評価★★★★
シンプルなストーリーでいえば『スリーハンドレッド』に負けず劣らずである。
あちらは、全編CG処理による映像革命伝々・・・という宣伝文句があったような気がしましたが、この『アポカリプト』は、昔ながらの自身の肉体を使ってのスタントであり、ストーリーも、映像を見せたいために無駄なものを省いていったら背骨だけになってしまったという感じである(笑)かといって、つまらないのかというと、そうでもなくこれが実に面白いのである。
まず、冒頭から密林での狩りのシーンから始まっている。黒い物体を数人の男たちが走って追いかけているのだが、スピード感に驚かされる。密林ジャングルでの撮影にもかかわらずカメラが縦横無尽に動いていると想像できる。
そういえば確か、メル・ギブソン監督は今回の撮影に「パナビジョンのジェネシス」という最新鋭のデジタルカメラを持ち込んだといわれていました。
戦士たちから追いかけられ滝壷でのワンカットシーンの撮影に用いられた大型クレーン
撮影監督は『ダンス・ウィル・ウルブス』でアカデミー賞を受賞した「ディーン・セムラー」だ。本作では主人公のジャガー・パウの行く手にそそり立つ美しくも残酷な密林の大自然を見事なカメラワークで芸術ともいえる映像を作り上げている。
中央アメリカのジャングルで狩りに勤しむ生活をしているジャガー・パウたち。彼らの村は“地上の楽園”のような環境で、恐怖とも争いとも無縁の世界だった。
ある日、そんな彼らの幸せな生活に終止符を打つかのように、村全体が暴君に襲われたのである。それは都からやって来たマヤ帝国の戦士たちだった。村が焼かれ家族を殺され、ジャガー・パウら若い男たちは捕虜となり都に連行される。
都では、干ばつを鎮める儀式としてピラミッドの神殿の頂上で大司祭自らが生贄の男たちの首を切り落としていた。
偶然にも、ジャガー・パウの順番のとき皆既日食が起こり、儀式は終了。無事に帰れると思いきや、戦士たちのグラウンドに連れて行かれ人間狩りの的にされてしまう。
ここからの脱走でラストまで一気に魅せてくれるのである。人間狩りから脱走してからの展開が最高に面白く出来ている。ハラハラドキドキ感を味わいたければ、この映画はかなりのお奨めです。映像はもちろん音響効果も是非体験してもらいたいですね。
先回の『パッション』のときもそうですが、メル・ギブソンのリアル思考は、ヲタクの域に達していると思われる。切り落とした生首をピラミッドの上からゴロンゴロン!と落とすのである。しかも何体もの首をである。そして中には首なし胴体まで!(笑)
笑っているのは超グロではありますが、特殊メイクアップに興味のある者にとっては、これはそんなに目を背けたくなるようなシーンではないですね。首なし胴体が落ちてくる時の腕や足のありえない方向への曲がりがあったほうが良かったのではないでしょうか。なんとも、普通に滑るように落ちて来ただけでしたから。
本作でまず驚いたのが、キャスト全員が素人であることと、全編に於いて現地のマヤ語であったこと。キャストは全員オーディションから、なかにはメキシコの街でスカウト(ジャガー・パウの妻を演じた「ダリヤ・ヘルナンデス」もそのひとり)されたひともいます。
監督たちは俳優を探すのにユカタン半島、南カリフォルニア、ニューメキシコと渡り歩き、集められた俳優たちは多国籍にも及んだ。すると、当然撮影の段階で通訳が必要になってくるのだが、そこは流石メル・ギブソン監督です!思い付く事が突飛である(笑)異国の人間同士が撮影時に話す言語を統一するために全員にマヤ語という共通語の勉強をさせたらしい。
『アポカリプト』撮影風景の詳細はこちらのサイトへGO!
地元で本物のマヤ族のダイアローグコーチたちの指導のもと、1作限りの映画のためにマヤ語の勉強とは大変な作業だったと想像できます。
でも、あのラストは一体!!!
『ニューワールド』を島からの視点に変えてみたら今回の本作のようになるのでは・・・。
------------------------------------------------------------
監督:メル・ギブソン
脚本:メル・ギブソン/ファラド・サフィニア
撮影:ディーン・セムラー
音楽:ジェームズ・ホーナー
出演:ルディ・ヤングブラッド/ダリア・エルナンデス/ジョナサン・ブリューワー/ラオール・トゥルヒロ/モリス・バード
『アポカリプト』オフィシャル・サイト
http://apocalypto.jp/
シンプルなストーリーでいえば『スリーハンドレッド』に負けず劣らずである。
あちらは、全編CG処理による映像革命伝々・・・という宣伝文句があったような気がしましたが、この『アポカリプト』は、昔ながらの自身の肉体を使ってのスタントであり、ストーリーも、映像を見せたいために無駄なものを省いていったら背骨だけになってしまったという感じである(笑)かといって、つまらないのかというと、そうでもなくこれが実に面白いのである。
まず、冒頭から密林での狩りのシーンから始まっている。黒い物体を数人の男たちが走って追いかけているのだが、スピード感に驚かされる。密林ジャングルでの撮影にもかかわらずカメラが縦横無尽に動いていると想像できる。
そういえば確か、メル・ギブソン監督は今回の撮影に「パナビジョンのジェネシス」という最新鋭のデジタルカメラを持ち込んだといわれていました。
戦士たちから追いかけられ滝壷でのワンカットシーンの撮影に用いられた大型クレーン
撮影監督は『ダンス・ウィル・ウルブス』でアカデミー賞を受賞した「ディーン・セムラー」だ。本作では主人公のジャガー・パウの行く手にそそり立つ美しくも残酷な密林の大自然を見事なカメラワークで芸術ともいえる映像を作り上げている。
中央アメリカのジャングルで狩りに勤しむ生活をしているジャガー・パウたち。彼らの村は“地上の楽園”のような環境で、恐怖とも争いとも無縁の世界だった。
ある日、そんな彼らの幸せな生活に終止符を打つかのように、村全体が暴君に襲われたのである。それは都からやって来たマヤ帝国の戦士たちだった。村が焼かれ家族を殺され、ジャガー・パウら若い男たちは捕虜となり都に連行される。
都では、干ばつを鎮める儀式としてピラミッドの神殿の頂上で大司祭自らが生贄の男たちの首を切り落としていた。
偶然にも、ジャガー・パウの順番のとき皆既日食が起こり、儀式は終了。無事に帰れると思いきや、戦士たちのグラウンドに連れて行かれ人間狩りの的にされてしまう。
ここからの脱走でラストまで一気に魅せてくれるのである。人間狩りから脱走してからの展開が最高に面白く出来ている。ハラハラドキドキ感を味わいたければ、この映画はかなりのお奨めです。映像はもちろん音響効果も是非体験してもらいたいですね。
先回の『パッション』のときもそうですが、メル・ギブソンのリアル思考は、ヲタクの域に達していると思われる。切り落とした生首をピラミッドの上からゴロンゴロン!と落とすのである。しかも何体もの首をである。そして中には首なし胴体まで!(笑)
笑っているのは超グロではありますが、特殊メイクアップに興味のある者にとっては、これはそんなに目を背けたくなるようなシーンではないですね。首なし胴体が落ちてくる時の腕や足のありえない方向への曲がりがあったほうが良かったのではないでしょうか。なんとも、普通に滑るように落ちて来ただけでしたから。
本作でまず驚いたのが、キャスト全員が素人であることと、全編に於いて現地のマヤ語であったこと。キャストは全員オーディションから、なかにはメキシコの街でスカウト(ジャガー・パウの妻を演じた「ダリヤ・ヘルナンデス」もそのひとり)されたひともいます。
監督たちは俳優を探すのにユカタン半島、南カリフォルニア、ニューメキシコと渡り歩き、集められた俳優たちは多国籍にも及んだ。すると、当然撮影の段階で通訳が必要になってくるのだが、そこは流石メル・ギブソン監督です!思い付く事が突飛である(笑)異国の人間同士が撮影時に話す言語を統一するために全員にマヤ語という共通語の勉強をさせたらしい。
『アポカリプト』撮影風景の詳細はこちらのサイトへGO!
地元で本物のマヤ族のダイアローグコーチたちの指導のもと、1作限りの映画のためにマヤ語の勉強とは大変な作業だったと想像できます。
でも、あのラストは一体!!!
『ニューワールド』を島からの視点に変えてみたら今回の本作のようになるのでは・・・。
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監督:メル・ギブソン
脚本:メル・ギブソン/ファラド・サフィニア
撮影:ディーン・セムラー
音楽:ジェームズ・ホーナー
出演:ルディ・ヤングブラッド/ダリア・エルナンデス/ジョナサン・ブリューワー/ラオール・トゥルヒロ/モリス・バード
『アポカリプト』オフィシャル・サイト
http://apocalypto.jp/
監督以前の(人間的な)部分でこの先を心配してしまうんだが・・
作品はこれまで通り「こだわりまくってる」そうですね。
ヘブライ語(『パッション』)から今回は「マヤ語」なんですね。
何か撮影現場をネタにして『バベル』とか言うメイキングムービーが作れそうですな(=^_^=)
ラストには興味津々です(・ω・)
※作品ポスターにおけるタイトルロゴの「C」が皆既日食ぽくなってるのがセンスいいですね!
ひょっとしたら「アポカリプス(黙示録)」と「エクリプス(日食)」をかけた“軽~いシャレ”やったりして(×_×)
この辺りのセンスは良いと思いました。
因みに、ポスターに載っている人物は主人公ではありません( ゜Д゜)_σ!!
最後まで主人公を追いかけてた戦士のひとりです(頭の悪いトレモア3兄弟風)
逃亡中に破棄された首なし死体の山のなかを進んでいくのですが、
確かに気持ち悪いシーンではありましたが『キリング・フィールド』のときのようなショックは無かったです(笑)
メイキングムービー!それ賛成!!!
また拙ブログでチェキって下さいまし(・ω・)
では、早速。
疾走感は確かにものすごいですね!
そしてその中に緊迫感も同じくらい盛り込まれていて、鑑賞中ずっと貧乏ゆすりが止まりませんでした~。
ラスト確かに気になりますね(・∀・)
鑑賞中は主人公の恐怖感と同化していました。
“貧乏ゆすり”をするほどのめり込んだということで
羨ましい表現として受け取りました^^
あのラスト…
続きは、『ニューワールド』を観ることをお奨めします(笑)