂は少し違和感もあ
ったのだが、20年の歳月で境内の中に落ち着いた佇まいをしている。納経していただ
いて時間を見ると16時45分、ホッとして納経所の女性とまたお喋りを始めた。
 「20年前に自転車で遍路をして、その時立派な宿坊があったと思ったのですが。」
 「はい。でもだいぶ前に廃止しました。」
 「そうですか。今回歩き遍路ですけれど、香園寺さんの宿坊は歩きで横峰寺をお詣
 りするのに、大変いい場所なのでお世話になろうと思って、2日ほど前に電話した
ら、廃館になったとのことで、宿探しに難儀して、結局壬生川泊りになりました。」
 「それは、ご苦労様でした。」
 といった話。実際、以前は小松の市街地にもビジネスホテルがあって、美味しい牛
肉が食べられる料理屋さんもあったように思うが、それらも今は分からない。そして
香園寺は石鎚山登山とセットなら、大変便利はベースになると思っていたのだが。
 時間が過ぎ施錠された本堂・大師堂の外側からお参りし、納札を収めて、ママチャ
リで連泊のターミナルホテル東予に戻り、ホテル横の中華料理屋さんへ夕食を食べに
行った。明日は涅槃の道場、愛媛県最終の65番札所 三角寺(さんかくじ)麓の遍路
宿を目指し約65kmの移動。ママチャリのありがたさを実感しながら、明日の遍路の
イメージをする。ここまで来ると、毎日が楽しくなってくる。
         (本日移動 約68km  内歩き  歩、  km)


四国曼荼羅花遍路-通し打ち45日の マイウェイ 35 写真は 閑静な前神寺境内

2023-01-04 18:10:44 | 四国曼荼羅花遍路 通し打ち45日のマイウェイ 涅槃の道場(愛媛県)編
(35日目・5月25日)石鎚山麓の山岳信仰の寺や里寺を廻り、涅槃の道場(愛
           媛県)最後の寺三角寺麓の遍路宿を目指して、東予を
           延々約70kmを移動。心に残る涅槃の道場だった。
 快晴。6:40起床、朝食8:25発→8:50 62番札所 宝寿寺9:00→9:15 63番札所 吉祥寺
9:25→10:00 64番札所 前神時(納経所で僧侶さんからいろいろ伺う)10:40→13:50昼
食14:50→国道11号線を延々と四国中央市の伊予三島市街地へ移動→旧伊予三島市街
地で道迷い→18:20やっとの思いで遍路宿着
    本日はいよいよ涅槃の道場(愛媛県)最後の三角寺を目指してママチャリで長距離
移動だ。昨日の日記にも書いたが、ここまで来ると毎日の遍路が楽しくなってきた。
フィジカルも順調、メンタルも快調、社会的な諸条件も大体クリア。結願が楽しみと
思いながらの移動だ。何故だろう? 今回の四国遍路マイウェイはネット出版して、
できれば『マイウェイ』を『遍路日記』にして、四国の皆さんとの珠玉の関りもご了
解を頂いたうえで紹介し、ペーパーブックにして自分のメッセージとして残して置く
予定だ。この涅槃の道場を過ぎれば、ネット本・ペーパーブックのプロローグを書こ
う、そんな思いが湧いてきている。ということで、本日のレポート。
 
(ホテルからの朝、昨日の横峰寺・石鎚山方面を望む)

  本日の朝食は連泊してお世話になったホテルのレストランで、美味しく頂いた。8時
半前にママチャリに乗って出発。61番札所は昨日中に納経を済ませており、62番札所
宝寿寺に8時50分に着。お詣りと納経を済ませ、続けて63番札所 吉祥寺にお詣り。宝
寿寺と吉祥寺は国道11号線沿いにある里寺で、私が会社員時代に出張で国道11号線を
走行しているときに見かけ、四国88霊場に興味を持ち、転職後で20年前に自転車遍路
を始めたきっかけとなった寺で、いろんな思いで懐かしくお詣りさせていただいた。
(宝寿寺門・宝寿寺境内)
(吉祥寺門・吉祥寺境内)
 
吉祥寺からは国道11号線を離れしばらく山手の方を並走する地道をママチャリで駆
けた。10時に64番札所 前神寺に着く。前神寺は地道から少し山に入ったところにあ
る閑静なお寺。国道や自動車道の喧騒から離れ、静かにお詣りをさせていただいた。
納経所に入ると僧侶さんがお二人おられ、またお喋り。
 「四国霊場は山岳修験の本当に厳しいお寺もあり里寺もありで、弘法大師が修行し
 た地を後世の真言宗高野聖の真稔さんが88霊場として『道しるべ』で紹介し、真言
 宗のイメージがあるけれど、民間宗教というかその地ごとのコミュニティ文化の曼
 荼羅のように思うのですが。」
 の旨を尋ねると
 「そうでしょうね。この寺も石鎚神社の末寺でそういうことは他でもありまして、
 伊勢神宮などでも末寺があります。」
 とのことだった。他にも色々伺ってまた新たな勉強をさせていただいた。
(前神寺への道にある石鎚神社の大鳥居。前神寺の入り口の門・閑静な境内・本堂から参道を振り返る)

 ここからは、国道11号線に再び戻り、ひたすら旧伊予三島・川之江の市街地を走
る。本日は国道11号線の幹線道路が主だから、昼食を仕入れずに新居浜市街地のはず
れにあるらしいコーヒーハウスかドライブインでと思っていたが、なかなか到着しな
い。かなり空腹になってきた午後2時前にやっとコーヒーハウス着。交通量が多く歩
道がなく車道を走ったりして、おまけに快晴で気温も高く、ホッとした思いで店に入
った。看板は『峠の食堂』となっているけれど、外観はコーヒーハウスだ。店は女性
の方がお一人で切り盛りしておられるようで、それでも冷房も効いて、メニューもホ
ームメイド感たっぷりで、ドライバーやお遍路さんやらがよく立ち寄るようで、この
時間帯でも2組の方が食事をしてくつろいでおられた。私も、手作り感たっぷりのと
んかつ定食とアイスコーヒを頂いた。
(東予の四国中央市を超え、伊予三島をひたすら目指して)
 1時間ほどくつろいだ後、再び国道11号線をただただママチャリを漕ぐ。2時間くら
い、距離にして20km位漕いできて、旧伊予三島のにぎやかな市街地に入り、国道11号
やら県道123号線やらを行ったり来たりしながら本日の遍路宿を探すけれど辿り着か
ない。遍路地図ではサッパリイメージができなくて遍路宿に電話しても応答なし。ど
こかその辺のビジネスホテルに入ろうかとも思ったけどそのうちにとにかく国道11号
線に固執してもう一度電話するとやっと繋がった。とりあえずやっと安心して、それ
でも分かりにくかったけれど、午後6時半前に遍路宿に着いた。
 宿は、看板は『〇〇旅館』の看板が出ているが中に入ると普通の民家風で、大女将
さんがお一人で切り盛りされているようだった。家人の方もおられるようだが、宿の
方には関わらずといった感じ。四国の遍路宿ではそんな宿も沢山ある。地元の方が建
築されたホテルでも、大女将さんあるいは女将さん、ご主人と言っていいのか男性の
方がお一人で切り盛りといったところも多く、食事も素泊まりとか朝食のみとかいろ
いろ。本当にコロナ禍とかでかえってご迷惑をおかけしているのではと恐縮している
のだが、その分大変感謝している。この地に来て、お接待の心とでもいうものに触れ
て、本当にこの年になって貴重な経験知を頂いていることを本日も実感。
 宿で、明日の予定で朝早く65番札所 三角寺(三角寺)にお詣りしてそのまま雲辺寺
へは向かわず、一旦戻って自転車で別の道から雲辺寺を目指すので11時ごろまで自転
車と不急の荷物を預かってほしいとお願いしたら、快諾されてもし留守だったら玄関
の鍵を開けておくので荷物は持って行ってください、とのこと。この先の遍路に激励
と感謝を頂いて、本日の夕食を仕入れに近くのファミリーマートに出かけた。
 本日で涅槃の道場は無事涅槃することなく終わり、明日は菩提の道場(香川県)の
最初の寺、四国霊場の最も標高が高い寺、66番札所 雲辺寺から入っていく。そして
67番大興寺、68番神恵院、69番観音寺にお詣りし、観音寺市内の遍路宿泊まりの予
定。余談だが、観音寺は地元の人は『かんおんじ』といわれるようだが、地図では
『かんのんじ』となっていることが多い。ここではひらがな表記の場合は『かんおん
じ』とします。
           (本日移動距離 57km、 うち歩行 10057歩、 7.5km)