満足度:★★★★【4.0点】
記憶は失っても知識と技術だけは覚えていたんです。
◆
家族の離反、そして記憶喪失。かつては名外科医として知られていた。
今や自分が誰かも分からない不運な男は、やがて辿り着いた村で治療師として
名を馳せていく。
有能な外科医であるラファウ・ヴィチューラが、妻に捨てられた末に
強盗に遭って怪我を負い、その後遺症で記憶を失う物語。
<allcinema>
<Filmarks>
◆
ポーランド映画も決して侮れないことを本作で証明してくれた。
名外科医という地位がありながら、記憶を失い自分が誰かも分からず
そのまま放浪生活の末に、ある村にたどり着く。
記憶はなくともケガや病気で困っている村人の治療はできてしまうことに
知識と技術だけは残っていたんでしょうね、治療師として暮らし始めます。
まず、序盤の家出妻と暴漢という悲惨な状況からどん底に落としておいて
そこから名医であった実力を少しづつ解放させるところはかなり面白い。
ただ、名無しで医師免許もない現状では無料治療でも違法となり逮捕に繋がる。
そうしたなか、村の若者が作業中の大事故や、村に来て間もない女性の
バイク事故など町医者も匙を投げたものを名無しさんが勝手に治療してしまう。
そして、以降の経過観察や正規の看護を求め遠く離れた大病院に向かう。
そこで出会った院長の顔色がみるみる蒼白になっていくというやつですね。
そうなんです!
嘗て路上で暴漢に襲われていた主人公を助けもせず見捨てておいて
以降、自分が大病院の院長の座に就いた裏切り者だったのです。
これ時代背景として第二次世界大戦前の1930年代中期でしょうか、
田舎のポーランドの牧歌的風景が心地よく彼を受け入れる村人の生活ぶりは
陽気で人懐こくとても暖かいのです。
序盤で妻に連れられ出ていった愛娘は15年後に偶然にも同じ村にいて
バイク事故で危篤状態だった自分を救ってくれたのが実父と知ったオチとか
無断治療による法廷裁判まで繰り広げられる内容の濃さは
2時間20分もあっという間でした。久しぶりに暖かい気持ちなりましたよ。
◆
【今週のひと言】
・地位と名声の陰で家庭を顧みないところがあったのか、妻の顔が痛々しかった。
でも、家出した移転先に不倫相手が待ってたのはびっくりだわ。
・当時2歳ほどの娘は父親にべったりだったが成長過程で顔を忘れてしまう。
・15年後、成長した娘目線で物語は進行していく。村の権力者の息子に気に入られ
後に、このドラ息子が本作MVPの活躍をすることになる。
・放浪名無しさんを最初に受け入れてくれた村の未婚女性の恋心に
彼は敏感に反応したんだから15年前もその気遣いがあればよかったのにね。
でも、妻は不倫だったしな~、不倫が先か失望が先か。
・腕っぷしの強い未婚女性が、ふとした瞬間、乙女に見えたのは彼だけではない。
・これって、ある意味、痛快な逆転ドラマってところでしょうか。
挿入音楽も秀逸でドラマを盛り上げるのに一役買ってる感じです。
-----------------------------------------------------------------------------------------------------
監督:ミハウ・ガズダ
脚本:マルチン・バチンスキ、マリウシュ・クチェフスキ
音楽:パヴェル・ルチェヴィッツ
出演:レシュク・リホタ、マリア・コヴァルスカ、イグナツィ・リス
『忘れられし愛』
記憶は失っても知識と技術だけは覚えていたんです。
◆
家族の離反、そして記憶喪失。かつては名外科医として知られていた。
今や自分が誰かも分からない不運な男は、やがて辿り着いた村で治療師として
名を馳せていく。
有能な外科医であるラファウ・ヴィチューラが、妻に捨てられた末に
強盗に遭って怪我を負い、その後遺症で記憶を失う物語。
<allcinema>
<Filmarks>
◆
ポーランド映画も決して侮れないことを本作で証明してくれた。
名外科医という地位がありながら、記憶を失い自分が誰かも分からず
そのまま放浪生活の末に、ある村にたどり着く。
記憶はなくともケガや病気で困っている村人の治療はできてしまうことに
知識と技術だけは残っていたんでしょうね、治療師として暮らし始めます。
まず、序盤の家出妻と暴漢という悲惨な状況からどん底に落としておいて
そこから名医であった実力を少しづつ解放させるところはかなり面白い。
ただ、名無しで医師免許もない現状では無料治療でも違法となり逮捕に繋がる。
そうしたなか、村の若者が作業中の大事故や、村に来て間もない女性の
バイク事故など町医者も匙を投げたものを名無しさんが勝手に治療してしまう。
そして、以降の経過観察や正規の看護を求め遠く離れた大病院に向かう。
そこで出会った院長の顔色がみるみる蒼白になっていくというやつですね。
そうなんです!
嘗て路上で暴漢に襲われていた主人公を助けもせず見捨てておいて
以降、自分が大病院の院長の座に就いた裏切り者だったのです。
これ時代背景として第二次世界大戦前の1930年代中期でしょうか、
田舎のポーランドの牧歌的風景が心地よく彼を受け入れる村人の生活ぶりは
陽気で人懐こくとても暖かいのです。
序盤で妻に連れられ出ていった愛娘は15年後に偶然にも同じ村にいて
バイク事故で危篤状態だった自分を救ってくれたのが実父と知ったオチとか
無断治療による法廷裁判まで繰り広げられる内容の濃さは
2時間20分もあっという間でした。久しぶりに暖かい気持ちなりましたよ。
◆
【今週のひと言】
・地位と名声の陰で家庭を顧みないところがあったのか、妻の顔が痛々しかった。
でも、家出した移転先に不倫相手が待ってたのはびっくりだわ。
・当時2歳ほどの娘は父親にべったりだったが成長過程で顔を忘れてしまう。
・15年後、成長した娘目線で物語は進行していく。村の権力者の息子に気に入られ
後に、このドラ息子が本作MVPの活躍をすることになる。
・放浪名無しさんを最初に受け入れてくれた村の未婚女性の恋心に
彼は敏感に反応したんだから15年前もその気遣いがあればよかったのにね。
でも、妻は不倫だったしな~、不倫が先か失望が先か。
・腕っぷしの強い未婚女性が、ふとした瞬間、乙女に見えたのは彼だけではない。
・これって、ある意味、痛快な逆転ドラマってところでしょうか。
挿入音楽も秀逸でドラマを盛り上げるのに一役買ってる感じです。
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監督:ミハウ・ガズダ
脚本:マルチン・バチンスキ、マリウシュ・クチェフスキ
音楽:パヴェル・ルチェヴィッツ
出演:レシュク・リホタ、マリア・コヴァルスカ、イグナツィ・リス
『忘れられし愛』
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