沖縄・台湾友の会

《台湾に興味のある方》《台湾を愛する方》《不治の病・台湾病を患ってしまった方》皆んなで色々語り合いたいものです。

東シナ海めぐり日本挑発   高橋洋一

2023-01-11 00:17:02 | 日記
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 東シナ海めぐり日本挑発
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         高橋洋一


【日本の解き方】中国は国際社会の「無法者」 サラミスライス戦略で侵食、東シナ海めぐり日本挑発 一気に来る有事への警戒を 

中国が連日、日本周辺に接近している。岸田文雄政権は防衛力強化の方針を決めたが、有事の備えには何が必要か。

中国が日本を挑発しているのは、尖閣周辺の中国船だけではない。防衛省は1日、中国軍のWZ7偵察型無人機1機が同日午前から午後にかけ、沖縄本島と宮古島の間を抜け、東シナ海と太平洋を往復したと発表した。同機種の飛行確認は初めてだという。

中国は少しずつだが確実に日本を侵食している。2000年ごろから、「核心的利益」という表現で、ウイグル、南シナ海、香港、台湾、尖閣を完全に自国領土とするという主張をしている。内陸のウイグルでは民族浄化とも見間違うかのような政策を展開してきたが、南シナ海では徐々に領有権拡大を図ってきた。つまり、時間をかけることで大きな戦略的変化になる小さな行動のゆっくりした積み重ねを繰り返してきた。

これは「サラミスライス」戦略といわれている。サラミを薄切りするように少しずつ入り込むやり方だ。南シナ海で行われたことが確実に東シナ海でも行われてきている。尖閣周辺や今回の無人機偵察は東シナ海での中国のサラミスライス戦略の一環である。

南シナ海での中国のサラミスライス戦略は16年にオランダ・ハーグの国際仲裁裁判所で判決が出て、中国は主張に根拠なしとなって負けている。

それにもかかわらず、中国は判決を無視したので、すでに国際社会での無法者になっている。東シナ海でも無法な行いをすると考えるべきだ。

米国の発表によると、昨年12月21日、米空軍の偵察機が南シナ海上空の国際空域で通常の偵察活動を行っていたところ、中国軍の戦闘機が機首から6メートル以内に接近し、飛行を妨害したという。

中国からは、米国側が問題との反論もなされている。いずれにせよ、中国は国際法の無法者だから、のれんに腕押しだ。米軍は声明で「すべての国が国際法に従って国際空域を安全に使うよう望む」として中国に自制を求めたが、米中において、今後、偶発的な接触がないとはいえない。

近年、南シナ海上空で米国やその同盟国の航空機に対し、中国軍機による危険な妨害行動が急増している。それは南シナ海にとどまらず、東シナ海まで広がっているとみるべきだ。

冒頭の中国軍の偵察型無人機に対して航空自衛隊の戦闘機がスクランブル発進した。無人機は東シナ海から飛来し沖縄本島と宮古島の間を通過して太平洋に出て、先島諸島の南を飛行した後反転し、ほぼ同じルートで東シナ海に戻った。次は確実に段階を上げて日本を挑発するだろう。そして、東シナ海の南シナ海化と台湾封鎖に向かってサラミスライス戦略が続くのではないか。

現状の中国有事は、少しずつだが決して後退しないサラミスライス戦略だが、来るときは一気に来ることを忘れてはいけないので気が抜けない。

台湾補選で国民党が勝利。民進党は党の体勢立て直しへ      しかし本当に国民党が勢力を挽回したのか?

2023-01-11 00:15:23 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
    令和五年(2023)1月10日(火曜日)
       通巻第7583号  
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 台湾補選で国民党が勝利。民進党は党の体勢立て直しへ  
   しかし本当に国民党が勢力を挽回したのか?
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 台湾国会議員補欠選挙(1月7日)で民進党がまた負けたためメディアは国民党の復元を言っている。
 当選したのは王鴻薇というおばさんで、台北市会議員だった。彼女は基隆出身。国立政治大学卒業。新聞記者を経て、中華思想の若者がつくった「新党』に所属したこともあった。やがて国民党へ。台北市会議員を連続五期。

この選挙区は蒋介石のひ孫・蒋万安の地盤で、もともと軍人と公務員の住む国民党の岩盤のような地盤である。一度も国民党が負けたことがない選挙区で、むしろ民進党候補は僅差で迫った。健闘したと言うべきだろう

 選挙結果をみると
  王鴻薇(国民党)  60519票
 呉怡農(民進党)  54739
   その差は5789票である。

 さきの(11月26日)の六代市長を含む台湾の統一選挙、アメリカで言えば「中間選挙」にあたるが、台北市長に国民党の蒋万安が当選した。
これは与党側の分裂により国民党が『漁夫の利』を得たというのが実態である。
可文哲(前市長)が民進党に因らず副市長の女姓を立て、コロナ退治で勇名をはせた厚生部長が民進党から出た。この構造は陳水扁のときのネガで、あのときは逆に国民党が分裂したため、陳水扁に利の女神が転がり込んだのだった。


感染が急拡大、なのに都市封鎖も旅行制限も解除   トルクメニスタン大統領が北京訪問、習近平と何を話したか?

2023-01-11 00:13:56 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
    令和五年(2023)1月9日(月曜日。成人の日)
       通巻第7582号  
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 感染が急拡大、なのに都市封鎖も旅行制限も解除
  トルクメニスタン大統領が北京訪問、習近平と何を話したか?
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 23年1月6日、トルクメニスタンのセルダル・ベルディムハメドフ大統領が北京を訪問した。一番の関心事は、習近平と何を話したか?
 とくに米国の関心はガス代金の決済を人民元建てとしたのか、どうかだ。

公式発表では「天然ガスにおける協力は中国とトルクメニスタンの関係の基礎だ」と述べたものの、決済手段の変更などの詳細は伝えられていない。

 中国はトルクメニスタンから三本のパイプラインを敷設し、ウズベク、カザフを経由してウイグルで分岐し、一番長いパイプラインは上海にまで運ばれている。
需要が増加しており、4本目のパイプラインの建設を計画している。完成すれば年間供給能力は現在の550億立方メートルから850億立方メートルに拡大する。

 中国はトルクメニスタンとの関係を「包括的戦略パートナーシップ」に格上げすることで合意した。これによりトルクメニスタンはサウジアラビア、オーストラリア、ベネズエラなど約30カ国と同じ位置付けとなる。

 トルクメニスタンは旧ソ連構成国だが、独立後はニヤゾフ大統領の独裁が続いた。
 自分が書いた著作を莫大な費用を投じて英悟、ロシア語など十数カ国語版もつくり、配布した。ちなみに日本語訳もある。

 そのうえ個人崇拝と高めるため金ぴかの立像をあちこちに建立した。その手に書物をもつので首都を訪問した際に小生、ガイドに聞いた。「大統領が手にしている本はコルランですか?」。ガイド氏の答え。「いいえ、大統領自身が書かれた書物です」。

 この独裁者ニヤゾフ2006年12月に死去。2007年2月11日に実施された大統領選挙で、ベルディムハメドフ大統領代行(前副首相兼保健・医療工業相)が当選した。
国際的に無名の政治家だけに、なぜと首をかしげた。おそらくニヤゾフ前大統領の庶子であろうと想像がついた。当時、佐藤優氏と対談本をつくっていた最中だったので、氏の意見を聞くと同意だった。

 2012年2月、ベルディムハメドフ大統領が再選され2017年2月、が三選(得票率は98%だったそうな)。

 2022年2月、ベルディムハメドフ大統領は「任期満了」を口実に息子の権力委譲を決意した。22年3月大統領選挙が実施され、長男のセルダル・ベルディムハメドフ副首相が当選した。
北京を訪問したのは、この新大統領である。

(小生のトルクメニスタン旅行記は『日本が全体主義に陥る日』(ビジネス社)を参照)。

消費税率が「15%」に上がる日  高橋洋一          

2023-01-11 00:11:18 | 日記
 わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン
               頂門の一針 6376号


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消費税率が「15%」に上がる日
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           高橋洋一

【日本の解き方】 防衛増税で?突破口?狙う財務省 国債の使い方が稚拙、経済と財政を猛勉強すべきだ 


消費税率は2014年4に8%、19年10月に10%となった。さらなる引き上げはあるだろうか。

財務省出身の筆者は「なぜ財務省は増税をしたいのか」としばしば聞かれる。簡単にいえば職業病であり、よくいえば日本政府の財政を憂いたものだ。背景には、強烈なエリート志向があり、自分たちこそが日本を指導していると勘違いしている。

筆者は財務省在籍25年の大半を財政の正しい見方の普及に費やした。会計学を使い連結対象を含めた政府のバランスシート(貸借対照表)を作成し、金融工学を用いて日本政府の破綻確率も算出した。その結果、今のところ日本政府の財政状況は財務省が主張するほど悪くないことが分かった。財務省は「増税しないと国債が暴落する」と安倍晋三政権を脅したが、延期しても暴落しなかった。


それでも財務省は相変わらず一部部門の収支に固執し、バランスシートの負債サイドだけで財政を説明して「財政が悪い」という。はっきりいえば、会計無知による間違いだが、マスコミその他の無知に乗じていて改める気配もない。財務省の欺瞞(ぎまん)は、いつまでたっても筆者との直接対話を回避していることからも明らかだ。

幸いなことに、安倍・菅義偉政権では財務省の口車に乗らずに経済政策をしっかり行った。しかし、岸田文雄政権は、防衛増税と事実上の利上げでアベノミクスの方向性を変えた。

防衛増税はたかだか1兆円なので、防衛国債の範囲を拡大するか、埋蔵金(外国為替資金特別会計や債務償還費を活用)によって回避できる。財務官僚がどうしても増税したいとしか考えられない。

これで思い出すのが、東日本大震災後の「ホップ、ステップ、ジャンプ」論だ。復興増税をホップとして、ステップ、ジャンプで2段階の消費増税を行うのが財務省の構想だった。筆者はそれを財務省関係者から聞いたので本コラムなどで暴露したが、そのとおりになった。

今回も、防衛増税はホップであり、ステップ、ジャンプで2段階の消費増税を財務省は狙っている。そして、消費税率は12%を経由し、15%になるだろう。そのためには、ともかく今回「増税」したいのだ。

筆者はこうした財務省の思惑について、できるだけテレビの地上波番組で話している。昨年末、筆者がレギュラー出演する大阪の番組で、消費税15%の可能性について言及した。

この場面について、番組MCの東野幸治さんやスタジオパネラーのほんこんさん、「ジャニーズWEST」の中間淳太さんらが「15%?」とあぜんとしていたとネットニュースなどで報じられた。筆者は楽屋などでこうした話を日常的にしており、彼らも知っているはずだが、あらためて視聴者に分かりやすく表現したのだろう。

消費税はどの増税は経済の立て直しに障害となる。しかも、財務省の主張とは違って財政状況は悪くない。今回の防衛増税でも、財務省は国債の使い方が稚拙すぎる。もっとマクロ経済と財政(ファイナンス)を勉強せよと言いたい。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)


南シナ海とは事情が異なり、北極海は「中国の海」にならなかった    フィンランドは中国提案の「北極回廊」プロジェクト計画を削除

2023-01-11 00:10:34 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
    令和五年(2023)1月8日(日曜日)
       通巻第7581号  
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  南シナ海とは事情が異なり、北極海は「中国の海」にならなかった
   フィンランドは中国提案の「北極回廊」プロジェクト計画を削除
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フィンランドに「北極経済回廊」プロジェクトを持ちかけたのは中国だった。
 ロシアの警戒感をよそに、中国は砕氷船を備え、物資の北極圏輸送、すなわち「北回りシルクロード」という航路の開拓を企図した。その航路の一環として中国は北海道釧路などでの土地の爆買いを行っていた。

 フィンランドの北方はノルウェーの不凍港に繋がる。
ここからヘルシンキへ鉄道を繋ぐとする大風呂敷を持ちかけると、フィンランド財界は一時期、前向きとなって昂奮したことがあった。しかしロシアがウクライナへ侵攻し、フィンランドがNATO加盟を申請した。この地政学的転換により、中国の北極回廊プロジェクトはほぼ頓挫した。

 中国がプーチン大統領の侵略を批判しないためNATO諸国の中国イメージが著しく低下した。中国はウクライナ戦争の恩恵を受けてエネルギー、穀物、その他の商品をロシアから割引価格で購入した。その『制裁』破りの中国の無法ぶりもNATO諸国は目撃してきた。

 習近平政権は北極圏の戦略的重要性を公式に認めている。
2014 年、中国国家海洋局の劉慈桂局長は、中国は 2035 年までに「極地大国」となると宣言した(国家海洋局、2014年11月14 日)。
2017年、一帯一路構想に「極地シルクロード」が追加された(新華網、2017年6月20日)。
2018 年、中国は北極域内の安全を促進する「重要な使命を担う」とする公式の北極政策文書を発表した (新華社ネット、2018 年1月26 日)。

 現実の地政学を眺めると、北極圏の大部分がカナダ、デンマーク(グリーンランド経由)、ノルウェー、ロシア、米国と、五つの沿岸国の管轄下にある。このため国連法によって中国が利用できるのはごく一部の海域である。


 ▲北欧諸国はロシア北方艦隊の基地ムルマンスクを警戒している。

 地図を開くと判然とすることがある。
 地政学的にみればロシアの戦略的要衝ムルマンスクはノルウェー、フィンランドから至近距離にあって、中国が、この北極圏航路を「ロシアを抜き」で開拓することは不愉快千万だろう。

 『古代ノルウェー人』を意味する『ムルマン』から命名されたムルマンスク州の州都はモスクワから北へ約2000kmの位置で、コラ半島の北岸、バレンツ海からコラ湾を50kmほど南に入った東沿岸にある。
ロシアの北極圏最大の都市で、同時に軍事基地。NATO諸国がつねに警戒するのも、ムルマンスクにロシア海軍の空母が所属し、また原潜の基地でもあるからだ。

2017 年に習近平はフィンランドを訪問し、「規模、文化、発展レベルが異なる両国は平和共存と友好交流の模範だ」と称賛した。
共同宣言では「中国とフィンランドは北極域内で経済的および技術的協力を強化する」とし、産業、インフラ、観光、文化、ウィンター スポーツの分野で多くの共同プロジェクトが開始された。

とくにノルウェーのキルケネスからフィンランドのロヴァニエミへの新しい鉄道を接続し、ヘルシンキへ鉄道を接続させ北極シルクロードと中央ヨーロッパ市場を接続する。
さらに新しい海底トンネルを経由してタリンに向かい、さらにヨーロッパ全域を繋ぐと薔薇色の計画を語っていた。

 フィンランド北部の空港を中国へ売却する案件なども議題となっていたが、具体的な工事進捗はゼロ、2021年にはフィンランド北極鉄道プロジェクトを「ラップランド地域計画」から削除した(ラップランドはフィンランド北方の秘境で、住民よりトナカイが多く、冒険旅行者にとっては憧れの地である)
 フィンランドの対中外交は、NATOの一員となって旧に戻ったのである。