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スカイ・クロラ The Sky Crawlers

2008年08月13日 18時29分53秒 | 映画 さ行
評価★★★★


メカ全般のCGは素晴らしい!
もし、実写と言われてもしばらくは分からない。

この世界観はなんだろう!
壮大なテーマが盛り込まれている。

◇---

現代に似たもう一つの世界。
平和を享受する人々は“ショーとしての戦争”を求め、
それがビジネスとして成り立つ時代となっていた。

そんな中、
戦争請負会社のロストック社に所属する戦闘機パイロット
カンナミ・ユーイチはヨーロッパの前線基地、
兎離洲(ウリス)に配属される。
しかし、
彼にはこの基地に赴任する前の記憶がなく、
分かっているのは自分が思春期の姿で成長をやめ、
空で死なない限り生き続ける宿命にある“キルドレ”であること。

---◇

ショーとしての戦争:

完全な平和が実現した世界で
大人たちが作った、「ショーとしての戦争」。
どこかで誰かが戦い、死んでいくことを
安全な場所から観戦することでしか、平和を実感できない。

それは絶対に終わらせてはいけない、
そして、嘘であってはいけないゲーム。
《キルドレ》たちが命を懸けなければ、
そのショーは成立しない。


《キルドレ》:

見た目は16~17歳。
彼らはそこで成長することをやめてしまう。
それ以上は歳もとらず、大人にもならず
ずっと思春期の姿のまま永遠の命を生き続ける。
・・・空で死ぬまでは。

そんな彼らの職業は戦闘機のパイロット。
彼らは退屈な地上より、命がけの空を選ぶ。


なんという切ない映画なんだろう。

ここに登場する戦闘員は全員未成年者だ。
しかし、酒やタバコは普通にOK。
時代背景は、第二次大戦の頃か?
場所は無国籍なのか?いちおう日本名の登場人物たちだが。

ロストック社製のプロペラ戦闘機は完全な造作もの。
彼らと敵対するラウトルン社製の黒豹マーク(ティーチャー)のものは
世界最強と謳われていたP-51マスタングにクリソツなんだが。

ショーとしての戦争は
決して地上にいる人間には迷惑をかけない。
なので、戦車や歩兵隊、要するに陸軍は存在しない。
あくまで、戦闘機同士の空中戦だけである。

登場するキルドレたちは
死んだ人間のDNAを倍速再生させるということか?
女司令官・草薙水素(クサナギ・スイト)の娘はキルドレでないため
いずれは母親の歳を追い抜いてしまうという悲劇。

人類が生んだ悲劇とは
人間のエゴによる歪みがこういう形で、
非常に分かり易く描かれています。


この異次元のような世界観は結構好きです。


とにかく、映像が奇麗。
人物はセル画で、それ以外のメカは3Dアニメーターで
まるで実写の空中戦を見ているかのようだ。
特に、機銃乱射された弾道がブレて見えるところは本物そっくり。
また、そのときの背景となる雲群や雨、海上の波など
まさに実写さながらという感じだ。

更に、効果音楽の旋律もとっても綺麗で
ヒーリング・ミュージックとして聴いていても
なかなか気持ち良いんじゃないかと思う。

---------------------------------------------------

監督:押井守
脚本:伊藤ちひろ
美術監督:永井一男
音楽:川井憲次

声の出演:菊地凛子/加瀬亮/谷原章介/栗山千明


『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』


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8 コメント

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☆これだよ、これ!☆ (TiM3)
2008-08-14 00:57:51
実は、鑑賞を狙っている1本なのです。

俳優さんが声優やってるのが、ちと気になるんだけどね、、

うーん、観たい~(・ω・)
返信する
叙情詩 (ituka)
2008-08-14 08:42:46
>俳優さんが声優やってるのが、ちと気になるんだけどね、、

カンナミ・ユーイチ(加藤亮)はなかなか良かったですよ~
谷原さんも太く包み込むような良いお声でした。
ただ、その他の女性陣は素人っぽくて残念でした。
クサナギ・スイト(菊池凛子)はギリギリOKかな~

栗山千明さんは微妙・・・。
プロにまかせて欲しかったというのが本音です。

に、しても空中戦のCGは圧巻でした~^^
返信する
☆観て来ますた!☆ (TiM3)
2008-08-16 21:31:22
ダイナーの入口に座り込んでる爺さんに
何かひと言語って欲しかったワタシです(=^_^=)

あと、企業側が準備してる休息用の施設(館)って、何だかドキドキしますね☆

エロティックを避けてるんやろか? と思いきや
それなりに描いてくれてて好感が持てました(=^_^=)

※にしても「スカイリィ(ティーチャー機)」と「散香(キルドレ機)」ではパイロットの実力以前に、戦闘機としての性能が全然違う気がしたが・・ジェットエンジン&熱感知ミサイルを開発しろよ、と突っ込みたい(・ω・)
返信する
おぉ! (ituka)
2008-08-16 23:34:29
>ダイナーの入口に座り込んでる爺さんに
>何かひと言語って欲しかったワタシです(=^_^=)

あの爺さん、ほんとに意味深でしたよね。
これは、ワタシも同感でした。
なにかもの凄く重要なことを言いそうで^^

>あと、企業側が準備してる休息用の施設(館)って、何だかドキドキしますね☆

この映画全般に言えることですが、やたらに広すぎる土地に起伏のない風景がまるで夢の中にでも見ているような不思議な感覚を覚えました。

>それなりに描いてくれてて好感が持てました(=^_^=)

なんだか妙にエロティックでしたよね。
草薙水素のパワーハラスメントを見た気分でした。
この子、女王様キャラでもイケるんではないかと^^

>戦闘機としての性能が全然違う気がしたが・・

そうなんですよね!
ひと目見て、空力的にも10年の差が表れてます。
キルドレ機の非力なエンジンを機体の軽量化で補っているんですかね~。
あの、正逆ツインのプロペラエンジンって理に適っているのかが興味ありましたね。


返信する
☆彼女は・・☆ (TiM3)
2008-08-17 02:19:48
草薙さんは草薙さんなりに「長生きし過ぎた」とふと感じる時が
あるのかも知れませんね。

たまに「自死」に繋がりそうな言動をとるのは、
そのせいだったのかも知れません。

『グリーンマイル』もそうでしたが、
長生きするってことは・・当初こそは痛快だけど、
その内「退屈」に蝕まれ、死を願うようになるものかも知れませんね。
返信する
もしかしたら (ituka)
2008-08-17 05:43:04
もう何十年と続いているのかもしれないですね。
ひょっとして・・草薙さんは
すでに百歳を過ぎているという信じたくない事実が存在するのかも。

>その内「退屈」に蝕まれ、死を願うようになるものかも知れませんね。

確かに出来ないことへの願望は、次第に大きくなって、いずれどこかで禁断の行為に走るのが人間の弱さなのかもな~

キルドレになると永遠の命と引き換えに
永遠に年金がもらえないという悲劇もあるのですね。

返信する
☆現実には、、☆ (TiM3)
2008-08-17 14:49:27
>キルドレになると永遠の命と引き換えに
>永遠に年金がもらえないという悲劇もあるのですね。

現実には我々って、年老いるは、(恐らく)年金は貰えないわってことに
なるだろうから、最悪ですね(×_×)

ダイナーの入口に座り込んでやる(おいおい)
返信する
人生劇場 (ituka)
2008-08-17 15:23:10
>現実には我々って、年老いるは、(恐らく)年金は貰えないわってことに
>なるだろうから、最悪ですね(×_×)

団塊世代が定年していくと、企業の空洞化という深刻な事態になって
定年も65歳ということになるのかもしれませんね。

ダイナー入口で座っていた老人の人生劇場も見てみたいものです。

そういえば、こんなサイトもありますが、あの老人の人生を映像化してもらいたいものです^^

http://www.nespape.com/what.html
返信する

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