評価:★★★【3点】
月に飛ぶ前夜、ニールに詰め寄る妻の迫力はプレミアム。
◇
1961年、空軍でテストパイロットを務める
ニール・アームストロングだったが、幼い娘を病で亡くす。
寡黙な彼は、
悲しみに暮れる妻ジャネットの前でも感情を表に出すことはなかった。
しかし悲しみから逃れるべく
NASAのジェミニ計画の宇宙飛行士に応募し、みごと採用される。
それは、宇宙開発競争でソ連に後れをとっていたアメリカが、
人類未踏の月を目指すために欠かせない技術を確立するための計画だった。
宇宙飛行士たちに課されるいくつもの過酷な訓練をこなしていく中で、
エリオット・シーやエド・ホワイトら飛行士仲間との間に
確かな絆が結ばれていくニールだったが…。
<allcinema>
◇
実話を敢えてドキュメンタリータッチに描くという手法。
これはこれでアリなんだろうけど、1本の映画として観るには
エンタメ性に欠け、どこも盛り上がるところがない。
誰もが知るニール・アームストロングの人類初の偉業。
その陰で彼の家族との関わりはどうだったのか
また、宇宙飛行士に抜擢された経路など興味深いところはあるが
ハッキリ言ってドラマとしてはさほど面白くない。
これはニールの寡黙な性格のせいなのかは分からないが
彼中心で回ってる家族の負担を妻がみごとに表していたと思う。
終始、妻が夫に対し我慢している様子は暴力のないDV家族のよう。
妻を演じるクレア・フォイの暗い雰囲気もマッチしている(いい意味で)
にしても、なんでこういうタッチで映画を撮ったんだろう。
そこにはきっと監督の隠された意図があったんだろうけど
ワタシにはよく分かりませんでした。
【今週のツッコミ】
・冒頭のテストパイロットの緊張感だけは半端なかった。
・大気圏の層の薄さが実感できたのは面白いけど怖かった。
・ドキュメンタリータッチだから意味のないカットも
当然多く含まれている。
・敢えて解像度を落とす映像もまた当時の雰囲気バッチリ。
・暗い夫婦に見えてしまうニール家が痛い。
・NASAのステーションに文句を言いに行く妻。
彼らを“プラモデルを作って喜ぶ子供”発言は痛快だ。
・子供たちにきちんと説明して!(最後かもしれないから)
ここでも煮え切らない夫に妻以上にイライラしたワタシ(笑)
・アポロ計画を皮肉った黒人ラップに吹き出した。
------------------------------------------------------------
監督:デイミアン・チャゼル
脚本:ジョシュ・シンガー
音楽:ジャスティン・ハーウィッツ
出演:ライアン・ゴズリング/クレア・フォイ/ジェイソン・クラーク
『ファースト・マン』
月に飛ぶ前夜、ニールに詰め寄る妻の迫力はプレミアム。
◇
1961年、空軍でテストパイロットを務める
ニール・アームストロングだったが、幼い娘を病で亡くす。
寡黙な彼は、
悲しみに暮れる妻ジャネットの前でも感情を表に出すことはなかった。
しかし悲しみから逃れるべく
NASAのジェミニ計画の宇宙飛行士に応募し、みごと採用される。
それは、宇宙開発競争でソ連に後れをとっていたアメリカが、
人類未踏の月を目指すために欠かせない技術を確立するための計画だった。
宇宙飛行士たちに課されるいくつもの過酷な訓練をこなしていく中で、
エリオット・シーやエド・ホワイトら飛行士仲間との間に
確かな絆が結ばれていくニールだったが…。
<allcinema>
◇
実話を敢えてドキュメンタリータッチに描くという手法。
これはこれでアリなんだろうけど、1本の映画として観るには
エンタメ性に欠け、どこも盛り上がるところがない。
誰もが知るニール・アームストロングの人類初の偉業。
その陰で彼の家族との関わりはどうだったのか
また、宇宙飛行士に抜擢された経路など興味深いところはあるが
ハッキリ言ってドラマとしてはさほど面白くない。
これはニールの寡黙な性格のせいなのかは分からないが
彼中心で回ってる家族の負担を妻がみごとに表していたと思う。
終始、妻が夫に対し我慢している様子は暴力のないDV家族のよう。
妻を演じるクレア・フォイの暗い雰囲気もマッチしている(いい意味で)
にしても、なんでこういうタッチで映画を撮ったんだろう。
そこにはきっと監督の隠された意図があったんだろうけど
ワタシにはよく分かりませんでした。
【今週のツッコミ】
・冒頭のテストパイロットの緊張感だけは半端なかった。
・大気圏の層の薄さが実感できたのは面白いけど怖かった。
・ドキュメンタリータッチだから意味のないカットも
当然多く含まれている。
・敢えて解像度を落とす映像もまた当時の雰囲気バッチリ。
・暗い夫婦に見えてしまうニール家が痛い。
・NASAのステーションに文句を言いに行く妻。
彼らを“プラモデルを作って喜ぶ子供”発言は痛快だ。
・子供たちにきちんと説明して!(最後かもしれないから)
ここでも煮え切らない夫に妻以上にイライラしたワタシ(笑)
・アポロ計画を皮肉った黒人ラップに吹き出した。
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監督:デイミアン・チャゼル
脚本:ジョシュ・シンガー
音楽:ジャスティン・ハーウィッツ
出演:ライアン・ゴズリング/クレア・フォイ/ジェイソン・クラーク
『ファースト・マン』
う~ん、私もコレ、エンタメ性に欠け、盛り上がりが少ないと思ってしまいました。
だけど当の本人たちは、仲間は次々と死んじゃうわ、国を挙げての責任とプレッシャーとに押し潰されそうになるわ、で、案外これが正しい描き方なのかもしれません。
そりゃあ寡黙にもなりますよ(笑)
ニールは自分の精神を安定させようと冷静にタイミングを計っているのに
さらに嫁からの攻撃的な眼光と怒りの言葉で
もう本人は精神的に追いやられてたかもしれませんね。
クレア・フォイ母さんの目が鋭いだけに、そっちのプレッシャーに負けそうでした。
あの偉業の裏側は、とんでもない決意と
個人の犠牲(家族も含めて)があったのだと…。
冷戦のさなか、国の期待と維新を背負い、戦地に赴く兵士より、さらにとんでもないプレッシャーと犠牲。
観ていて何度も息苦しくなりました。
あのロケットに乗り込む気持ちが、たまりませんでした。こういう面をとらえた映画はなかったのでは?
奥さんが「普通の生活を望んでた」と言ってたの。
切実でした。
ワタシは「アポロ13」のような予想でしたので完全期待外れ(笑)
これは華々しいパイロットの裏側をリアルに描いてましたが
やっぱり映画は娯楽と思っているので真面目に描かれても盛り上がらないと淋しいです。
にしても寡黙な男というのはコミュニケーション不足で
まわりから誤解されるんだな~というのがこの映画で得た収穫かもしれない(笑)
クレア・フォイのような嫁はこわい!^^;
でも映像は見応えありました。
鑑賞中、ニール・アームストロングってこんな人だと思ってなかったのでちょっと意外でした。
もっと陽気なアメリカンだと50年以上勝手に信じてましたよ(笑)