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フォックスキャッチャー

2015年02月15日 03時31分10秒 | 映画 は行
評価:★★★★【4点】


異様な空間には緊張感が張りつめて息苦しいのだ(笑)



1984年のロサンジェルス・オリンピックで
金メダルを獲得したレスリング選手、マーク・シュル。
しかし、マイナー競技ゆえに生活は相も変わらず苦しいまま。
同じ金メダリストでマークが頼りにする兄のデイヴも、
妻子ができて以前のように付きっきりというわけにはいかない。
今や、次のソウル・オリンピックを目指すどころか、
競技を続けるのもままならなかった。

そんな時、アメリカを代表する大財閥デュポン家の御曹司
ジョン・デュポンから、彼が結成したレスリング・チーム
“フォックスキャッチャー”への参加をオファーされる。
この願ってもない申し出を快諾するマーク。
最先端トレーニング施設を有するデュポンの大邸宅に移り住み、
ようやくトレーニングに集中できる理想的な環境を手に入れたかに
思われたマークだったが…。
<allcinema>



なんといってもスティーヴ・カレル演じるデュポンの人物像が
余りに異質で、鑑賞中ずっと緊張感に覆われ体が硬直したまんま。

結末がこんなに悲しい映画は韓国産猟奇映画を観ているよう^^;

大財閥の御曹司といえばいろんな事業に手をだし
実業家としても名を馳せたと思うのが一般的だが(そうなのか)
このデュポンに関しては敢えてそういうところは見せず
ひたすら自分の思い描く理想を追い求め叶えようとする。

それがたまたまレスリングということで
自分の母親からも認められず還暦をとうに過ぎた今でも
かなり寂しい思いをしていたのは想像できる。

この異常な人間を作り出したのは親の愛情を受けず育った典型だろう。

にしても、デュポンがいつ本性を表すのか気になって
最後の最後まで肩に力が入るそんな映画でした。


【今週のツッコミ】
・『フォックスキャッチャー』とくれば『ドリームキャッチャー』。
 そして電気屋さんの「ケーブルキャッチャー」(なんだそれ)

・家族の愛情を知らない男は他人の家族にどう対応すればいいのか
 分からないので、とりあえず作り笑いしておこう的な(笑)

・本作でアカデミー主演男優賞(だっけ?)にノミネートされた
 脱コメディアンのスティーヴ・カレル(笑)
 特殊メイクで本人に似せたのかは知らないが、アレでは
 ほとんど新種のゾンビではなかろうか(褒めてます)

・チャニング・テイタムってかなり器用な俳優さんですね。
 猫背でO脚、腕の振り方までありがちなイメージだが
 本当のレスラーに見えてしまうから凄いわ。

・そして、同じくマーク・ラファロも(爆)
 彼ってあんなに筋肉質だったっけ?(笑)

・ちなみにチャニング、マークの両氏ともレスラー耳まで特殊メイク。
 俗にいうギョーザ耳(レスリング部の同僚が昔そう言ってた)

・効果音楽を極力排し、画面の色温度を上げブルー調に振ってるので
 もうそれだけで、ミステリー要素満載でワタシ好みだった。

・神聖なる練習場と言っておきながら片手に銃を持ち入ってくる。
 しかも、ホイッスル代わりに引き金引くって(怖すぎ)

・本作品は究極のダイエット映画かもしれない(爆)
 なんせ、90分で6キロ弱の減量だからね(開いた口が塞がらない)

・これって財閥御曹司の悪い見本でしょうなー(笑)
 いや、人としてダメでしょ。

・ここのところシエナ・ミラーが熱い!
 不評だった『G.I.ジョー』(2009)以来ですもんね。
 しかも、次回作はあの『アメリカン・スナイパー』。
 ミーガン・フォックス共々、復活組で今後も期待したい(笑)
------------------------------------------------------
監督:ベネット・ミラー
脚本:E・マックス・フライ/ダン・ファターマン
音楽:ロブ・シモンセン


出演:スティーヴ・カレル/チャニング・テイタム/マーク・ラファロ/
    シエナ・ミラー/ヴァネッサ・レッドグレーヴ


『フォックスキャッチャー』

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12 コメント

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Unknown (えふ)
2015-02-15 17:01:15
キモかった~!(爆
マッチョな男たちが絡み合ってばっかりだったし(苦笑
デュポンもあんなに歳なのに、あんな格好して試合にでるとは・・・(汗
ただでさえキモいのに(おいっ汗)
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えふさんへ (ituka)
2015-02-15 17:45:04
引っ越す前の練習場でマークとチャニングが無言で絡み合ったところは
レスリングに精通してないとホント異様ですもんね(爆)

デュポンが言ってた幼少期の雇われた友人話は
さすがに辛いと思いました。
60歳オーバーの試合でも裏金渡してましたが秘書が独断でやったんでしょうね^^;

特殊メイクも下手すりゃゾンビメイク一歩手前でした(爆)
返信する
裏金 (オリーブリー)
2015-02-15 23:35:09
秘書とマークは目配せしてたと思うから、独断ではないと思うな。
あんなヘナチョコ体型で勝てるわけがない(笑)
スポーツ映画ならともかく、ムキムキ体育系男子達を集め、眺めて満足してる能面男みたいな、別の男臭がしました(爆)
しっかし、莫大な財産を持つと、使い道が分からないんでしょうか。
機関銃搭載の戦車(?)って、マジかって?!(苦笑)
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オリーブリーさんへ (ituka)
2015-02-17 00:54:19
あの裏金はデュポンだけは知らなかったと思いましたよ。
なんせ勝利の満面笑顔がこの映画で初めて見せた能面男でしたもん(爆)

オリーブリーさんの言う“精神的そっち系”になるほど!でした^^
それを踏まえて見ると、すべて辻褄が合いますね(爆)
そして、デュポンの気持ち悪さがさらに倍増してきましたよ(笑)

大体が自宅鑑賞用に実弾搭載した装甲車なんて
50ミリ機関砲って、、、羨ましいわ(爆)
また、自宅に射撃場があってポリスマンも撃ちにやってくる意味がよくわかりません^^;
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Unknown (mariyon)
2015-02-27 20:04:12
たしかに、息苦しい映画でした。
金持ちほど幸福度が低いと言う数値を
地で行くデュポンも気味悪かったし、
弟君のはぁはぁしながらしかしゃべれない話し方も
もう、こっちが苦しくなる感じで。

レスラー耳!
そこまで作っていたんですね。
実際の人物にかなり似ていました。

金の使い方を教えることができなかったのが
親の育て方一番の失敗??

母親にいいところを見せようとして、
技を説明しているところは、たしかに、
母親には変態にしか見えなかったんでしょう。
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mariyonさんへ (ituka)
2015-02-28 00:10:24
この映画の予告編観たときに神聖な練習場に銃持参でやってきたデュポンが怖かったです(笑)
しかも、手にもって堂々の入場だったので、こいつストレス解消にチームのメンバーを撃つつもりか?でしたよ^^;

御曹司って楽出来て羨ましいと思ってましたが
さすがに、こういう親子関係では幸せではないですね。

結局、ひとはそこそこのマネーと家族愛があれば、それがいちばんいいんだな~と
ひとり納得しましたよ(爆)
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餃子耳! (とらねこ)
2015-03-22 00:26:39
そうそう、餃子耳!これ、細かい演出が効いてましたね。
そして忘れてたことを、ちゃーんと拾ってるところがさすがのitukaさんだな。
いやあ案外物語の不穏さが効いてて、私結構痺れました。
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とらねこさんへ (ituka)
2015-03-22 10:16:00
ギョーザ耳って地域によって言い方変わるみたいですね(笑)
自分の思い通りにならないと何しでかすかわからないってのも
後半になってからですからね。
兄もなんで自分に黒い悪魔を向けたのか意味分からないままでしょうね^^;

その後のデュポンがみたいので続編希望!(爆)
返信する
役作り (ami)
2015-04-12 21:50:04
そんじょそこらのホラーより遥かに怖いスティーヴ・カレル
セクシーさの欠片もないチャニング・テイタム
ハルクそのままのマーク・ラファロ(←それって役作り?)
3人とも完全になりきってましたね。

ママに良い顔見せようとしてるところなんて
痛々しくて見ていられませんでした^^;
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amiさんへ (ituka)
2015-04-12 22:25:19
デュポンのような男は機嫌を損ねると、なにし出かすかわからないので怖いですよね^^;
それに精神的そっち系か総合失調症っぽい危うさも併せ持っているので
もはや、鬼に金棒状態ですよね(爆)

そうか!マークはハルクをイメージして役作りしてたんですね(ほんとかい)

この映画の根本的なところはママの愛情不足が生んだ悲劇の子ってことで
大財閥でなかったら、スラム街でよくある少年ギャングという
B級映画になっていたかもしれませんね(笑)
返信する

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