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フィンランド建築・デザイン雑記帳

「蝶々・CHO CHO」・「蝶・Perhonen」


Photos Quoted from 「CHO CHO」 homepage.


若者に人気のあるファッションデザイナー皆川明氏のブランドは 「ミナ・ペルホネン(minä perhonen)」である。
minäは、フィンランド語で 「私」、 perhonenは 「蝶」のことであるが、なぜフィンランド語なのだろうと思っていたら、友人がフィンランドには同じ蝶でも 「CHO CHO」というフィンランド人のブランドがあるよと教えてくれた。
「CHO CHO」は日本語の 「蝶々」のこと。

ロバニエミ出身の若手デザイナー キルシ・マリア・パイヴァニエミ (Kirsi-Maria Päiväniemi 1976年生)が2002年に発表したフレッシュなブランドだ。
そのコンセプトは 「誰にもつかまえられない魂、春の庭を自由に優雅に飛び回る蝶のようで、日々生まれ変わり、自分の人生をエンジョイする姿」をイメージしているという。
彼女のテキスタイルやバッグなどを見ると、どれも春の自然がイメージされるようでとてもすがすがしい。 
マリメッコ (marimekko) やヴオッコ (Vuokko) などのデザインとはチョット違う優しさが感じられる。

皆川明のテキスタイルには 「ヘルシンキ(Helsinki)」だとか 「プー(Puu=木という意味)」といったフィンランド語名のものがあるが、パイヴァニエミの作品には 「Osaka」とか 「Tokio」といった地名のバッグやテキスタイルがある・・・。

彼女が、なぜ 「蝶々」という日本の単語を自らのブランド名にしたのかは興味あるところだが、フィンランドでは時々、日本とまったく関係の無い店の名や商品名に日本の単語を冠したものを見ることがある。
同様に日本でも、街を歩いていて、明らかにフィンランド語から引用したと思われる店名や商品の名前を見かけることがある。 
近年、日本の町中に頻繁に現れるフィンランド語の単語や地名には、チョット嬉しいような、嬉しくないような複雑な気持ちになる。
この現象は、フィンランド語と日本語の語感が似ていることや、それぞれに良いイメージを持っていることによるのだろう。




僕がフィンランドに夢中だった1970年代、東京の麹町に 「キートス (kiitos, フィンランド語で”有難う”)」という喫茶店があった。 フィンランドに1年間ホームスティをされた山田さん兄弟の店で、フィンランドファンの間で話題になった。
当時、仲間たちが、フィンランド語からの店名や商品名をいろいろと探したが、ほとんど無かった。
東京では「キートス」の他に、もう1軒、KAHVILA「ラップランド LAPPLAND」という名前の喫茶店が足立区にあった。 そして、よく知られていたのは、京都でフィンランドの活動を主宰されていた坂田文保氏が経営していた「フィンランディア(FINLANDIA)」というフィンランド料理のレストランだった。






「CHO CHO」のロゴマーク

キルシ・マリア・パイヴァニエミは、1998年からラップランド大学 (University of Lapland) で美術を学び、在学中の2002年には最初の作品を発表し、期待と共にフィンランドのデザイン界に紹介された。
下の写真が、最初のバッグ作品で木のハンドルが付いている 「クラシック (Classic) 」と呼ばれるシリーズである。
テキスタイルやバッグは全てハンドプリントで材質は綿100%。





蝶のマークが入ったバッグ。








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