評価:★★★★☆【4.5点】
映画の構成は『ワールド・トレード・センター』か。
静かな冒頭から始まり、チョットした異変に身を潜め
その直後、未曾有の大惨事となるくだりはまさにそれ。
目を疑う光景を目の当たりにして
必死に生きようとする一家族の目線で描いた実話です。
◇
2004年12月。
イギリス人夫婦マリアとヘンリーは、
3人の息子たちとともにタイのリゾート地を訪れ、
バカンスを楽しんでいた。
ところがクリスマスの翌日、スマトラ島沖で巨大地震が発生、
一家を津波の濁流が襲う。
一緒に流されたマリアと長男ルーカスは辛うじて生き延びるが、
大ケガを負ったマリアは歩くこともできず、
地元の人の助けでどうにか病院に搬送される。
しかしそこは、遺体と重傷患者であふれかえり、
手当もままならない状態だった。
一方、下の息子2人ともども瓦礫の山と化したホテルで
九死に一生を得たヘンリー。
彼は息子たちを高台へと避難させると自分は一人残り、
行方不明となったマリアとルーカスを見つけるため、
ホテル周辺を探し回るのだったが…。
<allcinema>
◇
この映画、監督の手腕でかなり見せ場があります。
撮影する個々のシーンの構図の巧さと間の取り方が絶妙で
無言で佇んでいるところでも人物が何を考えているのか
手に取るように分かるんですよ。
今時の生ぬるい普通の男の子が予想だにしない環境に放り出されたとき
人として逞しく成長していく姿にホロっとさせます。
自身は重傷を負いながらも気丈に振舞う母マリアの
底知れぬ力強さに、ただただ他圧倒されるばかり。
たとえ実話であっても、映画になっている以上
作品の仕上がり具合はどうなのよ!という風になるわけですが
この作品に於いてはなかなか良くできており
なにより、映像面でこれほどリアルに描写されているとは思わなかった。
【今週のツッコミ】
・ローランド・エメリッヒもびっくりの津波のVFXはどのように撮影?
その津波、沖合から見せず、いきなり目の前に襲ってくる演出は
まさに『宇宙戦争』の逆パターン。
これって人の目線の高さで撮ってるから相当リアルだね。
・あの津波はCGなのかミニチュア(10分の1)撮影なのか気になるところ。
人との合成は当然あるけど、問題はあの津波に流される母子のリアル感。
あのように濁流状態で流されるシーンの撮影方法が是非知りたい。
・最近の流行りパターンといえばずばりこれ!
海中に浮かぶひとを海底から映すやり方は、前後のカット次第でどうにでも
感情表現できる。
ある意味、万能的な演出方法といえるだろう(おいおい)
ココ2~3年の作品でかなり導入してますよね(笑)
・異国の地で離ればなれになった家族5人。
言葉も通じずうろたえる長男の気持ちが痛いほど伝わってくる。
過去映画の『キリング・フィールド』が頭をチラつく。
・もしかしたら、ナオミ・ワッツの代表作にしてもいいくらいだが
作品の中のほとんどが血だらけ状態なのに妙に綺麗にみえた。
この映画で一気に高感度アップです。
・ちなみに痛い度からすれば『127時間』のジェームズ・フランコと
本作のナオミ・ワッツはいい勝負になりそうだ(笑)
・ナオミの口から出てきたアレは何?
不謹慎ですが、このままゾンビ映画になっていったらかなり面白そう。
・これほどリアルな傷口見せられると、今後のゾンビ映画にも期待したい。
・劇中に流れるピアノの旋律が素晴らしい!
フェルナンド・ベラスケスの作曲したサウンドが
主人公の長男の心の不安を見事に描いていたし
演じるトム・ホランドも映画初出演とは思えない演技力だった。
・幼い二人が兄を見つけ、名を叫び、駆け寄るシーン見て
今や世界の天才子役の低年齢化は底なしか(笑)
っていうか、あれって何か細工して撮影したのかと思うほど。
・現地のオッちゃんと瓦礫から引きだされる母マリア。
互いの顔のアップを交互に映してるんだけど、そのときの気持ちが
これほど伝わってくる映画も過去にないのでは。
----------------------------------------------------------
監督:J・A・バヨナ
脚本:セルヒオ・G・サンチェス
撮影:オスカル・ファウラ
音楽:フェルナンド・ベラスケス
出演:ユアン・マクレガー/ナオミ・ワッツ/トム・ホランド
『インポッシブル』
映画の構成は『ワールド・トレード・センター』か。
静かな冒頭から始まり、チョットした異変に身を潜め
その直後、未曾有の大惨事となるくだりはまさにそれ。
目を疑う光景を目の当たりにして
必死に生きようとする一家族の目線で描いた実話です。
◇
2004年12月。
イギリス人夫婦マリアとヘンリーは、
3人の息子たちとともにタイのリゾート地を訪れ、
バカンスを楽しんでいた。
ところがクリスマスの翌日、スマトラ島沖で巨大地震が発生、
一家を津波の濁流が襲う。
一緒に流されたマリアと長男ルーカスは辛うじて生き延びるが、
大ケガを負ったマリアは歩くこともできず、
地元の人の助けでどうにか病院に搬送される。
しかしそこは、遺体と重傷患者であふれかえり、
手当もままならない状態だった。
一方、下の息子2人ともども瓦礫の山と化したホテルで
九死に一生を得たヘンリー。
彼は息子たちを高台へと避難させると自分は一人残り、
行方不明となったマリアとルーカスを見つけるため、
ホテル周辺を探し回るのだったが…。
<allcinema>
◇
この映画、監督の手腕でかなり見せ場があります。
撮影する個々のシーンの構図の巧さと間の取り方が絶妙で
無言で佇んでいるところでも人物が何を考えているのか
手に取るように分かるんですよ。
今時の生ぬるい普通の男の子が予想だにしない環境に放り出されたとき
人として逞しく成長していく姿にホロっとさせます。
自身は重傷を負いながらも気丈に振舞う母マリアの
底知れぬ力強さに、ただただ他圧倒されるばかり。
たとえ実話であっても、映画になっている以上
作品の仕上がり具合はどうなのよ!という風になるわけですが
この作品に於いてはなかなか良くできており
なにより、映像面でこれほどリアルに描写されているとは思わなかった。
【今週のツッコミ】
・ローランド・エメリッヒもびっくりの津波のVFXはどのように撮影?
その津波、沖合から見せず、いきなり目の前に襲ってくる演出は
まさに『宇宙戦争』の逆パターン。
これって人の目線の高さで撮ってるから相当リアルだね。
・あの津波はCGなのかミニチュア(10分の1)撮影なのか気になるところ。
人との合成は当然あるけど、問題はあの津波に流される母子のリアル感。
あのように濁流状態で流されるシーンの撮影方法が是非知りたい。
・最近の流行りパターンといえばずばりこれ!
海中に浮かぶひとを海底から映すやり方は、前後のカット次第でどうにでも
感情表現できる。
ある意味、万能的な演出方法といえるだろう(おいおい)
ココ2~3年の作品でかなり導入してますよね(笑)
・異国の地で離ればなれになった家族5人。
言葉も通じずうろたえる長男の気持ちが痛いほど伝わってくる。
過去映画の『キリング・フィールド』が頭をチラつく。
・もしかしたら、ナオミ・ワッツの代表作にしてもいいくらいだが
作品の中のほとんどが血だらけ状態なのに妙に綺麗にみえた。
この映画で一気に高感度アップです。
・ちなみに痛い度からすれば『127時間』のジェームズ・フランコと
本作のナオミ・ワッツはいい勝負になりそうだ(笑)
・ナオミの口から出てきたアレは何?
不謹慎ですが、このままゾンビ映画になっていったらかなり面白そう。
・これほどリアルな傷口見せられると、今後のゾンビ映画にも期待したい。
・劇中に流れるピアノの旋律が素晴らしい!
フェルナンド・ベラスケスの作曲したサウンドが
主人公の長男の心の不安を見事に描いていたし
演じるトム・ホランドも映画初出演とは思えない演技力だった。
・幼い二人が兄を見つけ、名を叫び、駆け寄るシーン見て
今や世界の天才子役の低年齢化は底なしか(笑)
っていうか、あれって何か細工して撮影したのかと思うほど。
・現地のオッちゃんと瓦礫から引きだされる母マリア。
互いの顔のアップを交互に映してるんだけど、そのときの気持ちが
これほど伝わってくる映画も過去にないのでは。
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監督:J・A・バヨナ
脚本:セルヒオ・G・サンチェス
撮影:オスカル・ファウラ
音楽:フェルナンド・ベラスケス
出演:ユアン・マクレガー/ナオミ・ワッツ/トム・ホランド
『インポッシブル』
中身的にはミニシアターっぽい感じもしますが・・・。
津波のシーンは1年かけて撮影したそうです。
もちろん本物じゃないとは思いますけど、一体どうやってあれだけリアルなものを撮影したんでしょうね。お見事です。
あらら~、シネコン系列の記事書かなくなってたんですね。
忙しいとどうしてもね~^^
ワタシは自分の覚え書きとして始めたから2~3行程度でも書かないと気が済まないとか(笑)
そうそう、内容的にはミニシアター系ですよね。
アカデミー賞にノミネートされたから大手シネコンは食い付いたんでしょうかね~^^;
津波シーンに1年ですか!
そんなに時間を費やしたってことは監督のこだわりも半端じゃないですね。
もしや、この監督って新たな映像派になるのかも(爆)
メイキング映像が見たいです。
あの僅かなシーンに信頼関係みたいなものが凝縮されているように感じました。
息子もただ守るだけでなく、あの状況下でも子育てするなんてすごい母親ですよね。
ナオミはほぼプールの中とベット上の撮影だったけど、素晴らしかったです。
観賞意欲が分かれそうなのは仕方がないけど、津波経験がある国民としては、観て良かったと思いました。
今日のマークさんはなかなか良かったですよ(笑)
あのオッちゃん、やたら原人っぽかったですよね!
原始時代はあーやって人助けしてたんでしょうか(爆)
狩りに出て負傷したら引きずって家まで連れ戻したんでしょうね^^;
ナオミの怪我した部分が剥がれそうで「うぅッ!」って感じでしたよ。
その前の気合いで木に登るシーンも半端じゃなかった!(笑)
>あの状況下でも子育てするなんてすごい母親ですよね。
元医者という自負から現地の医者たちに対し的確な指示とかしてましたし
息子への言葉のひとことひとことが重かったです。
これ、港じゃなかったら再鑑賞したいくらいです(笑)