産地は山形・・・・・伐採されたのは随分と古く20数年前との事・・・・・
近年、この手の極上の黒柿孔雀杢の材が新規で市場に出て来る事は中々ないのが現状なのだとか・・・・・
この黒柿材は僕の宝物・・・・・
といっても、実の所この黒柿材を目にするのは、僕でもたった4回目だったりするのです
なんせ普段は、杉板と杉板にサンドイッチされて緩衝材でグルグルに巻いて、日光の射さない暗所にて静かに出番を待っている状態なもんで中々みる事が出来ない状態・・・・・
本来はもう少し大きくて、材の左側に下の写真の小板がさらにくっついていたのだけれど、
ちょうど割れが入っていた部分から割って、それをランディングネットのグリップ用に小割りにするのが今回の目的だったのです。
大きい本体はというと、また深い眠りについてもらいましたけど(^^
この材はかなり大きい上に、厚みはそれほど無く、割れもあるので、結構気を使いますが、この美しさと来たら半端なく・・・・・
本職で木材を扱っている訳ではないので何とも言えない部分はありますが、希少価値でいったら間違いなく最高レベルの極上品です。
黒柿孔雀杢といっても、実際にはピンからキリまであります。人によっても認識は違うでしょうけれど、孔雀杢とは呼べないものを孔雀杢と読んでいる場合も多々あるのが現実の様です。
この黒柿材が素晴らしいのは、この大きさで全面に孔雀杢が出ているという事もありますが、
僕の場合、ランディングネットのグリップ材として使う都合上、材の大きさはそれほど重大な要素ではありません。
じゃあ何が素晴らしいかと言うと、既に分かる人は分かっていると思いますが、
この孔雀の羽の様な文様が恐ろしい程に、細かく密集しているのです。
ランディングネットのグリップの様な、それほど大きく無い物を製作するにはうってつけの材と言えるでしょう
もちろん、市場評価でも孔雀杢が細かな材程、希少価値が高く高値なのです。
じゃあ問題は何もないのか?と言われれば、それが、そうでもありません・・・・・・
僕がこの材を手に入れてから、1本のランディングネットしか作らなかった理由がここにあるのです。
それは、コントラストが若干乏しい事・・・・・写真で見る分には杢目がはっきりしていて美しいのですが、
水分を含ませたり塗装を乗せたりすると全体が濃い色になり、今見ている状態よりはコントラストが落ちて、杢目が少々ぼやけてしまうのです。
これが黒柿孔雀杢の味だと言われればそうなんですが、若干不満を持っていたんです
材が年数を経て汚れてくすんでいるというのも原因かもしれませんが、それだけでなく、黒柿材特有の部分が大きいと考えておりました
そして数年間、僕は他の黒柿材やこの黒柿孔雀杢の端材を使いながら、とあるテストを繰り返していたのです。
それは、水に浸けておく事・・・・・・たったそれだけ
古い材のシミやクスミをとるには、化学薬品を使って漂白するという手法もあるにはあったのですが、
古来から珍重されている黒柿に使う事は、材が痛むかも?という事だけでなく、僕のポリシーからも外れる様で除外しました
じゃあ何で水かというと・・・・・
黒柿は、伐採して生材を水に数年つけ込んで乾燥させる水中乾燥という手法をとるのが、割れも歪みもおきにくく
杢目も美しく出す事ができる最善の方法なのだそうです。もちろん、水から引き上げてからは暗所にて乾燥は必要になりますが・・・・・
この、伝統的手法に乗っ取って、この黒柿に一手間を加える事でさらなる美しさを引き出す事ができると考えているのです
トップの写真奥の右2枚も黒柿の孔雀杢なのですが、こちらは水に浸け込みましたが、つけ込む前よりもコントラスが強く杢目がくっきりと出てくれました
元々半乾燥材で仕入れて、水中乾燥が短いかもとの事だったので、そのせいもありますけど・・・・・・
そして、以前の記事でポドキンに使った黒柿
こちらは、この黒柿孔雀杢の端材を水に浸け込んでから乾燥させた物を使用しているのです
こちらも以前よりもコントラストが強く杢目がはっきりしました。その時、一緒に灰汁抜きした材で次回ランディングネット製作予定です。
現在は、小割りにした板と、耳付きの板から製材した黒柿材その他数枚を水に浸けてアク抜き処理に入っております
一度乾燥はしていますし、材の厚みもそれほどではないので冬前には、ランディングネットのグリップ材としてデビュー出来るかなと思います。
黒柿ってランディングネットにする場合、気取りが非常に重要で難しいですね。
でも、それが楽しさでもあるんだと思ってます(^^
黒柿はしっかり養生された材でしたら、硬質でしっかりした材ですよ。
黒檀とかと同じカキノキ科で、黒檀よりも粘りがあるんじゃないかと思います。重さは黒檀より軽いです。
この材は、荒材なんですが磨くと艶があって手触りもいいです。
古材なんで一部もろい部分も多いですが、
黒柿は、黒い部分と白い部分の乾燥スピードが大きく異なるため、乾燥段階での割れとヒビが入りやすいんで、それが一番の原因ですかね。
最近花梨の瘤も高騰しているなんて話ですが、やっぱり綺麗なんですよね。
実は、花梨の紅白を使ったランディングネットって未だに作った事ないんですよね。
記事にあったように板だとカッコいいんですけど小さくて細いネットのグリップにすると黒柿の存在感が薄れてしまうんですよね。
それにコレだけの杢はちょうどいい大きさが無くてなかなか手が出せないし。
パサパサ硬そうなイメージあるけどけっこう脆いんですか?
下の紅白瘤も目を引きますね。
新しいフライロッドが欲しいな~!と思うんだけど、中々買う事が出来ないのは
銘木の収集癖があるからなんだと思うけれど、
中々止まらないんですよね。これが・・・・・(^^
ランディングネット本当に気に入ってもらえて、大切に使ってもらって
制作者冥利に尽きますな。
ちなみに僕も、ぷくぷくりんさんの記事を見ながら、このネットやっぱりいいなぁ~!とよく思ってますよ(笑)
そろそろ、塗装剥がして塗り直しの時期かな。
化粧直しすれば新品みたいに綺麗にもどりますよ(^^
やっぱり折角の材ですから、少しでも良い出来のネットになった方が充実感も満足感もありますし、
自信をもって送り出す事ができますしね(^^
でも何より、結構楽しいんですよ!
最近さらに、素晴らしいフレーム材を入手してしまいまして、
黒柿と組み合わせる予定なんですが
僕としても、どうなるのかワクワクで楽しみなんです!
お楽しみに(^^
孔雀杢がすばらしい!
いったいいくらしたの?と気になりますが(笑)
自分もisseyさんにネット作ってもらって、釣りの楽しさに一味も二味も深みが増したような気がします。
何気なくネットを取り出すとき、渓魚をすくうとき、写真を撮るときに
「あ、このネットいいな・・・」っていつも思ってますよ!
少し傷が増えてきたけど(笑)
なんか料理の下ごしらえの
ようですね
厳選した良い素材にさらに手間暇をかけて・・・
美しいネット、早く拝見したいものです^^