翡翠色 オパール色 風の声

おひとりさまの人生 感じて 考えて 味わって(?)
草花とメダカに癒され生きています

シネマ・パラディッソ2010-前期 勝手に金虎賞!! 

2011-02-03 | 本と映画と音楽とTV
さて、そろそろ米国アカデミー賞日本アカデミー賞の季節ですが、
私も自分が昨年観た映画で、思った事、よかった事、なんだかなー…だった事、
発表したいと思います。

名付けて   翠 映画祭 勝手に金虎賞発表!!

まっ、昨年末に発表したかったのですが、
あまりの数に、これを書くのを挫折しておりました。。。
先日のブログで27本と言っておりましたが、実際に書き出してみたら30本ありました。
どんだけ遊びほうけてる、いえ、映画好きなんだか!? 

いっぱいあるので、作品の内容より、感想中心です。
興味のある方は、作品のタイトルをクリックして、内容をチェックして下さいませ。


 のだめカンタービレ 最終楽章 前編

千秋先輩(玉木宏さん)のドアップを大きな画面で見たいと映画館へ。ニヤけっぱなしでした!
前年に見た「This is it」以来、音楽ものの映画は劇場の音響で聴きたいというのもありましたしね。
ただ、肝心の音楽には、モノローグがかぶり、やたらバラエティタレントばかりで、
全編ヨーロッパロケの映画の豪華感がマイナスされてしまって残念でした。
しかも、春に後編が公開される直前に、このほんどんの部分がTVで放映され、
せめて半額は返金して欲しいもんだと、思わないでも無く。。。


 母なる証明

キネマ旬報の外国映画2位を獲得し、これはハズレないだろうと、映画館に足を運びました。
これは、参った!というのが、率直な感想です。とても力強い作品です。
決して派手ではないのですが、脚本・演出・役者と3拍子揃って上出来。(お子様は禁)
相変わらずキムタクによく似ているウォン・ビン君。
でも、キムタクには、この役は出来ない! と言い切れる位、よい演技をしていました。
辛い時、心が楽になるツボが、太ももにあるらしいです。


 インビクタス/負けざる者たち

普通で考えたら、ラグビーものなんて、まず私の好みではないのですが、
南アフリカでアパルトヘイト(人種隔離政策)の撤廃を訴えた事で、
28年間も投獄されていたネルソン・マンデラ氏の人生を描いた作品と知り、
かつてサンシティ(金にあかせて運営していた白人専用リゾート施設)を
こきおろすArtists United Against Apartheidに熱くなった私には、
捨て置けないものでした。
負けざる者というより、負けない魂が、大きく世界を変えて行く・・・
キャストも、演出も、素晴らしい作品でした。
クリント・イーストウッド監督の作品はハズレがないですね。
マンデラ氏を演じるモーガン・フリーマン。
彼をキャスティングしたのは、マンデラ氏自身だそうです。やられました!



日本ではイマイチ盛り上がりませんでしたが、Artists United Against Apartheidの「サンシティ」は
USA for Africaの「We are the World」に匹敵するムーブメンだったかと。







 ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女

ポスターとタイトルの奇妙さで、敬遠されたかも知れませんが、(私もそうでした)
スウェーデンのミステリーの秀作です。原作の売り上げは2100万部って凄いでしょ!?
汚名を着せられた新聞記者が、天才的な記憶能力を持つ、入れ墨のある調査員と共に、
事件の裏に潜む真相を暴いて行くというストーリー。
性的に屈折した人物が出て来たり、キワもののシーンもありますが、面白さはお墨付きです。
この後、2と3が公開されましたが、残念ながら観に行けなかったので、
DVDレンタルは必至ですね。ハリウッドでリメイクもされるらしいです。


 フローズン・リバー

女性が主役で、こういうハードボイルドな感じ、なかなかないですね。
生活に困窮した女性2人が、凍り付いた国境の河を車で、密入者を運ぶというストーリーなのですが、
なぜそんな事をするのか、ドライに割り切って犯罪に手を染めても、その根底にある母親としての熱い心・・・
そういった物が上手に絡められていて、ハラハラドキドキの連続。
これを見終わった時の、充実感、ここ近年にない程でした。
映画って、こうじゃなくちゃいけませんね!
2008年のサンダンス映画祭のグランプリ受賞作でもありますが、非常によく出来た作品です。


 ハート・ロッカー

爆弾処理が任務であるからでしょうが、この作品はドンパチの連続もなく、
戦争の中に市民の日常があったりして、これがリアルな戦争の現場なのかと思うと、ぞっとしました。
主な登場人物のキャラクターは作品としてきちっと描かれていますが、
手持ちカメラで淡々と追っているので、主観よりは客観視線となり、
どうも感情移入がしにくいまま終わってしまいました。
いずれにしても、どうしてアメリカはイラクに侵攻しているのかの
背景の基礎知識を入れてから観た方がいい作品。
米国のアカデミー賞を獲得したと言うだけで、娯楽作品の感覚で観に行った方、
たぶんキツかったでしょうね。途中で離席する人の数、かなり多かったです。
どう考えても2009年のオスカーは「アバター」だったと思うんですけどねぇ。


 しあわせの隠れ場所

映画を観る時に、ああそうか、と気付かされるのが、宗教観です。
サンドラブロック演じる女性が、ホームレス同然の黒人青年を家に受け入れる。
それって、やはりキリスト教的精神がないと、できない事なんじゃないかと、
思いながら観ていました。
でも、感謝する心を忘れない事、人間性の良い面をひたすら観る事、
そんな主人公に、映画を見ているこちらの心が、どんどん温まっていきました。


 マイレージ、マイライフ

ひどい邦題が付いていますが、原題は、「UP IN THE AIR」(宙に浮いている)。
しがらみを背負わずに生きる主人公の人生そのものと、実際に米国を飛行機で飛び回る仕事の日常との、
両方の意味がテーマにかかっているんですよね。
人間関係が希薄になって行く現代社会を省みて、このような生き方は、果たして幸せなのか・・・
観ている側の価値観が問われる気がします。
浮き草的な私自身と重なる部分もあり、色々と考えるところが多かったです。
全編を流れる洒落た音楽、ビジネスマンを演じるジョージー・クルーニーの所作・・・
粋な作品でした。結構、好きかも、この映画。


 NINE

華やかで、おしゃれで、女性達の切なさに胸きゅんで、女子力が間違いなくUPした作品。
とにかく、この作品に出て来る女性達の、カッコいい事!
ベネロペ・クルスのヒップラインなんて、女の私でも、惚れ惚れしちゃいました。
画角の切り方が、とても上手く、1カット1カットが、とても芸術的なので、是非注目して頂きたいです。
男性が女性に求めるのは母性的な甘えさせてくれる愛?
女性が男性に求める愛は父性的な頼もしい愛?
男と女関係は、普遍のテーマですね。
女ゴコロがわからないと悩む男性にこそ、観て欲しい作品です!


 アリス・イン・ワンダーランド 3D

ティム・バートン監督の「ビッグ・フィッシュ」や「チャーリーとチョコレート工場」のカラフルさが3Dに!
・・と、予告編で見た鮮やかさに胸躍らせて期待して観に行ったのですが、画面が暗くてがっかり。。。
ちなみに六本木ヒルズの東宝ですが、噂によると映画館の方式によって、3Dは随分違うそうな。
もうひとつ言うと、この作品は2Dで撮ったのを、後から3Dに作り直しているのだとか。
そんな事、可能なんだろうか!?と思わないでもないですが・・・
ストーリーは、もう少しティム・バートン監督らしい風刺スパイスが欲しかったです。


 第9地区

全編エグいし、ゴミ溜の中みたいな映像の連続なのですが、そんな事を超越する面白さでした。
南アにやって来て、静止したままの巨大なUFOの中を観たら、栄養失調のエイリアンが沢山いた・・・
という設定からして奇想天外ですが、その後もどう展開するのかと、ワクワクし続けの2時間でした。
人道的な心を無くした人間と、人間よりよほど人間的なエイリアが交錯する、
アパルトヘイトのような第9地区。
ギャグからシリアスに変化していく展開も、ハラハラ!
「映画の面白くなる要素」をたっぷり盛り込んだ作品で、いい意味で予想を裏切られました!


 プレシャス

16歳のプレシャスは、身勝手な人々の犠牲者で、両親ですら、彼女に対して虐待の連続。
どうしていいかわからない・・・人生のどん底にいる人は、そんな気持ちに占められているのでしょうね。
それでもなんとか プレシャスが立ち上がれたのは、希望のわずかな光を空想し、
それを見つめ続けた彼女の心だと思います。
そして更に、彼女を強くする出来事が・・・ (ネタバレするので、伏せますが)
アメリカの下層部を描いていますが、いかにも実際にありそうで、心の痛みを感じながら観ました。


 オーケストラ!

今は落ちぶれ、演奏生活から逸脱したかつての指揮者や演奏家達が、
本物の一流楽団に成り済まして、パリで演奏を行うという、
冗談みたいな事を実現させてしまう楽しく、心温まる作品。
ちょっとわかりずらいロシア人気質。実はこうだったのか、と思わせるエピソードが満載。
映画館は満席で(久々に1時間並んで待ちました)、その後、人気のあまり、
随分公開館が増えていたようです。(もう少し待てば、並ばないで済んだのにぃ~!!)


 のだめカンタービレ 最終楽章 後編

「オーケストラ」を観た後に、これを観ると、つい比較せずにはいられないですが、
(はっきり言って、「オーケストラ」の方が10倍位うわ手!)
前編よりは、ずっとしっかりした映画館で観るにふさわしい仕上がりになっていました。
千秋先輩とのだめの関係も盛り上がり、大学のSオケメンバーやシュトレーゼマンも登場。
もしかして、この映画って、後編だけでよかったんじゃないか・・・と、
フジテレビにハメられた気がしないでもありません。
でも、やっぱりTVでやるまで待てないんですよねー、この作品。
最初のTVシリーズ、その後のスペシャル番組、映画と観て、すでに内容の前後が混線しております。


 トロッコ

撮影監督リー・ピンピンの名に惹かれて、(「ノルウェイの森」の撮影監督だとすでに判っていたので)
きっと瑞々しい映像にあふれている事を期待して観に行きました。
えー、役者さんたちは、皆、とても良いです。
ただ、その表情を活かしきれていいなかったように思えます。
演出力の問題か、撮影時の天気の問題か、映像も期待していた程の美しさも感じられませんでした。
ただ、かつて日本が台湾を統治していた時代の、彼らから見た日本への思いは、
私にとっては意外なもので、その事を知った事は収穫でしたかね。




        文字数の関係で、後期に続きます。
        コメントは、そちらへお願い致しますね


シネマ・パラディッソ2010-後期 勝手に金虎賞!!

2011-02-03 | 本と映画と音楽とTV
2010年に見た映画評の前期の続きです。



 セックス・アンド・ザ・シティ2

とにかくこれを観ている間は、楽しめるのは間違いないので、
早速、4人のごとく、闊歩して映画館へ。
内容は、ほとんどドゥバイ観光PRになっちゃっているのですが、
それでも、うなずける胸きゅんエピソードの数々や、うっとりするファッションの洪水。
ただ、この作品はNYに生きる人々を描く所に魅力があると思うので、
わざわざゴージャス感を出す為に、ドゥバイに行かないで欲しかったです。
TVシリーズが始まってから、随分時が経ち、女優さん達も貫禄が付いちゃいましたね。
もっと観たいですが、そろそろ打ち止めかも知れませんね。ちと寂しい。。。


 告白

これは凄い!! 中島哲也監督、素晴らしいです!!
「下妻物語」「嫌われ松子の一生」など、元々、独特の映像世界を作り上げられる、
日本には希少な監督なのですが、この凄いらしい原作(読んでないけど)を、
映画にする事によって、更にストーリー上手く畳み込み、昇華させていると思えます。
今年の日本アカデミー賞、これが穫らなかったら、何かの陰謀だと思っちゃいますね。
教え子の中学生の誰かに、自分の子供をプールで殺された復讐を、
淡々とした表情で進めて行く教師に松たか子さん。
上手い女優さんですが、松さんには母性を感じないので、このキャスティングが
よかったのかは、少々疑問を感じます。
現代日本の心の問題を縮図にしたようなこの作品、これこそ海外で公開して欲しいものです。


 借りぐらしのアリエッティ

家のどこかにひっそりとくらす小さな家族、ひょっとしたらうちにも・・と思うと、
楽しい気持ちになりますね。
映像の美しさと、キャラクター達の細やかで伸びやかな動きは、
さすがにジブリ作品という感じでした。
ただ、この作品が素晴らしく良くできているか、と言われると、
あれ、これで終わっちゃうの??と思う程、あっさりした結末です。
大抵のジブリ作品は、尻つぼみのような終わり方をする傾向にあると思うのは、私だけでしょうか。
前作のポニョが、飛び抜けて良かったせいもありますが・・・不完全燃焼気味。
ただ、樹木希林さん、竹下景子さんを、声優に起用した事で、
この作品がかなりグレードアップした事は、間違いないです。


 インセプション

ハリウッド大作にふさわしく、ディカプリオや渡辺謙さんなど、出演者も豪華ですが、
セットやCGも変化に富んで、お金をかけただけの効果がきちんと出ていた感じです。
映像もクールで、とてもセンスがいいです。
何より、これ、脚本がよく出来ているのに感心しました。
人間の深層心理の中に入って行って、他人の情報を盗み出したり、書き換えたりするという
村上春樹氏の「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」をパクったような
内容なのですが、その深層心理も階層があって、戻れなくなりそうになったり、
時間の経過の仕方が違っていたりと、仕掛けがいっぱいで、ホント、面白かったです。


 ソルト

とにかく、全編、ノンストップ・アクション・ムービーでした。
CIAの分析官のソルトが、ロシアのスパイ容疑をかけられるのですが、
これが実は、アメリカ側なのか、ロシア側なのか、度々のどんでん返しで、
気持ちいい緊張感でしたね。
しかし、前回観た「チェンジリング」とは一転、歯を剥き出してアクションしまくる
アンジェリーナ・ジョリーには、いささか面くらいました。
このアンジーは、ハンパないです。


 瞳の奥の秘密

アルゼンチン映画で、昨年の米国アカデミー賞の外国語作品賞です。
25年という時間の経過に対して、様々な「思い」のにじみ出し方が、
とてもよく描かれていて、厚みのある作品に仕上がっていました。
ミステリーでありながら、恋愛映画でもある・・・
こういう大人の鑑賞に堪えうる作品は、ありがたかったです。
ラストのオチには、うなりましたよ。


 悪人

予告編で「この役者さん、なんか見た事があるけど、誰だろう」と思わせる程、
妻夫木君は「いい人」モードをひっこめて、役にのめり込んでいるようでした。
モントリオール映画祭で主演女優賞を受賞した深津さんが注目されていますが、
これまでの軌跡を考えたら、大きな拍手は妻夫木君に贈りたいと思います。
今年の日本アカデミーの最優秀男優賞、あげたいなー。
脇を固める樹木希林さん、柄本明さん、岡田将生さん、これがまた素晴らしい!
刹那の愛に、自らの心の拠り所をみつける2人。
倫理的にはよくはないけど、理解は出来るその心情に、最後迄入り込んで観てしまいました。。


 ミックマック

この作品は「アメリ」を撮った監督さん。その映像のオシャレな事!
そうは見えないと思いますが、これは反戦映画なんです。
シリアスかつブラックなテーマを、個性的な面々がいたずらで反撃していく・・・
そりゃないだろうという事だらけなのですが、映画だからみんなアリ!
痛快で、楽しく、なかなか奥深い作品でありました。
やっぱり、フランス人って、センスがいいんだなぁ・・・


 彼女が消えた浜辺

私の人生初のイラン映画。ベルリン映画祭の銀熊賞です。
避暑にやって来た浜辺で、子供が行方不明になるのですが、
同時にたまたま誘われて参加した1人の女性も姿を消して・・・
その裏側に、イラン人の結婚制度や宗教観、家族同士の絆など、
とても綺麗に浮き彫りになっていて描かれており、
非常に興味深い内容でした。
イラン人の美しい笑顔、ビーチで楽しむ様は、
日本人とさして変わらない感じで、なんだか親しみを感じました。


 アイルトン・セナ ~音速の彼方へ

バブル期に、夢中になって観たF1のレース。
たぶんセナがいなかったら、あんなにのめり込まなかったと思います。
天才で、純粋で、美し過ぎるセナが命を落とすなんて、わかっていても、辛過ぎる結末。
最初から最後まで、胸をしめつけられっぱなしで、うるうる。。。
映画は主に、アラン・プロストとの確執を軸に描いているのですが、
プライベート映像もたっぷりと使われていて、
レースを離れた無防備なセナ、ブラジルを背負ったヒーローとしてのセナ、
恥ずかしながら、この映画を見て知った事が沢山ありました。
セナの見た、音速の世界がしっかり体感できますが、
よくぞこのプレッシャーの中で度々優勝したかと思うと、感無量です。


 ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1

出演者の面々が、どきっとする程大人になっていて、見ている方が
ちょっと照れてしまう感じでした。(特にロンがマッチョに!)
ホグワーズ魔法学校から、舞台は外に出ているので、軽く違和感がありましたが、
CGを駆使しての、ダイナミックな映像は、やはりハリーポッターの醍醐味ですね。
いよいよシリーズ最終章ですが、これ迄の様々な謎がまとまってきて、
比較的見やすい作品になっていたのではないでしょうか。part2が楽しみです。


 白いリボン

これね、カンヌ映画祭のパルムドールを獲得して、映画マニアには評価が高いのですが、
はっきり言って、見続けるのがしんどかったです。
モノクロの映像は、確かに芸術的で美しいのですが、字幕は白字なので読みづらいし、
翻訳も今ひとつ“こなれ”が悪く、ドイツ人の顔は区別がつきにくいし・・・
閉鎖的なドイツの村で起こった事件の「裏」というか根底に流れる規律や悪意、
わからないでもないですが、宗教観や時代背景をわかっていない私には高いハードルでした。
解説を読まなきゃ理解できない映画って、どうよ!?と、
根本的に「映画とはなんぞや!?」と考えさせられた作品でした。


 ノルウェイの森

これは先日のブログに、色々と書かせて頂いたのですが、
少し時間が経って思う事は、私には無理ですが、原作を読んでいない世界の大多数に向けたら、
案外悪くないのかもしれないと言う事です。
返す返すになりますが、あくまでもこれはトランアンユン監督のノルウェイの森ですね。



さて、あまり気の利いた感想文ではなかったですが、2010年を総括してみると、
度々思ったのは、「母性の強さ」を感じさせる作品が多かった事。

「母なる証明」「フローズン・リバー」「しあわせの隠れ場所」「プレシャス」「告白」
「彼女が消えた浜辺」と、母性なしには成立しない作品の数々。
「NINE」ですら主人公のグイドが、ソフィアローレン演じるお母さんを求めていましたしね。
今の時代で問われているものなのでしょうか・・・

そういえば、テレビドラマも「Mother」や「八月の蝉」など、母性がテーマでしたね。


もう一つの特徴は、上質なサスペンスやミステリーが多くて、とても楽しませてもらいました。
「母なる証明」「ミレニアム ドラゴンタトゥーの女」「フローズン・リバー」「告白」
「瞳の奥の秘密」「彼女が消えた浜辺」。ちょいズレますが「インセプション」「悪人」。
どれをとっても、当たり感がありますね。

まっ、「白いリボン」もミステリーですが。。。


さて、翠 映画祭の【勝手に金虎賞】ですが、


まず【映画館で観ま賞】です。
映像と音響が素晴らしく、今更ですが、家庭のTVでなく映画館で楽しんで欲しかった作品ですね。

これは「NINE」「インセプション」「告白」の3本に贈りたいと思います。


【優秀俳優&女優賞】は、
「悪人」の妻夫木聡君 、「母なる証明」のウォンビン君 
「第9地区」のシャルト・コプリーさん 、「NINE」の7人の女優陣 ・・かなー。
あと、「フローズン・リバー」のメリッサ・レオさんもよかった~!!



【最優秀作品賞=金虎賞】は、ノミネート作をまず5本。


「フローズンリバー」「NINE」「インセプション」「告白」「第9地区」が、特に面白かった印象が強いです。

あと、「母なる証明」「ミレニアム ドラゴンタトゥーの女」「インビクタス」
「瞳の奥の秘密」「アイルトンセナ」も捨てがたいものがありますけどねー。


1年を振り返ってみると、ああ、それも観てたんだ・・と思う事も結構あって、
印象に残っている作品、すっかりストーリーがあやふやになっている作品と両極で、
まぁ、そこで真価が問われる、という感じがしないでもありません。

えー、では、栄えある(?) 金虎賞は!!













   ドラムロール中~!!
















   発表いたします!!



2010年、翠映画祭、【勝手に金虎賞】は「フローズン・リバー」 に贈らせて頂きます!!

練りに練られた、完成度の高い作品だと思います。
この作品、実は世界中の映画祭の賞を総ナメにしているのですが、
サスペンスの組み立て方が、非常によくできていて、
意外性もあり、社会背景もきっちり描かれ、映像もダイナミック、役者さんもハマりで、
それらが集約されて大感動へ。各国で評価されたのも納得です。
前年に観た沢山の映画を合わせても、これが私のNo1!!
お気に入り映画として、殿堂入りです!!





で、【勝手に銀虎賞】は「NINE」に贈りたいと思います!

1カットたりとも、手を抜いていない、この凄さ!!
職人芸的に、素晴らしいカットの連続で、あっぱれ!!でした。

そして、この作品を観てらずっと、不思議な事に、外を歩いていると、
何度も何度もケイト・ハドソンが歌い踊る「シネマ・イタリアーノ」のシーンが、
頭に浮かぶんです。
この映画の中では、ケイト・ハドソンは、割と軽めな役なのですが、
この曲と彼女の姿のインパクトは大で、思い出すと、すっと背筋が伸びて、元気になるんです。
この作品で、「女性の美しさは、痩せている事じゃない」と、思い知らされました。
保存版にして何度も観たい、アンチエイジングのサプリメントのような作品です。





【翠映画祭 勝手に金虎賞】におつきあい下さり、ありがとうございました。
映画の楽しみ方は、人それぞれですし、違った感想もおありかと思います。

宗教観や人種問題がベースになっている作品は、日本人の私と異国の方々では、
感じ方も違うかと思いますので、色々と海外で賞を獲っているからと言って、
それを自分が楽しめるかは、まったく別問題だと、
「ハートロッカー」や「白いリボン」を観て、あらためて思い知った1年でもありました。


今年もすでに1ヶ月が過ぎ、3度、映画館に足を運びました。
「シチリア・シチリア」「バーレスク」「ソーシャル・ネットワーク」ですが、
すでにこの3本で、今年の金虎賞のノミネートを占めても良いくらいの、大当たりの作品でした。

また、来年の年始に。。。って、映画が公開されているうちに教えろ!!って!?
まっ、それはそうですよね。
実は、もっと沢山の人が読むと思われる、gooの映画サイトに感想文を書いてます。
なので、今回の半分位は、そこから引っ張りだして、改筆いたしました。
最初っから、これ全部なんて書けないですよ、さすがに。。。

では、今年もシネマ・パラディソ、存分に堪能したいと思います!!  










「ノルウェイの森」をめぐる話

2011-01-10 | 本と映画と音楽とTV
すでに10回以上、繰り返し読んだのは間違いない、村上春樹氏著の小説「ノルウェイの森」
読む度に、自分の心が透き通っていくような感覚を味わう
とても不思議な、とても大好きで、とても大切な小説です。



主な登場人物としては・・・

ワタナベトオル・・・様々な事に模索しながら大人になる途中の大学生。
直子・・・自殺してしまった高校時代のワタナベの親友の恋人で、心を病んで行く。
緑・・・・溌剌とした態度とは裏腹に、繊細な心を持つ、ワタナベの大学の同級生。

永沢さん・・・人生をちょっと嘗めてかかっているイケメンのエリート大学生。
ハツミさん・・傷つきながらも、なぜか永沢とつきあう、品のいい女子大生。

レイコさん・・・直子が心の病の為に入る山奥の施設のルームメイト、年上。

         ・・・というところ。



「ノルウェイの森」は春樹氏の代表作の如く言われている作品ですが、
実は、春樹氏の作品は、非現実的な世界と現実世界が交錯するような、
あえて言うならファンタジー小説(この言い方は好きでないけど)が大半を占めており、
リアル世界を描いた「ノルウェイの森」は、異色の作品であります。

だからこそ、映画化という運びになったのだと思いますが、
このニュースを聞いた時、嬉しいと言うより、恐ろしさを感じました。

だって、私の頭の中では、全ての人物の姿や声やシチュエーションが
しっかりと姿形を成して、出来上がってしまっているんですもの・・・

でも、この作品が映画化される以上は、どうしても観ずにはやり過ごせない。
それは致し方のない事でありました・・・


さて、映画「ノルウェイの森 」

結論から言ってしまうと、よくも、悪くも、トラン・アン・ユン監督の世界でした。

この監督、実は私は結構好きな監督でありまして、
とりあえず安っぽい作品には仕上げないだろうな、という安心感はありました。

そして確かに、美しい作品に仕上がっており、この点はOK。




ただ、決定的に問題なのは、キャスティング!!
男性陣は、まぁ、納得ですが、女性に関しては、全てミスキャストと言いたい!!

「直子」を演じた菊池凛子さん、演技力は確かにうなる程の上手さですが、
20歳の直子を演じるには、女として成熟し過ぎていますし、
はかなげなキャラクターを演じるには、元々の顔の造りがゴツ過ぎる気がします。

菊池凛子さんは、原作を読み、直子は自分そのものだと共感し、このオーディションに応募したそうですが、
当たり前です!

「ノルウェイの森」に、多くの人が惹かれるのは、
直子的なものと、緑的なものを、誰もが心に内包しているからだ
と、私は思うのです。

だから、彼女には手を挙げて欲しくなかったし、
菊池凛子さんを「違うかな」と思いながら、
「行ける」と結論を出したトラン・アン・ユン監督の功罪は大きいです。





もう1人の重要な人物「緑」を演じた水原希子さん。
発表になった時は、いい感じかなと思ったのですが、
実際の映画で見てみると、本来のキャラクターの溌剌さが、発揮されていませんでした。
おそらく、台詞のしゃべり方に自信がないので、響いてこないと言うか。
もしくは、監督の解釈として、こういうキャラにしてしまったか。
直子の「陰・死」と緑の「陽・生」の対比は、とても重要なのに、
対比というには、弱かったですね・・・大好きなキャラクターなのに、とても残念です。

また、日本人に見えないんですよね、彼女。
アンユン監督は、日本人キャストにこだわったと言っていましたが、
彼女は韓国とアメリカのハーフ。東南アジアっぽい顔立ちです。




もう1人、脇役のレイコさん。
これは役が合っているとか以前に、作品の中での立ち位置が描かれていない為、
なんだか唐突な存在になってしまっていました。
重要な役なのになぁ。。。


と、まぁ、ケチばかりを言って来ましたが、これはあくまでも、
私のイメージとの差ですけどね。


あの原作がびっちり頭に入っている身としては、シーンの展開が理解できる訳ですが、
その繋がりを絶えず、頭の中で考えながら見ているのも、
どうかと思わないでもありませんでした。

おそらく初めてこの作品に触れた人は、唐突感が否めないでしょうね。

シーンとシーンを繋ぐのに、ワタナベのモノローグを入れたら、
きっと上手く話が流れたと思うんですけどね。

このモノローグを入れない代わりに、どう考えても、
やめて欲しかった、とあるシーンが映像化されています。
これが何なのかは、原作を読んだ事がある人は想像がつくかも知れませんが・・・

あとは、トラン・アン・ユン監督のこれ迄の作品では、
濃厚な情念というか秘め事の世界を描いている事がほとんどなのですが、
「ノルウェイの森」に関しても、そこだけはしっかりフューチャーされており、
観終わった後の印象が、性愛の濃厚さやきわどい台詞ばかりが残ってしまうかも知れません。


じゃ、これが悪い映画かと言われれば、そんな事はないです。
トラン・アン・ユン監督だったからこそ、このレベルに仕上げられたのだと思います。

音楽の使い方も、とてもメリハリが聞いていて、美しくし上がっています。

松山ケンイチ君、玉山鉄二さん、いい感じにハマってました。




70年安保の時代の風景もくっきりと描かれ、
私より上の世代の方には、それだけで共感を呼ぶものではないかと思えました。

おそらく、この映画、20年前のブームの時に、原作を読んでそれっきり・・・
という人が、一番楽しめるのではないかと思えます。

間違っても、初デートで観るには濃厚な作品なので、ご注意下さいませ。



ちなみに、本家ビートルズの曲「ノルウェーの森」。
不思議な歌詞で、色々な解釈があるようですが、我が家にあるCDの訳詞には、

  ナンパした女の子の部屋に行き、ノルウェーの森みたいでしょと言われ、
  ワインを飲んだりして、いい感じになるが、
  朝目覚めたら、彼女はいなくて、部屋を燃やした・・だって、ノルウェーの森なんだろ、というオチ。

というような、オソロシイ歌詞になっています。
森ではなく、ノルウェー産の安物家具とか、そんな解釈もあるようですが。



さて、今年も映画三昧の日々、しっかり遂行して行きます。
昨年観た作品の総集編を書きたいと思いつつ、年を越してしまいました。
アカデミー賞も、まだだし、書こうかな・・・
ちなみに昨年映画館で観た映画、27本あります。。。

Stand by me ~ 10代は一生もの

2010-01-10 | 本と映画と音楽とTV
    
     


年明け早々に、仕事の出鼻をくじかれるような3連休。
どうも成人式は1月15日じゃないとピンとこない、昭和女の翠です。

昨年、ふと思った事なのですが、
今、私が好きな音楽、作家、そして何かと頼りにしている友人たち、
そのほとんどは、10代の頃に培ったものだなーと、言う事。

特によく会うのは、中学時代の友人が多いのですが、すでに付き合いは30年を越え、
もうここ迄来たら、間違いなく、彼らとは一生付き合って行くんだろうなー・・と、
このような友人を人生の中で得られたのは、なんとありがたい事かと、
友人たちと“運命”に、感謝せずにはいられません。

もちろん、社会に出てから出来た、親友と呼んでも差し支えない友人もいますが、
何と言うか、大人になってから出来た友人は、類は共を呼ぶというか、
似た境遇で、価値観が近しいから、考え方に共感しやすいし、
行動パターンも似ているから楽、というのが前提になっているように思います。

私の子供の頃は、私立の小学校や中学に進学する子は僅かで、
リッチな家の子も、そうでない子も、みんな同じ学校に通っていたので、
まわりの子の親の職業や地位なんて、考えた事もなかったし、
遊びに行っても、大きな家であろうが、公営住宅の2間住まいであろうが、
意識の中での差別は一切なかったように思います。
たまたま最初に座った席が近かったとか、偶然の理由で仲良くなった、
そういう事なんですよね。

「スタンド・バイ・ミー」という映画を観た時、大人であれば、
きっと友達にならなかったであろう、まったくタイプの違う子供達が、
仲間としてお互いを認識して、日々を過ごして行く・・・
これこそ、学生時代の友人のいい所だなと、認識したものでした。
だって、好き嫌いもなく、他人とつきあう事がなかったら、人間成長しないような気がして。


                    


それから、i-Podで良く聴く曲を考えてみて、苦笑。
その昔流行し、クイーン、イーグルス、エリック・クラプトン、サム・クック、
サイモン&ガーファンクル、柳ジョージ&レイニーウッド、矢沢永吉・・・すでに懐メロの域ですね。

あとは、かつてシングル盤を買って聴き込んでいた、
ランディ・ヴァン・ウォーマーの「アメリカン・モーニング」(原題は違います)、
カンサスの「すべては風の中に」、バグルスの「ラジオスターの悲劇」
スーパートランプの「ブレックファースト・イン・アメリカ」
クリストファー・クロスの「ニューヨーク・シティ・セレナーデ」
歌詞カードを読み込んで、歌ってみては、英語なんとかしようと苦戦いたしました。
今もよく聞きたくなり、You Tubeで探しては聴き入っております。


そして10代から今日まで、延々と絶え間なく聴き続けている山下達郎さん!

でも、山下達郎さんのアルバムで、どれを一番よく聞いているかと問われたら、
間違いなく、1978年発売の「IT'S A POPPIN' TIME」と答えるでしょう。
六本木PITT INでのライブを収録したものなのですが、JAZZYでシンプルで素晴らしい!
ちなみにキーボードは坂本龍一さん。これもすでに30年ものですね。

 DJ入り、これも名盤!→


それから間違いなく、日本音楽業界のエポックメイキングとなったと思う
1980年発売、1人アカペラの多重録音によるアルバム「ON THE STREET COUNER」
この発売から間もない頃、ニューヨークを初めて訪れ、
これまた発売早々のウォークマンで、マンハッタンを移動しながら聴いた時の感動!
「Remember me baby」最高でした。
間違いなく、この曲を聴きながらでなかったら、私にとってのニューヨークは、
ジャンキーや娼婦だらけの恐ろしい街で、終わってしまった事でしょう。

   
残念ながら、当時のレコードのジャケットとはデザインが違います


そんなこんなで、20歳あたりから成長していないのか、
いまだにその頃を引きづり続けてアラフィーとなったのですが、
あの時代に得た全てのものは、一生の宝物になっています。


                    


ちなみに、私の20歳の成人式には、親にあつらえてもらった緑色の振り袖に、
母の毛皮のショールを羽織り、明治神宮にお参りに出掛けました。
しかし、原宿駅前で待ち合わせをした当時のボーイフレンドは1時間遅刻。
携帯電話もない時代だったので、寒空の中、半べそで待っていましたっけ。
同級生の彼はバリバリのアイビー青年で、真っ赤のブレザーにレジメンタルのタイ。
目が大きく、ちょっとしたジャニーズ系の顔立ちだった彼は、凛々しいというより、
七五三のようで、怒る以前に、笑っちゃっいました。
今も手元に2Sの写真が残る、懐かしい思い出。
この彼は、残念ながら一生ものにはならなかったですけれど・・・

                    


今回のブログ、同世代じゃないと、なんだか訳のわからない話ばかりですよね。
まぁ、浮かれた10代でしたけど、なんとか今「大人」やっています。

     

実は、20歳前後、一番よく聴いていたのは、角松敏生さんじゃないかと思います。
この曲を聴きながら、みんなで夜中に湘南にドライブに行きましたっけ!
超懐かしい~、楽しかった思い出です。
アラフィーの皆さん、そんな時代じゃなかったですかね?


水曜 ロード 賞 前編

2009-12-24 | 本と映画と音楽とTV
振り返れば、今年も色んな事がありました。
仕事漬けの日々もあり、病におびえた日々もあり、身内のゴタゴタもあり、
とても大きかったのは、独りの時間が増えた事。

そうやって余裕が出来た割には、旅行に出掛けられる状況になく、
唯一の楽しみのように、度々映画館に足を運びました。

翠の持論では、映画はTVドラマとは違うテンポで作られていると思うので、
やはり映画館のあの空間の中で、集中して観るべきだと思っています。
その証拠に(?)、家で観ると、大抵の映画は、途中眠ってしまいます

東京の大きな映画館は、水曜はレディースデーで1000円で観られるので、
これが頻繁に観に行く、大きな理由でもありました。ホント、女に生まれてよかった、うふっ
あとは、インターネットで席が予約できるのは、非常にありがたい事です。

さて、そこで悩むのが、何を観に行くか!?
基本は、映画館で観るべき画像の迫力のあるものを、優先してチョイスします。
ネットの色々な評論なども参考にしますが、好みの問題もありますし、
それに沿わないで、なんとなく引き寄せられる感じで観に行く方が、
ハズレないというのが、今年の結論ですかね。

自分の記録としても残しておきたいので、簡単なコメントを付けました。
まったくの私の好みと、体調により途中で寝てしまった作品もあるので、
そこは割り引いて、ご参考までに。



 ベンジャミン・バトン 数奇な人生

老人が若くなって行く切ない話なのですが、主役のブラピ、特殊メイクの老人の姿で登場する時間が
ほとんどのせいか、若くなった時のイケメンぶり、その美貌は感動的でありました。
相手役のケイト・ブランシェットは、どうも「エリザベス」の怖いイメージが強くて、
もうちょっと母性を感じさせる女性が演じればよかったのになぁと思いました。
  

 チェンジリング

行方不明になった子供が発見されて帰って来たら、それは自分の子供じゃなかった、
という実在の事件を映画化したものです。
脚本も、実に良くできていて、とても見ごたえがありました。
これはアンジェリーナ・ジョリーは、可愛過ぎるかなと思いましたが、
体当たりの演技で、権力に立ち向かう母親の力強さを、
よくここまで演じたと見直したものでもありました。


 ミルク

これも実在人物の映画化。ゲイがものすごーく差別されていた1970年代に、政治家になる話。
昨年のアカデミー賞で、主演男優賞をショーン・ペンが獲りましたが、納得の上手さ。
天才ですね、彼は。これは、その演技力を観る映画であり、
1970年代という時代を生きて来た人が観ると、感慨深いかと思います。
しかし、こんなに主役に感情移入できなかった映画は初めてです。ゲイの世界、んー・・・ 
しかも、大昔の元彼と観に行ってしまい、後の話に困りましたっけ。


 スラムドッグ$ミリオネア

アカデミー賞作品ですが、風邪薬を飲んで行ったせいか、途中、一瞬してしまいました。
登場する子供は本当に可愛かったですけど、期待し過ぎていた感もあり、
もう少し、ストーリーに、ひねりと言うか、はっとするようなどんでん返しが欲しかったかな。
ちゃんと観ていないので、語る資格はないですが・・・
そのうちTVで放送されると思うので、しっかり観ます。
シリアスな作品の最後に、みんなでマハラジャ踊りをしちゃうところ、さすがマサラムービー!と苦笑。


 グラン・トリノ

決して大作ではないのですが、いい作品でしたね。
女性よりも、男性が観ると、男惚れするんじゃないでしょうか。
クリント・イーストウッド、ご高齢ではありますが、まぁ格好のいい事!

偏屈じいさんの心中にある寂しさと優しさ、そして人種以前の人間愛。
エンドロールでは、映画館のあちこちで、すすり泣く声が聞こえました。
このエンディングの曲、思い出しただけで胸が熱くかります。


 天使と悪魔

ダヴィンチ・コードのシリーズ第2弾ですが、こちらの方が、判りやすいです。
ヴァチカンを舞台に、イタリアの街の歴史の重さの醸し出す、神々しい雰囲気。
現地で許可を取ったのか、セットを作ったのか、いずれにしてもゴージャスな映像でした。

「神」の領域までも踏み込もうとする「科学」という権力、
突き詰めた時に、あらぬ方向に走ってしまう「宗教」の恐ろしさ、
私の心のしこりにもなっている「宗教」のマイナス面への懸念を、
たっぷり描いてくれた作品でした。
以前観た、「薔薇の名前」という映画の事、ちょっと思い出しました。


 レスラー

これね、すごくいい映画だと思うのですが、まわりの席はお兄さんばかりで満席。
なぜレディースデーに!?と思ったら、映画の日で、男性も1000円だったのです。
そんな中、私はすごく浮いていたと思われ、その上、度々こっくり、こっくり。
後ろの席の人には、なんだコイツと思われていたに違いありません。

かつてのセクシー男優の代表だったミッキー・ローク。
ずーっと観ていても、その人がミッキー・ローク本人とは思えぬ変貌ぶりでした。
老いたレスラーの哀愁は、そのままミッキー・ローク自身と重なり、切なかったです。


 G.I.ジョー

仕事や色んな事で精神的に煮詰まっていた時期で、頭をからっぽにできる痛快な作品が
観たいと思ったら、やっていたのがこれでした。
ストーリーは、すでにほとんど記憶にありませんが、確かに観たら頭がすっきりしました。
いかにも外国人が描く、うさんくさい日本の街が出て来て、笑えます。
イ・ビョンホンが忍者っぽいテロリストで出て来ます。


 プール

「かもめ食堂」「めがね」を観て、いいなと思った方には、オススメです。
静かで、優しくて、心のどこかをノックされるような作品。
どの作品でもそうですが、もたいまさこさんって、本当にいい女優さんだと思います。
彼女が何かを言うと、不安が消えて行くというか。不思議な存在ですね。


 私の中のあなた

白血病の娘(姉)のドナーが欲しくて生まれた子供(妹)。
よかれと思ってする事も、それが受け取る側の大きな心の負担になっている事。
親の愛、子供の愛、姉妹の愛、異性の愛、そして抗いきれない病。
今年、私の周辺でおこった様々な事とリンクして、色々と考えさせられました。
けなげな少女の心に、何度もウルウル。。。


・・・と、ここで文字数が一杯になってしまったので、後編に続きます 
   コメントも後編の方にお願いしまーす!

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