
評価:★★★★☆【4,5点】
前作『チェイサー』にはもう一歩だが、見応えは十分だった。
衝撃作『チェイサー』を撮ったナ・ホンジン監督のデビュー2作目。
そして、主演もあの時の猟奇犯人役ハ・ジョンウと
犯人を追いつめる元刑事役のキム・ユンソクということで
その存在感あるキャストに密かな期待を胸に秘め観に行って来ました。
◇
北朝鮮とロシアに接する中国領“延辺朝鮮族自治州”。
ここに暮らす韓国系中国人のタクシー運転手、グナム。
生活は苦しく、妻は韓国に出稼ぎに行ってしまい、
最愛の娘も母親に預けて仕事に励む日々。
しかし、妻を韓国に送り出すときに作った借金に加え、
賭け麻雀でも大負けしてしまい窮地に陥る。
そんな時、裏社会の顔役ミョンからある取引を持ちかけられる。
それは、韓国で一人の男を殺害してくれば、
借金を棒引きにしてやるというもの。
もはや選択の余地のないグナムは、
音信の途絶えていた妻にも会えるとこの取引を受け入れ、
密航船で黄海を渡り、韓国への密入国を果たすのだが…。
<allcinema>
◇
哀しい!こんなに哀しくなった映画はいつ以来なのか。
世の中、何をするにも真の情報が一番大事ということを思い知らされた。
事件捜査モノで、目撃証言がいかに曖昧なものかを知ってれば
今回の主人公がとったような行動は先走っているとしか思えません。
しかし、あの状況では、そうすることしかできなかったのも事実だし、、、
とにかく、ラストシーン(エンドロール中の)が辛かったです。
朝鮮族自治州という貧困地域の荒んだ生活ぶりに
観客はまずは度肝を抜かれることになります。
これはいったい、いつの時代なのか?という具合にですね。
いや~、勉強になるな~。
こういう映画を見ることによって世界の事情を知ることが出来たことは
またひとつ、知識が付いたということで
話題のひとつにはなりますね(←おい)
最愛のひとり娘とも、一緒に暮らせない事情とは。
真面目に働いてはいるものの、給料は少なく
妻を出稼ぎに送り出すために借りた借金返済も苦しく
ギャンブルでひと儲けして借金を返す方向に走ってしまうが
ほとんどそこで給料を使い果たしてしまうダメ人間だったのです。
借金の返済が出来なければ、当然のように現れる取り立て屋。
取り立て屋からの執拗な嫌がらせが続く序盤は
主人公の大人としての責任感のなさに観てる方は苛立ちさえ覚えます。
こういう感情を持つこと自体、すでに物語に入り込んでいたんでしょう。
ここまでは、どちらかというと、ややテンポが遅く
若干のじれったさを感じるところもありましたが
その後に続く闇社会からの借金帳消しと引き換えに
殺人の依頼をされるところから、一気に物語が加速していきます。
韓国クライム・サスペンスの真骨頂と断言できる出来でした。
さすがに『チェイサー』ほどの緊張感は持続できませんが
本作全部で第4章からなる作品の第2章「殺人者」からは
グナム(ハ・ジョンウ)の感情が痛いほど伝わってくるのが凄い。
おまけ)
・代理殺人も下請けの下請けの下請けへと送られていくと
結局、だれが何のための殺人なのかが判らなくなるので
警察も大変ですね^^;
っていうか、今回も韓国警察のまぬけっぷりは健在でした(笑)
・暴力シーンの生々しさは韓国のお家芸でもあるし
絶対に死なないターミネーターのようなキャラ作りも
これだけ徹底されちゃうと、ある意味凄いと思う。
・主人公が代理殺人のため韓国に密入国してからのグナムの食生活に
とにかく惹き込まれてしまった。
ファミリーマートの“おでん”があんなにご馳走だとは知らなかった。
冷蔵庫のなかにあった野菜の漬け物やら、じゃがいものお吹かし。
刺身専門店でのセットメニューを一回食べてみたくなった(笑)
これはサバイバル生活のときに役に立ちそうだ。
・最後の船頭さんが間寛平氏であったなら、別のラストを期待できたかも。
・もしも、見ず知らずの人に写真を見せられ「知ってるか?」といわれたら
「なんで?」という返事はしない方がいいというのが分ったのが収穫。
--------------------------------------------------------------
監督:ナ・ホンジン
脚本:ナ・ホンジン
撮影:イ・スンジェ
音楽:チャン・ヨンギュ/イ・ビョンフン/
出演:ハ・ジョンウ/キム・ユンソク/チョ・ソンハ/
『哀しき獣』
前作『チェイサー』にはもう一歩だが、見応えは十分だった。
衝撃作『チェイサー』を撮ったナ・ホンジン監督のデビュー2作目。
そして、主演もあの時の猟奇犯人役ハ・ジョンウと
犯人を追いつめる元刑事役のキム・ユンソクということで
その存在感あるキャストに密かな期待を胸に秘め観に行って来ました。
◇
北朝鮮とロシアに接する中国領“延辺朝鮮族自治州”。
ここに暮らす韓国系中国人のタクシー運転手、グナム。
生活は苦しく、妻は韓国に出稼ぎに行ってしまい、
最愛の娘も母親に預けて仕事に励む日々。
しかし、妻を韓国に送り出すときに作った借金に加え、
賭け麻雀でも大負けしてしまい窮地に陥る。
そんな時、裏社会の顔役ミョンからある取引を持ちかけられる。
それは、韓国で一人の男を殺害してくれば、
借金を棒引きにしてやるというもの。
もはや選択の余地のないグナムは、
音信の途絶えていた妻にも会えるとこの取引を受け入れ、
密航船で黄海を渡り、韓国への密入国を果たすのだが…。
<allcinema>
◇
哀しい!こんなに哀しくなった映画はいつ以来なのか。
世の中、何をするにも真の情報が一番大事ということを思い知らされた。
事件捜査モノで、目撃証言がいかに曖昧なものかを知ってれば
今回の主人公がとったような行動は先走っているとしか思えません。
しかし、あの状況では、そうすることしかできなかったのも事実だし、、、
とにかく、ラストシーン(エンドロール中の)が辛かったです。
朝鮮族自治州という貧困地域の荒んだ生活ぶりに
観客はまずは度肝を抜かれることになります。
これはいったい、いつの時代なのか?という具合にですね。
いや~、勉強になるな~。
こういう映画を見ることによって世界の事情を知ることが出来たことは
またひとつ、知識が付いたということで
話題のひとつにはなりますね(←おい)
最愛のひとり娘とも、一緒に暮らせない事情とは。
真面目に働いてはいるものの、給料は少なく
妻を出稼ぎに送り出すために借りた借金返済も苦しく
ギャンブルでひと儲けして借金を返す方向に走ってしまうが
ほとんどそこで給料を使い果たしてしまうダメ人間だったのです。
借金の返済が出来なければ、当然のように現れる取り立て屋。
取り立て屋からの執拗な嫌がらせが続く序盤は
主人公の大人としての責任感のなさに観てる方は苛立ちさえ覚えます。
こういう感情を持つこと自体、すでに物語に入り込んでいたんでしょう。
ここまでは、どちらかというと、ややテンポが遅く
若干のじれったさを感じるところもありましたが
その後に続く闇社会からの借金帳消しと引き換えに
殺人の依頼をされるところから、一気に物語が加速していきます。
韓国クライム・サスペンスの真骨頂と断言できる出来でした。
さすがに『チェイサー』ほどの緊張感は持続できませんが
本作全部で第4章からなる作品の第2章「殺人者」からは
グナム(ハ・ジョンウ)の感情が痛いほど伝わってくるのが凄い。
おまけ)
・代理殺人も下請けの下請けの下請けへと送られていくと
結局、だれが何のための殺人なのかが判らなくなるので
警察も大変ですね^^;
っていうか、今回も韓国警察のまぬけっぷりは健在でした(笑)
・暴力シーンの生々しさは韓国のお家芸でもあるし
絶対に死なないターミネーターのようなキャラ作りも
これだけ徹底されちゃうと、ある意味凄いと思う。
・主人公が代理殺人のため韓国に密入国してからのグナムの食生活に
とにかく惹き込まれてしまった。
ファミリーマートの“おでん”があんなにご馳走だとは知らなかった。
冷蔵庫のなかにあった野菜の漬け物やら、じゃがいものお吹かし。
刺身専門店でのセットメニューを一回食べてみたくなった(笑)
これはサバイバル生活のときに役に立ちそうだ。
・最後の船頭さんが間寛平氏であったなら、別のラストを期待できたかも。
・もしも、見ず知らずの人に写真を見せられ「知ってるか?」といわれたら
「なんで?」という返事はしない方がいいというのが分ったのが収穫。
--------------------------------------------------------------
監督:ナ・ホンジン
脚本:ナ・ホンジン
撮影:イ・スンジェ
音楽:チャン・ヨンギュ/イ・ビョンフン/
出演:ハ・ジョンウ/キム・ユンソク/チョ・ソンハ/
『哀しき獣』
早々のイベントが終了して、実家の往復やらなにやら、色々疲れました。
やっぱり年ですね(爆)
ようやくペースが戻ったと思ったら、今週末、息子が帰省すると電話あり…。
またしばらく飯炊き婆と化します(笑)
そうそう、ミリオンには「ミリオンデー」なるものがあったのをすっかり忘れておりまして、、、昨日観てきました。
確かに「チェイサー」は越えれてないけど、やっぱ容赦なくやりますよね。
途中から出てくる子分とか、誰が誰やら?な状況になりましたぁ~^^
メイン以外、韓国俳優さんの名前とか顔とか、覚えにくいですわぁ~(汗)
中国系韓国人は、何となく聞いたような記憶があったのですが、ほぼ無知なので、映画から教えられることが多々あって勉強になります。
うーーん、でもやっぱりあの犬たちは…なんでしょうか?
タライ(?)イッパイの肉の正体も気になりましたぁ(苦笑)
そうでしたね~、成人式おめでとうございます。
子を持つ親ってどこも同じですね^^
しっかり、愛情を注いであげてくださいね。
ミリオンだけ割引デーあったんだ~!!!
ワタシ、全然知らなかったですよ。
まぁでも、平日じゃあ行けないから有給取って行くしかないかな(笑)
>確かに「チェイサー」は越えれてないけど、やっぱ容赦なくやりますよね。
銃とか火薬を使ってない分、原始的な方法でやってるんで痛みが半端なかったです^^;
切ったり叩いたりする時の音響がまた凄いわ!(苦笑)
でも、『127時間』には勝てないけどね(笑)
ワタシもメインキャスト以外の組織の子分がどっち側なのか分りにくかったです。
着てる服とかで、汚い方は多分ミョン側だなと勝手に想像してましたけどね^^;
狂犬病の肉を食ってるからミョンのようなパワーが生まれるんでしょうかね(爆)
ヤツらって、まるで『七人の侍』の山賊みたいです。
土日に当たる日は是非(笑)
あ~!そうなんですか!17日なのね。
ミリオンだけでもそういうのがあって良かったです!
オリーブリーさん、貴重な情報ありがとう!〆(。゜Д゜。)ノメモっとくね