フィンランド建築・デザイン雑記帳

森と湖の国、SUOMIのクリエーター達に想いをよせて....
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アールトの 「メゾン・カレ」 フィンランドの文化財団が4月末購入へ

2006年03月01日 | アルヴァ・アールト

【写真・撮影】 平山 達氏 (Photo: Susumu Hirayama)


アルヴァ・アールトが1950年代に設計したフランスの個人住宅「メゾン・カレ」 (Maison Carre) 。
フィンランド文化財団 (Kulttuurirahasto) が購入することになったと、2月28日付の新聞「ヘルシンギン・サノマット」(HELSINGIN SANOMAT) が伝えている。
2002年にルイ・カレ氏 (Louis Carre) の妻、オルガ・カレ夫人 (Olga Carre) が亡くなってからアールトの傑作 「メゾン・カレ」は売りに出されていたが、フィンランド側が購入することで決着した。
購入金額は、150万ユーロ (日本円約2億700万円)との事。
我々の感覚では、それは安い!! という値段では? とにかくアールトファンとしては一安心である。



【写真・撮影】 平山 達氏 (Photo: Susumu Hirayama)



以下、フィンランドの新聞 「ヘルシンギン・サノマット・国際版」の記事概略である。

フィンランド文化財団は、1950年代にフランスの美術商ルイ・カレ氏の為に、フィンランドの著名な建築家アルヴァ・アールトが設計した 「メゾン・カレ」と呼ばれる個人所有の住宅を購入することになった。
フィンランド文化財団事務総長 アンティ・アルヤヴァ氏 (Antti Arjava) は「最終的な契約は4月末に調印されるだろう」と述べた。

建物はフランス、パリ近郊 Houjarray村にある。
フィンランドの西海岸に位置するノールマルックの 「マイレア邸」と並んで 「メゾン・カレ」はアールトの設計した個人住宅の中でも最も重要な一つである。
住宅のインテリアもまたユニークで保存の状態も良い。 
アルテック社(artek)の製品も数多く使用されているが、照明器具や家具の中には一度も製品化されなかったものも含まれている。
建物の造作のいくつかはアールト夫人 エリッサ・アールト (Elissa Aalto) によってデザインされた。 
さらに、彼女は建築工事中、現場の監督をしたという (多くのフィンランドの職人がこの工事に参加した)。
1959年、ルイ・カレ氏はオルガ夫人と共に、この住宅に移り住んだ。 
1977年にルイ・カレ氏が亡くなり、2002年にオルガ夫人がなくなった後、売りに出されていた。
フィンランド文化財団は、既に2年前から購入の意向を管財人に申し出ていた。

管財人から示された価格は、当初350万ユーロ(日本円約4億7000万円)であったが、文化財団が購入した最終価格は150万ユーロ(日本円約2億700万円)である。
この建物は、フランスで1990年代に制定された厳しい保護規定の対象となるため、競売には他の入札者は現れなかったという。


Quoted from「Helsingin Sanomat 2006,03,01」
RANSKAは、フィンランド語でフランス、Pariisiはパリの事。


以上「ヘルシンギン・サノマット」からの記事概略
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我々の感覚からすると、あの名建築、あの広大な敷地が2億700万円!! それは安い! とビックリしてしまうのだが、フランスのとても厳しいと言われる保護法律の対象建築であることや、今後の莫大な維持費などを考えると他の入札者が現れなかったという件も、まあ納得・・・・メデタシである。

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多摩美術大学の平山 達氏のブログ「北欧建築ゼミ アアルト」に「メゾン・カレ」の貴重な写真が多数掲載されています。
他のアールト作品と共に是非ご覧下さい。


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