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【写真・撮影】 平山 達氏 (Photo : Susumu Hirayama)
再び、アルヴァ・アールトが設計したヘルシンキの 「エンソ・ビルディング」 外壁その2である。
建物の所有者であるストラ・エンソ社の大理石外壁についての考えを伝えた2005年3月16日の 「ヘルシンギン・サノマット」誌が、記事の中で、この件についての意見を広く市民から求めていたが、その結果を3月17日の同誌で報じている。
我々、アールトファンとしては、オリジナルの状態で残してほしいし、世界的な巨匠の作品ゆえ、現地でも当然そのような意見が大勢を占めているのではと思ったが、事情はそう簡単ではないようだ。読者から大理石外壁の保存について賛否両論が寄せられているという。
以下記事の概略である。
ストラ・エンソ社の計画はアルヴァ・アールトと外壁取り換え工事への批判を巻き起こしている。
ストラ・エンソ社が、ヘルシンキのマーケット・スクエア近くにある本社の大理石外壁を花崗岩へ取り替える計画があるという 「ヘルシンギン・サノマット」の報告に読者から賛否両論の意見が寄せられた。
いくらかの読者の意見は、国際的に著名な建築家アルヴァー・アールトは、明らかなデザインの失敗にもかかわらず、神の様な地位に祭られているというのである。
熱烈な保存への要望とは反対に、予想されていたことであるが、過激な意見もあった。
ある人は、建物の存在価値自体を否定した意見を述べ、ある人は周囲の環境にとけ込むような赤色の花崗岩かレンガのような外壁が良いと言う。
アルヴァ・アールト財団が主張する、建築家のオリジナルを変えるどんな変更にも反対するという主張にも批判が寄せられた。
その一方、オリジナルの白い大理石を他に変更することは、重大な文化的犯罪であると主張する意見も多く寄せられている。
「ヘルシンギン・サノマット」の 「エンソ・ビルデイング」外壁の報道記事は発表からだいぶ日にちがたってしまっている。
その後どの様な展開になったのか気になるところである。 ガンバレ保存派!
機会を見つけて又、報告したいと思う。
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【写真・撮影】 平山 達氏 (Photo : Susumu Hirayama)