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ミケマル的 本の虫な日々

『汝、星のごとく』


『汝、星のごとく』 凪良ゆう



 新宿紀伊國屋書店で買った本の一冊
今年の本屋大賞を取った本です。
本屋大賞は全国の書店員の方が読んで欲しい本を選ぶというコンセプトで、上位10冊の中から選ばれる。
あらかじめ選ばれた10冊は大体面白い本が多いのです。
どれが大賞かというのも興味あるけれど、その他の本も読んでみたいと思う賞です。

 そして、凪良ゆうさんは2回目の大賞受賞です。
1冊目は『流浪の月』2020年
この本は映画にもなったのですが、世間からの常識的な評価と実際の当事者の思いとの大きな違いから逃げざるを得ない二人を描いていました。
なんでもステレオタイプに見てしまい、一度見方を決めてしまったら事実を見誤りがちという事をひしひしと感じさせられる物語。

 以前のブログにも同じよう事を書いてました

 そして、この『汝、星のごとく』でも凪良さんの根底にあるのは同様な事なのではと。
しかしこの話では、世間がなんと言おうが周囲がどう思っても、自分の思いを強く持っていて良いんだというのが強調されているように思ったです。
どちらのお話もハッピーエンドとは言えないけれど、バッドエンドでもなく、読んでいて苦しい部分があっても最後は静かな気持ちになるようお話。
そして、物事の見方、固定観念というものを考えさせられる小説でもあります。

 この凪良ゆうさんは今は推しも推されぬ本格的小説家ですが、デビューはBL小説で、『美しい彼』の原作小説を書いた人です。
『美しい彼』はドラマを見てから初めて読んだ本格BL小説なのですが、もちろんBL要素もたくさんあるのだけれど、小説としての全体的クオリティーが高くてとても面白く読めました。
他のBL小説や漫画をほとんど読んでないからなんともいえないけど、さすがの文章力を感じました。
そして、この『美しい彼』も、小説、ドラマ、映画を通じて、好きだな〜と思うだけでなく、固定観念をいい意味で覆させてくれるものがある。

 この本はまさに本屋大賞に選ばれるべき一冊だったのではと思いました。 

 

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