評価★★★★☆【4.5点】(Netflix)
ラスト5分、この秀逸シーンに僅かな光を見る。
◆
第二次世界大戦下のコペンハーゲン。
大勢の子供たちがいる学校が誤爆されるという悲劇により、
住民たちの運命が交錯する。実話に基づく映画。
<Netflix>
◆
デンマークの首都コペンハーゲンはドイツ占領下において
レジスタンス側、ドイツに雇用される側に分かれ
対する英国空軍の爆撃により学校関係者、生徒の多数が
この瞬間大きな被害を受ける。
ドラマは寄宿学校の先生で信仰に疑問抱く修道女、
ドイツに雇用されることに一家の恥と父に罵られる警察官の男、
爆撃直後のタクシー内部の悲惨な被害者を目の当たりにし
その日からショックで口がきけなくなる男の子目線で描かれる。
(過度のストレスによる心因性失声症だろう)
群像劇であることで序盤は複数のドラマがあり難解だが
それらが、クライマックスの学校誤爆からひとつのドラマとして
交錯していく手法はとても見ごたえがある。
学校が爆撃され瓦礫の中にいる多数の生存者を見つけようと
懸命に救出する警察、消防、軍隊と自ら率先するひとりの男。
口のきけなかった男の子が消防団員に頼まれ
一緒に救出の援助をしていくうちに徐々に失声症という病を
克服していく姿に感涙してしまう。
最後は我が子の生存に絶望していた母親が男の子に詰め寄ると
「彼女なら途中で家に帰っていった」
この言葉に母親は「もしや」という思いが巡り我が家に力走する。
まさにここ!
空爆された現場から家までの数分の距離を一目散に走りつづけ
カメラは母親の正面から表情を撮っているわけで、
これってものすごく重要なシーンになるわけですよ。
絶望から僅かに希望が見えた表情を走りながらの高難易度演技。
そして、家の玄関に飛び込んだ先には。。。
これって、朝の登校前に父親が娘に叱った最後の言葉が
超ファインプレーといえる。
◆
【今週のツッコミ】
・しっかり伏線回収する見事な脚本でした。
「死にたくなかったらスープを飲め!」
・戦争の実話モノって重そうでかなり後回しにしていた本作。
概ね登場人物のかかわりが分かってくると没入感に浸れる。
・チョイと『パンズ・ラビリンス』入ってますみたいな。
パン屋の超肥満女主人が死神に見えるんですね。
・あの医療従事者の思いやりのない言葉が酷すぎて辛い。
・英国空軍DH.98モスキートの大編隊がかなり壮観。
ひとりの悩めるパイロット(民間タクシー誤射)目線の
編隊の中を飛ぶ光景にアドレナリンが出まくります。
-------------------------------------------------------------------------------
監督:オーレ・ボールネダル
脚本:オーレ・ボールネダル
音楽:マルコ・ベルトラミ、バック・サンダース、キーリー・トージュセン
出演:バートラム・ビスゴ・エネヴォルドセン、 エスター・バーチ、エラ・ヨセフィーネ・ルンド・ニルソン
『その瞳に映るのは』2022年デンマーク
ラスト5分、この秀逸シーンに僅かな光を見る。
◆
第二次世界大戦下のコペンハーゲン。
大勢の子供たちがいる学校が誤爆されるという悲劇により、
住民たちの運命が交錯する。実話に基づく映画。
<Netflix>
◆
デンマークの首都コペンハーゲンはドイツ占領下において
レジスタンス側、ドイツに雇用される側に分かれ
対する英国空軍の爆撃により学校関係者、生徒の多数が
この瞬間大きな被害を受ける。
ドラマは寄宿学校の先生で信仰に疑問抱く修道女、
ドイツに雇用されることに一家の恥と父に罵られる警察官の男、
爆撃直後のタクシー内部の悲惨な被害者を目の当たりにし
その日からショックで口がきけなくなる男の子目線で描かれる。
(過度のストレスによる心因性失声症だろう)
群像劇であることで序盤は複数のドラマがあり難解だが
それらが、クライマックスの学校誤爆からひとつのドラマとして
交錯していく手法はとても見ごたえがある。
学校が爆撃され瓦礫の中にいる多数の生存者を見つけようと
懸命に救出する警察、消防、軍隊と自ら率先するひとりの男。
口のきけなかった男の子が消防団員に頼まれ
一緒に救出の援助をしていくうちに徐々に失声症という病を
克服していく姿に感涙してしまう。
最後は我が子の生存に絶望していた母親が男の子に詰め寄ると
「彼女なら途中で家に帰っていった」
この言葉に母親は「もしや」という思いが巡り我が家に力走する。
まさにここ!
空爆された現場から家までの数分の距離を一目散に走りつづけ
カメラは母親の正面から表情を撮っているわけで、
これってものすごく重要なシーンになるわけですよ。
絶望から僅かに希望が見えた表情を走りながらの高難易度演技。
そして、家の玄関に飛び込んだ先には。。。
これって、朝の登校前に父親が娘に叱った最後の言葉が
超ファインプレーといえる。
◆
【今週のツッコミ】
・しっかり伏線回収する見事な脚本でした。
「死にたくなかったらスープを飲め!」
・戦争の実話モノって重そうでかなり後回しにしていた本作。
概ね登場人物のかかわりが分かってくると没入感に浸れる。
・チョイと『パンズ・ラビリンス』入ってますみたいな。
パン屋の超肥満女主人が死神に見えるんですね。
・あの医療従事者の思いやりのない言葉が酷すぎて辛い。
・英国空軍DH.98モスキートの大編隊がかなり壮観。
ひとりの悩めるパイロット(民間タクシー誤射)目線の
編隊の中を飛ぶ光景にアドレナリンが出まくります。
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監督:オーレ・ボールネダル
脚本:オーレ・ボールネダル
音楽:マルコ・ベルトラミ、バック・サンダース、キーリー・トージュセン
出演:バートラム・ビスゴ・エネヴォルドセン、 エスター・バーチ、エラ・ヨセフィーネ・ルンド・ニルソン
『その瞳に映るのは』2022年デンマーク
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