「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和五年(2023)1月12日(木曜日)
通巻第7586号 <前日発行>
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
米連邦議会、下院議長選出でもたついたが、「中国問題特別委員会」を可決
台湾防衛の急先鋒、元海軍大佐のギャラガーが委員長就任
****************************************
米連邦議会下院は「米中戦略競争特別委員会」(中国問題特別委員会)設置を賛成365票、反対65票で可決した。超党派である。
初代委員長には共和党強硬派のマイク・ギャラガー議員が就任した。
「中国は大量虐殺を実行し続け、伝染病の発生源を隠蔽し、何千億もの米国の知的財産を盗み、台湾を脅かしている。私たちは真の侵略に対して前線を築く機会がきた」と持論を述べた。
マッカーシー議長選出で四日を空費した下院は1月9日、「米国と中国共産党との間の戦略的競争に関する特別委員会」設置を圧倒的多数で可決し、「米国に迫り来る脅威をもたらそうとする中国政府の取り組みに対抗する」とした。
同委員会は16人の委員で構成、マイク・ギャラガー(Mike Gallagher)が初代委員長を務める。ギャラガーは、米国上院外交委員会のスタッフ経験があり、現在、下院軍事委員会と下院情報委員会のメンバー。ウィスコンシン第八区で2016年以来、圧勝を続けており、民主党候補を寄せ付けない人気を誇る。
かれはプリンストン大学、ジョージタウン大学で博士号。論文は「トルーマン、アイゼンハワーと冷戦」だった。
海兵隊七年、イラク戦争にも参加し海軍大佐で退役。まだ38才の若さ。ギャラガーは中絶反対、性転換者の軍隊入隊拒否の考え方を持ち、また台湾防衛の急先鋒として知られる。
米国の公的年金基金が中国に投資すべきかどうか等を含めて中国投資そのものの問題点を検討するとした。
ギャラガーのHPには最近の論文も掲載されており、趣旨は次の通り、台湾防衛で議会をリードする闘士が出現したことになる。
「アメリカは台湾をめぐる戦争で敗北する軌道にある。だが今からでも路線を見直せる。既存のすぐに手に入る軍事資源の分配を見直し、より効率的な計画を立て、
重要な同盟関係をうまく生かせば、アメリカは早ければ2020年代の半ばまでには、台湾をめぐる戦争を阻止し、必要であれば相手に勝利する能力を手に入れているはずだ。中国共産党の自制心や10年以上先にならなければ利用できない技術に賭けるのではなく、アメリカの議会と政府は、新たな太平洋防衛戦略を遂行しなければならない。「バトルフォース2025」を新たに構築すれば、アメリカとその同盟国は、中国の侵攻を短期的に抑止し、必要に応じて撃退できる」。
令和五年(2023)1月12日(木曜日)
通巻第7586号 <前日発行>
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
米連邦議会、下院議長選出でもたついたが、「中国問題特別委員会」を可決
台湾防衛の急先鋒、元海軍大佐のギャラガーが委員長就任
****************************************
米連邦議会下院は「米中戦略競争特別委員会」(中国問題特別委員会)設置を賛成365票、反対65票で可決した。超党派である。
初代委員長には共和党強硬派のマイク・ギャラガー議員が就任した。
「中国は大量虐殺を実行し続け、伝染病の発生源を隠蔽し、何千億もの米国の知的財産を盗み、台湾を脅かしている。私たちは真の侵略に対して前線を築く機会がきた」と持論を述べた。
マッカーシー議長選出で四日を空費した下院は1月9日、「米国と中国共産党との間の戦略的競争に関する特別委員会」設置を圧倒的多数で可決し、「米国に迫り来る脅威をもたらそうとする中国政府の取り組みに対抗する」とした。
同委員会は16人の委員で構成、マイク・ギャラガー(Mike Gallagher)が初代委員長を務める。ギャラガーは、米国上院外交委員会のスタッフ経験があり、現在、下院軍事委員会と下院情報委員会のメンバー。ウィスコンシン第八区で2016年以来、圧勝を続けており、民主党候補を寄せ付けない人気を誇る。
かれはプリンストン大学、ジョージタウン大学で博士号。論文は「トルーマン、アイゼンハワーと冷戦」だった。
海兵隊七年、イラク戦争にも参加し海軍大佐で退役。まだ38才の若さ。ギャラガーは中絶反対、性転換者の軍隊入隊拒否の考え方を持ち、また台湾防衛の急先鋒として知られる。
米国の公的年金基金が中国に投資すべきかどうか等を含めて中国投資そのものの問題点を検討するとした。
ギャラガーのHPには最近の論文も掲載されており、趣旨は次の通り、台湾防衛で議会をリードする闘士が出現したことになる。
「アメリカは台湾をめぐる戦争で敗北する軌道にある。だが今からでも路線を見直せる。既存のすぐに手に入る軍事資源の分配を見直し、より効率的な計画を立て、
重要な同盟関係をうまく生かせば、アメリカは早ければ2020年代の半ばまでには、台湾をめぐる戦争を阻止し、必要であれば相手に勝利する能力を手に入れているはずだ。中国共産党の自制心や10年以上先にならなければ利用できない技術に賭けるのではなく、アメリカの議会と政府は、新たな太平洋防衛戦略を遂行しなければならない。「バトルフォース2025」を新たに構築すれば、アメリカとその同盟国は、中国の侵攻を短期的に抑止し、必要に応じて撃退できる」。