翡翠色 オパール色 風の声

おひとりさまの人生 感じて 考えて 味わって(?)
草花とメダカに癒され生きています

心の闇からの脱出

2008-09-07 | 本と映画と音楽とTV
以前から、ずっと見に行きたいと思っていた映画を、やっと見て来ました。
日本映画を、映画館で見るのは、随分久しぶりのような。
でも、これ、予告を見て以来、絶対に見に行かなきゃと、
心をわしづかみにされてしまっていたので、とにかく行けてよかったです。


     click  闇の子供たち


なんというか・・・

ある程度の予測をして行ったものの、遥かにすごい映画でした。


子供の人身売買、臓器売買、児童買春、あってはならぬ事ですが、
これはつくり話ではないからこそ、生まれた映画なのでしょう。

人の心の汚い所を汚く、エグイところはエグく、きっちり描かれた作品です。
まったくヤワじゃない。

原作は梁石日さん。
簡単ではなかったであろう、この作品を映画化された方々に、拍手を送りたいです。

ぜひご覧になる事をオススメ致します。
  (PG12指定映画なので、この先、ノーカットでTVでの放送はないと思います)


役者さん達も、この作品に惚れ込んで、出ずにはいられなかったという印象。

特に、主役の江口洋介さん、体当たりで演じられている感じ、ものすごく伝わって来ました。
もうちょっとワイルドな方を、キャスティングした方がハマったとも思うけど、
江口さんのがんばりで、この作品が骨太になった事は確かです。

タイで撮影する時間が、どこにこんなにあったのかと思った、宮崎あおいちゃん。
今年の日本アカデミー助演女優賞、受賞してもおかしくないと思う位、光る演技でした。

あと、タイ人の役者さん達、これまたいい味だしておりました。
このキャスティングは、素晴らしい!

何より、タイの子供達・・・どんな気持ちで、その役を理解して、演じたのか・・・
考えるだけで心が痛みます。


映画が終わって、よろけながら立ち上がり、暫く呼吸がうまくできませんでした。
すぐに電車にも乗れず、カフェで一呼吸。
まわりが違って目に映り、きっと怖い顔して、宙を見つめていたと思います。


   


世の中、色んな性癖の人、いると思います。
心の闇、心の歪みが、性癖に変わるようにも思います。
それは人間である以上、仕方の無い事かもしれません。

でも、その性癖の欲望を、合意しない相手に力ずくでする事、ましてやお金で強要する事は、
人間として、最低の行為だと言いたい。


援助交際だってそうです。
女子高生だって、お金欲しさに、やっている事。
分別なんて、あるようで、まだないと思います。
SEXしなけりゃ、いいってもんでもないでしょ。


需要と供給。
オトナの理性が思いとどまれば、コドモ達がお金で性を売る事も無くなる筈。


秋葉原の通りに並ぶ、挑発的なポーズの、美少女アニメや、そのフィギュア。
妄想の世界に浸り込んで、現実の女性と話す事さえしないオトコたち。
そんな風にアニメに培養されたオトコたちが、現実の女性を前に何をやらかすか・・・

生身のオンナは、アニメと違いますよ。
アニメの世界みたいには、行きませんよ。
それがリアルと勘違いしちゃいけませんよ。
相手には、心も、生身の身体もあるのですから。
SEXは、命を繋ぐ、もっと崇高なものの筈。


バーチャルの世界に生きてしまっている人が、日本に増えすぎているように思うのは、私だけでしょうか?
それが多くの社会問題を生み出しているような気がしてなりません。
もっと、現実と向き合う必要性、真剣に考えた方がいいと思います。

簡単な事ではないかも知れないが、
自分に甘えず、まわりのせいにせず、心の闇から抜け出す努力をして欲しい・・・

男の人だけじゃなく、女性も、そしてPCの前に座り続けている私も含め。


大人のおごり、日本人のおごり、人間のおごり、生命の尊厳、
この映画を見て、色んな事を考え、色んな怒りがこみ上げました。


そんな矢先に、このニュース・・・

74か国が児童ポルノ一斉摘発、国内の数人を強制捜査へ(読売新聞) - goo ニュース


こんな気分です。 


everybody goes



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追記・・・ひど過ぎる!! 誰か、どうにかして!!

「私の娘を100ウォンで売ります」 脱北作家、飢餓の惨状を詩集に(産経新聞) - goo ニュース


「ノルウェイの森」映画化

2008-08-02 | 本と映画と音楽とTV
昨日、動揺するようなニュースを耳にしました。
~村上春樹「ノルウェイの森」が映画化~・・・だそうです。
このニュースを聞いて、よく春樹さんがOKしたというのが、何よりも驚きでした。


実のところ、私は「ハルキスト」を公言して憚らない、村上春樹氏の作品のファンであります。
ハードカバーを新刊で買う、唯一の作家さん。一晩中でも語ります!


村上作品には、どれも思い入れがありますが、「ノルウェイの森」は、私の中では特別な1作。
最初はあのブームの時に、母が買ったハードカバーを借りて読み、
その後、また読み返したくなり、文庫本を買い、たぶん10回以上読み返していると思います。
読む度に、心が透き通って行く感覚は、他のどんな小説でもない事なんです。
(母は、よくわからない話と、すぐに投げ出していました。村上作品に対して、良く聞く感想。)

そして、パートナーTちゃんと、付き合うようになったのも、村上ファンという共通点があったからです。
それから、私のハンドルネーム“翠”も「ノルウェイの森」に登場する“緑”ちゃんのように
なりたいと思って、つけた名前なんですよ。
とてもとても重要な作品「ノルウェイの森」。




さて「トニー滝谷」など、これまでいくつかの村上作品が映像化されましたが、
小説を読んで頭の中でイメージが出来上がった作品は、
映像になると違和感が先に立ち、「どうも違うなぁ・・」と、
映画としての出来・不出来にかかわらず、あまり良い評価が下せません。

今回の映画はどうなる事かと思いますが、せめてもの救いは、
ベトナム人のお気に入りの監督トラン・アン・ユン氏が撮るという事です。
代表作は「夏至」「青いパパイヤの香り」といった、非常に美しい瑞々しさのある作品を作り上げていて、
クリストファー・ドイルという「花様年華」でスタイリッシュな映像を作り上げたカメラマンとも
組んだりしているので、辛うじてイケそうな気もします。

問題はキャスティングですね。
フジテレビが一枚噛んでいるのが、心配材料。
実は、キムタクがユン監督の最新作に出演したと言っていたので、これはかなり危険だと踏んでいます。
彼は、まったく小説のイメージ外 ! 
あまり線の細い2枚目より、普通っぽい感じがいいんですけどね。


勝手にキャスティングを考えてみると・・・

 ☆主人公のワタナベくんには、若い頃の筒井道隆さん。今なら松山ケンイチくんあたり!?

 ☆心を病んでしまう直子ちゃんには、・・・うーん・・・
  透き通るように繊細できれいな子・・・若い頃の宮沢りえちゃん!?
  新垣結衣ちゃんは健康的過ぎるかなぁ・・

 ☆トオルくんの心の支えの緑ちゃんには、宮崎あおいちゃんかな!? 5年前の柴崎コウさん!?

 ☆施設仲間のレイコさんには、絶対的に若い頃の石田あゆみさん。

みんな「若い頃の」という但し書きがついてちゃ、どうしようもないですよね。
実際はオーディションで決めるそうです。
日本というより、世界に向けての製作でしょうから、
日本での知名度はあまり関係ないのかもしれませんね。

楽しみのような、がっかりのような映画化。
まずはキャスティングに注目です。
どうか、作品のイメージが壊れませんように・・・

春樹氏本人は、かなりの長編小説を執筆中だそうで、心から完成を楽しみにしています。

 

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ひと時の非現実世界 夏の邸宅へ

2008-07-22 | 本と映画と音楽とTV
暑い暑い連休の日曜日、Tちゃんと自転車で東京都庭園美術館へ出かけました。

庭園美術館は、旧朝香宮邸をそのまま美術館にしたもので、
私の大好きなルネ・ラリックを始め、アールデコを代表する作家達が建築に携わった、
とてもステキな場所です。



ドラマに出てきそうな表玄関


私達が見に行ったのは、舟越桂さんの「夏の邸宅」と名うたれた展覧会。
舟越さんの作品は、「永遠の仔」の表紙で、ごらんになっている方も多いかと思いますが
実際にその作品に向き合うと、それは不思議な不思議な世界です。


(館内は撮影禁止の為、チラシをカメラで撮っていますので、画質の悪さはご容赦下さい)
「言葉をつかむ手」


 「雪の上の影」


 「森へ行く日」


 「戦争を見るスフィンクス」


きれいな画質の作品はこちらでご覧いただけます  舟越桂 夏の邸宅 HP



美術館を一回りした後、入り口近くの大きなソファーに座り、
正面にある「森に浮くスフィンクス」という作品をしばらく眺めていました。


舟越さんの感性、どんな精神状態が、この作品達を生み出していったのでしょうか・・・



基本的に、木の彫刻に彩色を施し、パーツに皮や大理石を使っているのですが、
その表情が独特で、少し恐ろしくさえ感じました。
同じ作品でも、デッサンは優しい表情なのに、彫刻になると、怖い顔になる。
無表情ではなく、確かに表情があるのですが、
笑顔でない事が、こんなにも人を不安な精神状態にするのだと思いました。

柔らかい彩色、なまめかしい両性具有の肉体、
どこか焦点があわないような冷んやりとした目。
ポーカーフェイスの下に隠された
複雑な精神のようなものを誰もが持っている・・
そんなメッセージを感じた展覧会でした。


ひと時の、非現実空間・・・





 マヌケなオマケ (静謐なアートにそぐわぬこぼれ話)

今回の展覧会には、ドレスコード割引というのがあり、
舟越さんの木彫にちなんで「木から生まれたもの」を身につけていくと、
入場料が200円割引になるとの事でした。

出がけに、Tちゃんにそう言われ、この夏買った大ぶりなネックレスに
木の素材が使われていたので、私はそれを身につけました。
しかし、Tちゃんは、手頃な物が見つからず、そこいら中を物色。
そして、自分が南の島のお土産に買って来たウチワを発見して、
それをリュックに入れ、美術館到着するやいなや、
まるで身につけてきたかのように、腰から下げました。

チケット売り場の窓口で、私がネックレスを提示すると、
Tちゃんは、横からウチワを張り切って提示していました。
売り場の人の苦笑、私、ちょっとハズカシカッタです・・・


このウチワを腰らか下げたんですよ、まったく


愛しの '70 ニューミュージック!

2008-07-04 | 本と映画と音楽とTV
帰り道、暑さに辟易としている紫陽花。素敵な色に思わずパチリ!

           


今日の東京は、一気に日差しが強まりましたね。

昼に外に出たら、陽炎がたちそうな熱さで、ふとある曲が頭に浮かびました。
山下達郎さんの「夏の陽」。(1976年のソロ・デビューアルビムに収録)

言葉を尽くしても、その曲の素晴らしさは、伝えられませんが、
例えて言うなら、冬の「クリスマス・イブ」に匹敵する夏の名曲です。
コーラスでハモるところが、夏の陽のキラキラするところを上手くアレンジで表現していて
とても素敵な曲なんです。

しかし、私の手元には、古いカセットテープしかなく、しばらく前にカセットデッキも壊れ、
10代の頃聞いていた曲は、みんな聞く術が無くなってしまいました。

Amazonで達郎さんのCDを見る度に、欲しい、欲しい、欲しいの~!! と、思いは募り、
「大人買い」というイマドキの言葉が頭をもたげ、
もう、自分の楽しみの為に、その位使ったって、いいじゃない・・・そんな囁きが聞こえ続けます。


そして、今日の暑さにうなされ、それは決行されたのでした!


しかし、「大人買い」ではなく「大人借り」

レンタルのTSUTAYAが半額セールが今日迄だったのを思い出し、行ってみたら、
欲しいアルバムが“ぞろっと”私を待っていてくれました。 (・・・なんて思い込みの強いヤツ!)
そして、CD8枚を借りました。合計1280円也。それでも、ちょっと豪遊気分!



     心の底から、嬉しいですぅ~!  


初期の頃の達郎さんの曲は、JAZZYなアレンジが多く、
最近の曲よりも、ずっと大人っぽい感じがして、夜に聞くととってもいいんですよね。
特に、ライブアルバムの「IT'S A POPPIN' TIME」('78)は、秀逸ですヨ。キーボードは坂本龍一教授。



私の幼少から学生時代、フォークがニューミュージックになり、
いつのまにか J-POPというカテゴリーになりましたが、
私にとっての達郎さんや、ユーミンや、サザンは、いつまでもニューミュージックなんですよね。
きっと、40代位の方なら、同じような思いをお持ちなのではないですか?

振り返ってみると、10代の頃から今日迄、新譜をチェックし続けるのは、達郎さんが唯一のアーティストとなっていました。
日曜に家にいると、達郎さんのラジオ番組は、必ず聞いています。
色褪せないアーティスト、やっぱり凄い人なんだなーと、しみじみ思います。

My best は「Your Eyes」です。

音楽業界にいる友人に言わせると
「ユーミンはもうCDを出してもあまり売れないけど、サザンは廃れる事なく売れ続ける凄いミュージシャン」
との事。達郎さんは、滅多にアルバムを出さないですが、間違いなく売れ続けていると思います。

ニューミュージックの時代から、もう20数年。
桑田さんは、なんとなく三波春夫さんのようになってきて、
ユーミンは、美空ひばりさんのようになってきた気がします。 大御所さん・・・

昨夏、ユーミンのシャングリラという、サーカスとシクナイズドスイミングをコラボさせたステージを観ましたが、
ドレス姿のユーミンは、間違いなくひばりさんの貫禄でした。(リンク先の写真参照)

私が高校生の頃、サザンのメンバーは、そこそこ売れ出していたのに、よく下北沢でナンパしてた姿を思い出します。

時の流れを感じますねぇ。。。

達郎さんには、素敵な曲をいつまでも聞かせて欲しいなぁ。
ちゃんと新譜は買いますからぁ~!


あっ、8枚のCDを借りたと言って、上の写真には7枚しか写っていませんでしたね。
あとの1枚は、これです。


               





ちょっと恥ずかしながらで借りました。。。
旭化成のCMで流れている「さよならの向こう側」が聞きたくて。
実は、宇崎竜童さんの曲と阿木曜子さんの歌詞も大好きなのです。えへへ。


※ ※ 注 意 ※ ※

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