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評価:★★★★【4点】
一枚の肖像画を描くだけでここまで面白いのは
芸術家ジャコメッティの奇天烈な創作風景があればこそだな(笑)
◇
20世紀を代表する芸術家の一人、
アルベルト・ジャコメッティが手がけた
最後の肖像画を巡る創作秘話を描いた伝記ドラマ。
1964年、パリ。
美術評論家でもあるアメリカ人作家ジェイムズ・ロードは、
友人のアルベルト・ジャコメッティから肖像画のモデルになってくれと頼まれ、
“1日で終わる”との言葉を信じ、帰国を延ばしてモデルを引き受けることに。
こうしてジャコメッティが妻アネットと弟ディエゴと暮らす
自宅兼アトリエを訪問したロードだったが、
肖像画は完成するどころかジャコメッティの苦悩ばかりが深まっていく。
おまけに愛人カロリーヌの登場でセッションはたびたび中断、
いつ帰国できるか分からず困惑と不安を募らせるロードだったが…。
<allcinema>
◇
ずばり!この映画はドキュメンタリー映像を見ているような錯覚を起こす。
天才芸術家ジャコメッティの魂が宿ったかのような演技は
もはや俳優ジェフリー・ラッシュではなくアルベルト・ジャコメッティその人!
とてもシンプルな物語は、アメリカ人作家をモデルを雇い
1日で完成させる計画の肖像画が、何故か一向に完成しないという、
ただそれだけの映画である(笑)
ところが、たったそれだけなんだが妙に惹き付けられてしまう。
これは自由奔放なジャコメッティの魅力なのかもしれないが
モデルとして依頼されたアメリカ人も最初は天才芸術家の誘いに嬉しく思うが
予定をはるかにオーバーしながらも、一向に完成しない肖像画に
次第に苛立ち始めるのが手に取るようにわかる。
このアメリカ人作家を演じたアーミー・ハマーの演技が素晴らしい!
ワタシ的に、本作は、ジャコメッティとアメリカ人作家のお笑いコントがメインで
そこに、ジャコメッティの愛人と本妻、それに彼の弟で
アトリエの雑務をしている男がよきスパイスとして話を盛り上げている。
最終的に18日間という長丁場となり、そこで打ち切ったのも
アメリカ人作家と雑務男とのある作戦が決行されたからだが
正直、その作戦が成功したときの解放感は、アメリカ人作家はもちろん
観ているこちらまで解放された気分で、ものすごく心地よかった。
あ、鑑賞中に苦痛だったということではありません^^;
【今週のツッコミ】
・アメリカ人作家を描く初日に
ジャコ「キミの顔は悪人顔だな。横から見ると変質者だ」
作家「光栄です^^;」
ジャコ「笑うな。動くな。掻くな。」
・モデル目線(そろそろこっち見るぞ…ほら見た)
モデル目線(こっち見た時の目が怖いぞ、笑いたいが我慢だ)
モデル目線(なんで目だけ動かしてこっち見るの?ツボにはまりそうだが我慢だ)
・ジャコメッティ曰くピカソは未熟な自分を誤魔化す天才らしい。
・これはパリ版『人生フルーツ』か!津端さん夫婦とジャコメッティ夫妻は
どうみても180度イメージが違うぞ!
ちなみにアーミー・ハマーが樹木希林ってことか?(←こら!)
・少なくともアカデミー賞主演男優賞にノミネートされるくらいの演技はあった。
ってこれって外国映画賞の枠なんだろうか。
75回ゴールデングローブ賞にも掛からなかったのでダメかな^^;
・スタンリー・トゥッチの監督作品は初めて観た気がする。
脚本も手掛けられており、なかなか才能あるアクターなんですね。
---------------------------------------------------------------------------
監督:スタンリー・トゥッチ
脚本:スタンリー・トゥッチ
音楽:エヴァン・ルーリー
出演:ジェフリー・ラッシュ/アーミー・ハマー/クレマンス・ポエジー
『ジャコメッティ 最後の肖像』
一枚の肖像画を描くだけでここまで面白いのは
芸術家ジャコメッティの奇天烈な創作風景があればこそだな(笑)
◇
20世紀を代表する芸術家の一人、
アルベルト・ジャコメッティが手がけた
最後の肖像画を巡る創作秘話を描いた伝記ドラマ。
1964年、パリ。
美術評論家でもあるアメリカ人作家ジェイムズ・ロードは、
友人のアルベルト・ジャコメッティから肖像画のモデルになってくれと頼まれ、
“1日で終わる”との言葉を信じ、帰国を延ばしてモデルを引き受けることに。
こうしてジャコメッティが妻アネットと弟ディエゴと暮らす
自宅兼アトリエを訪問したロードだったが、
肖像画は完成するどころかジャコメッティの苦悩ばかりが深まっていく。
おまけに愛人カロリーヌの登場でセッションはたびたび中断、
いつ帰国できるか分からず困惑と不安を募らせるロードだったが…。
<allcinema>
◇
ずばり!この映画はドキュメンタリー映像を見ているような錯覚を起こす。
天才芸術家ジャコメッティの魂が宿ったかのような演技は
もはや俳優ジェフリー・ラッシュではなくアルベルト・ジャコメッティその人!
とてもシンプルな物語は、アメリカ人作家をモデルを雇い
1日で完成させる計画の肖像画が、何故か一向に完成しないという、
ただそれだけの映画である(笑)
ところが、たったそれだけなんだが妙に惹き付けられてしまう。
これは自由奔放なジャコメッティの魅力なのかもしれないが
モデルとして依頼されたアメリカ人も最初は天才芸術家の誘いに嬉しく思うが
予定をはるかにオーバーしながらも、一向に完成しない肖像画に
次第に苛立ち始めるのが手に取るようにわかる。
このアメリカ人作家を演じたアーミー・ハマーの演技が素晴らしい!
ワタシ的に、本作は、ジャコメッティとアメリカ人作家のお笑いコントがメインで
そこに、ジャコメッティの愛人と本妻、それに彼の弟で
アトリエの雑務をしている男がよきスパイスとして話を盛り上げている。
最終的に18日間という長丁場となり、そこで打ち切ったのも
アメリカ人作家と雑務男とのある作戦が決行されたからだが
正直、その作戦が成功したときの解放感は、アメリカ人作家はもちろん
観ているこちらまで解放された気分で、ものすごく心地よかった。
あ、鑑賞中に苦痛だったということではありません^^;
【今週のツッコミ】
・アメリカ人作家を描く初日に
ジャコ「キミの顔は悪人顔だな。横から見ると変質者だ」
作家「光栄です^^;」
ジャコ「笑うな。動くな。掻くな。」
・モデル目線(そろそろこっち見るぞ…ほら見た)
モデル目線(こっち見た時の目が怖いぞ、笑いたいが我慢だ)
モデル目線(なんで目だけ動かしてこっち見るの?ツボにはまりそうだが我慢だ)
・ジャコメッティ曰くピカソは未熟な自分を誤魔化す天才らしい。
・これはパリ版『人生フルーツ』か!津端さん夫婦とジャコメッティ夫妻は
どうみても180度イメージが違うぞ!
ちなみにアーミー・ハマーが樹木希林ってことか?(←こら!)
・少なくともアカデミー賞主演男優賞にノミネートされるくらいの演技はあった。
ってこれって外国映画賞の枠なんだろうか。
75回ゴールデングローブ賞にも掛からなかったのでダメかな^^;
・スタンリー・トゥッチの監督作品は初めて観た気がする。
脚本も手掛けられており、なかなか才能あるアクターなんですね。
---------------------------------------------------------------------------
監督:スタンリー・トゥッチ
脚本:スタンリー・トゥッチ
音楽:エヴァン・ルーリー
出演:ジェフリー・ラッシュ/アーミー・ハマー/クレマンス・ポエジー
『ジャコメッティ 最後の肖像』
私もitukaさんと同じ感想を書いておりました!ホント
「ただそれだけの映画」なんですよね。でもこの「ただそれだけ」がなんと心地よいことか!ジェフリー・ラッシュとアーミー・ハマーのコンビネーションも絶妙でしたし。それにホントホント、ジェフリー・ラッシュはジャコメッティ本人そのものでした!って両方とも本当に見たことはないですが(笑)。
これがなんと!ジェフリー・ラッシュにそっくりで
もう彼以外演じる俳優は絶対居ないだろうでしたよね(笑)
ジャコメッティの描く肖像画を見て、あんなんでいいの?
あれなら小学生でも描けるレベルと思いましたが、分かる人には分かるんでしょうね^^;
じっと耐えてるアーミー・ハマーが健気でしたね。
これできっとファンも増えることでしょう(笑)
さて演じるハンサムなアーミー・ハマーを変質者呼ばわりするジャコメッティ、ラッシュが謎?でした。
わたしもスタンリー・トゥッチ監督作は初めて見たのですが、才能豊かな方ですね。
俳優としては軽妙なキャラが似合う監督らしい描き方が素晴らしかったと思います。
主演の二人の演技も素晴らしかった!
やっぱり主人公のキャラクターでしょうし、それを見事に演じたジェフリー・ラッシュの力量なんでしょうね。
そして、受けて立つモデルもこれまたすごくいい感じで
この二人の間合いがなんとも豊かで、超シンプルな作品でも十分に楽しむことが出来ましたよ。
スタンリー・トゥッチ監督作品は今後も注目しなくては(笑)