フィンランド建築・デザイン雑記帳

森と湖の国、SUOMIのクリエーター達に想いをよせて....
チョット書き留めておきたいこと、昔の思い出・備忘録

切手に観る、フィンランドの「建築」や「デザイン」 フィンランドの切手はなぜあんなに美しいんだろう。

2006年01月18日 | 建築・デザインをテーマにした切手




フィンランドの友人達から届く郵便物の切手は、昔から美しいものが多く、そのほとんどを切り取ってコレクションしている。 
切手デザインのテーマは日本のものと同様ながら、そのどれもが美しい。 我々に嬉しいのは、「建築」や「デザイン」をテーマーにした切手が何枚も発行されていること。 
その中でも上に紹介した様々なデザイナーの作品をテーマとした切手は、その取り上げ方やグラフィックなど、大好きな切手シートの1枚。 
切手上の作品を見て、どこの製品か、誰がデザインしたのか分かりますか?

フィンランドの切手には「建築」や「デザイン」をテーマとしたものも多く、手元にあるものだけでも建築家シリーズ (カリ・ヤルヴィネンやレイマ・ピエティラなど6枚のシート)、 セビリア万博パビリオン(例のモナークの作品)、 アールトとフィンランディア・ホール、 テンペリアウキオ教会(岩の教会)、 サーリネンのヘルシンキ中央駅・・・などなど 追々紹介しましょう。

日本では昨年,郵政民営化が決まり、今その内容についての議論が活発だが、フィンランドの郵政は、10年ほど前に既に民営化し、成果を挙げている。
フィンランドで郵便制度がスタートしたのは1638年、スウェーデン、ロシア統治時代も含め367年の歴史がある。
1994年に国有の独立企業となり、1998年に郵便と電話が分離(電話は Sonera oy となる)。
そして2001年には完全な私企業 Finland Post Corporation, Suomen Posti Oy となった。フィンランドの郵政は完全民営化されてから、より魅力的に大きく変わったようだ。
そのあたりは、JDN (ジャパン・デザイン・ネット)、山下亜仁香さんによる海外リポート「スタイリッシュ・フィンランド」での 「
デザインは郵政を救うーフィンランドポスト&デザイン」 に詳しくリポートされている。

日本の切手にも美しいものが無いわけではないが、毎年クリスマスカードを出す頃になると選択に弱ってしまう。
浮世絵シリーズはそれなりに素晴らしいのだが、少々マンネリぎみ。
ところでわが国の切手デザインというのは、どんな仕組みになっているのだろうか? テーマは、グラフィックデザインは、デザイナーは、 どうやって決まるのだろうか?

切手のデザインは、国の通貨デザインと同様に時として国を代表する立場にある。
一昨年11月に発行された 「イサム・ノグチ」 の記念切手は「デザイナー」をテーマに取り上げた稀有な例として期待していたのだが、あのデザインセンスの無さは何なんだ !
2004年にアメリカで発行された イサム・ノグチの生誕100年記念切手のデザインとなんという差か。
フィンランドの切手で特筆するものは、記念切手にはどれも、その切手をデザインしたデザイナーの名前が入っていること。 
日本の記念切手にデザイナーの名前が載ることはない。 日本とフィンランドの切手デザインの仕組み、プロセスの差異を感じてしまう。

時折見かける気の無い切手デザインを観ると、世のデザイナーたちはなぜもっと発言しないのかと血圧が高くなる。
たまには「切手デザインコンペ」などしたらどうだ! と言いたくなるのだが、このあたり民営化後は変わっていくのか? 良いほうに期待しよう。


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