
評価:★★★【3点】
こういう猟奇的な犯罪を扱う映画は、韓国の十八番か。
本日、まさかの臨時休業ということで
以前から気になっていた本作を、未だ続く余震のことを警戒しながらも
名古屋まで一気に突っ走り、観に行って来ました。
因みに鑑賞中も劇場内部が微かに横揺れしていたように感じました。
ということで、いつ上映中断となるかと気をもみながらの鑑賞となった次第です。
◇
ある夜、国家情報員捜査官スヒョンの婚約者ジュヨンが何者かに惨殺され、
バラバラ死体となって発見される。
怒りに駆られたスヒョンは、ジュヨンの父で重犯罪課の刑事だったチャンの協力を得て、
やがて犯人が残虐な殺人に快楽を見出す悪魔のような男、
ギョンチョルであることを突き止める。
そして、ギョンチョルを見つけ出すや、徹底的に叩きのめすスヒョン。
しかし、とどめを刺すことなく、追跡用のGPSカプセルを飲み込ませると、
そのまま解放してしまうのだった。
こうして、ギョンチョルが新たな凶行に及ぼうとするたび、
先回りしてはギョンチョルに容赦のない制裁を加えていくスヒョンだったが…。
<allcinema>
◇
【ネタバレしてます。要注意】
近年、鑑賞した傑作映画といえば『チェイサー』『母なる証明』。
これらの映画はどれも暗く重く
ココロがどんよりする息苦しさを画面から受けていました。
本作もそれに負けないくらい、暗く重いイメージはありましたが
なにか途中で違和感を覚えてしまったというのが本音です。
たぶんに、主演がイ・ビョンホンであることが
リアル感を若干損なわせたのかもしれない。
彼が最愛の妻を殺した犯人を追いつめて行く過程で
国家情報捜査官という職業柄のせいなのか
あまりにもスマートに独自捜査が出来過ぎていたことが惜しい点。
映画は、開始早々に今回の犯人を観客に教える形をとっていて
冒頭からのいきなりの殺人シーンに息が止まります。
そして、警察の事件捜査となっていきますが
観てる方は犯人を知ってることで、警察捜査がどのように進むのか。
なかなか進展しない捜査に、苛立ちを覚えさせる手法を取るのかと思えば
意外とそうではなく、そこに敏腕情報捜査官である主人公が
いとも簡単に犯人を割り出してしまうという、なんとも可笑しな展開。
物語は、主人公が犯人に復讐をする内容なので
これはこれで、仕方のないことなのかもしれませんが
ワタシとしては、捜査の遅れの間にも第二第三の殺人が行われていき
やっとの思いで犯人を特定する段階というものを期待していただけに
本作の展開には、「あらら」というイメージしか受けなかった。
そして、犯人と対峙する主人公があまりにも強過ぎるのも
なんだかな~!という印象でした。
彼のする復讐というものが、意外とエゲツない。
もはや、犯人以上の猟奇さは否定できないほどになっていく。
ま、この辺りの主人公の心情は、愛する者を殺された遺族として
失くした者が受けた恐怖や痛みを知らしめ、倍にして返すというものであり
そういう意味では、主人公に感情移入はするけど
それが何回も繰り返されると、さすがに引いてしまう。
ただ、そういう復讐を受ける犯人も、これまたモンスターのような男で
身体の一部を失っていっても、一向にへこたれない打たれ強さは驚くばかりだった。
本作、結局はモンスターに対しモンスター化して仕返しする男の
B級エロティック・ホラーとなってしまった感じがしてならない。
最後に犯人がほんとうに恐怖を味わっていたのかどうかがイマイチ分りにくい。
あそこで家族が訪問して来て、結果的にスイッチを押す格好になったけど
序盤、中盤の猟奇さが、ラスト数分のせいで味気ないものとなってしまった。
未だ『チェイサー』を超える猟奇映画はまだないですね。
おまけ)
・犯人が誘拐してきた女性を始末する納屋の異様な雰囲気は
ハリウッド映画よりもリアルで、本作品の美術スタッフの感性の凄さを伺える。
・犯人は女性をバラバラにする前に楽しませると言っていたが
犯人を匿ったその知り合いは、なんのために誘拐していたのかが
よく判らない。想像するに、あれは人肉料理ってやつですかね。
・本作のレビューを書くに当たり、禁止ワードに引っかかるんではないかと
結構、気を使いましたが、これをストレートで書いたら簡単に終わるのかな。
---------------------------------------------------------------------
監督:キム・ジウン
脚本:
撮影:イ・モゲ
音楽:モグ
出演:イ・ビョンホン/チェ・ミンシク/オ・サナ/
『悪魔を見た』
こういう猟奇的な犯罪を扱う映画は、韓国の十八番か。
本日、まさかの臨時休業ということで
以前から気になっていた本作を、未だ続く余震のことを警戒しながらも
名古屋まで一気に突っ走り、観に行って来ました。
因みに鑑賞中も劇場内部が微かに横揺れしていたように感じました。
ということで、いつ上映中断となるかと気をもみながらの鑑賞となった次第です。
◇
ある夜、国家情報員捜査官スヒョンの婚約者ジュヨンが何者かに惨殺され、
バラバラ死体となって発見される。
怒りに駆られたスヒョンは、ジュヨンの父で重犯罪課の刑事だったチャンの協力を得て、
やがて犯人が残虐な殺人に快楽を見出す悪魔のような男、
ギョンチョルであることを突き止める。
そして、ギョンチョルを見つけ出すや、徹底的に叩きのめすスヒョン。
しかし、とどめを刺すことなく、追跡用のGPSカプセルを飲み込ませると、
そのまま解放してしまうのだった。
こうして、ギョンチョルが新たな凶行に及ぼうとするたび、
先回りしてはギョンチョルに容赦のない制裁を加えていくスヒョンだったが…。
<allcinema>
◇
【ネタバレしてます。要注意】
近年、鑑賞した傑作映画といえば『チェイサー』『母なる証明』。
これらの映画はどれも暗く重く
ココロがどんよりする息苦しさを画面から受けていました。
本作もそれに負けないくらい、暗く重いイメージはありましたが
なにか途中で違和感を覚えてしまったというのが本音です。
たぶんに、主演がイ・ビョンホンであることが
リアル感を若干損なわせたのかもしれない。
彼が最愛の妻を殺した犯人を追いつめて行く過程で
国家情報捜査官という職業柄のせいなのか
あまりにもスマートに独自捜査が出来過ぎていたことが惜しい点。
映画は、開始早々に今回の犯人を観客に教える形をとっていて
冒頭からのいきなりの殺人シーンに息が止まります。
そして、警察の事件捜査となっていきますが
観てる方は犯人を知ってることで、警察捜査がどのように進むのか。
なかなか進展しない捜査に、苛立ちを覚えさせる手法を取るのかと思えば
意外とそうではなく、そこに敏腕情報捜査官である主人公が
いとも簡単に犯人を割り出してしまうという、なんとも可笑しな展開。
物語は、主人公が犯人に復讐をする内容なので
これはこれで、仕方のないことなのかもしれませんが
ワタシとしては、捜査の遅れの間にも第二第三の殺人が行われていき
やっとの思いで犯人を特定する段階というものを期待していただけに
本作の展開には、「あらら」というイメージしか受けなかった。
そして、犯人と対峙する主人公があまりにも強過ぎるのも
なんだかな~!という印象でした。
彼のする復讐というものが、意外とエゲツない。
もはや、犯人以上の猟奇さは否定できないほどになっていく。
ま、この辺りの主人公の心情は、愛する者を殺された遺族として
失くした者が受けた恐怖や痛みを知らしめ、倍にして返すというものであり
そういう意味では、主人公に感情移入はするけど
それが何回も繰り返されると、さすがに引いてしまう。
ただ、そういう復讐を受ける犯人も、これまたモンスターのような男で
身体の一部を失っていっても、一向にへこたれない打たれ強さは驚くばかりだった。
本作、結局はモンスターに対しモンスター化して仕返しする男の
B級エロティック・ホラーとなってしまった感じがしてならない。
最後に犯人がほんとうに恐怖を味わっていたのかどうかがイマイチ分りにくい。
あそこで家族が訪問して来て、結果的にスイッチを押す格好になったけど
序盤、中盤の猟奇さが、ラスト数分のせいで味気ないものとなってしまった。
未だ『チェイサー』を超える猟奇映画はまだないですね。
おまけ)
・犯人が誘拐してきた女性を始末する納屋の異様な雰囲気は
ハリウッド映画よりもリアルで、本作品の美術スタッフの感性の凄さを伺える。
・犯人は女性をバラバラにする前に楽しませると言っていたが
犯人を匿ったその知り合いは、なんのために誘拐していたのかが
よく判らない。想像するに、あれは人肉料理ってやつですかね。
・本作のレビューを書くに当たり、禁止ワードに引っかかるんではないかと
結構、気を使いましたが、これをストレートで書いたら簡単に終わるのかな。
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監督:キム・ジウン
脚本:
撮影:イ・モゲ
音楽:モグ
出演:イ・ビョンホン/チェ・ミンシク/オ・サナ/
『悪魔を見た』
それにしても、今回の(紹介)画像・・
かな~りイヤ~な1枚ですね(×_×)
重いけど、韓国の猟奇モノって大好きです(笑)
『チェイサー』『母なる証明』の次に来る作品が待ち遠しいです。
ちなみに本作は、途中から漫画チックになっちゃって
ちょっと残念な結果となりました^^;