JASAファームでの出来事

(社)日本動物支援協会(JASA)=Japan Animal support Association=

馬の歯医者さん

2013-09-28 | 日記
ノーマンの歯を削っています。



口を開けられ…やすりを突っ込まれ…ギコギコ?ズリズリ?されるノーマン。

自分だったらどうだろう?
…想像してください。

イヤですよね~

ハイ、ノーマンも嫌がります。なので、鎮静剤を打って、暴れないようにしてあります。
が…なんだかあまり効いてないみたいです。結構抵抗しました。


人間は、食べ物を“噛んで”食べますが、馬は“すり潰して”食べます。
8の字を描くように上の歯と下の歯を擦り合わせるのですが、歯が伸びてくるサイドが尖った形になってしまいます。
馬の歯の噛みあわせの構造上、上の歯の外側と下の歯の内側が尖ってしまうことがあるのです。

そうなると、口の中を傷つけてしまい、食欲がなくなったり、ハミがあたり、嫌がったりすることがあります。



「ハミ受けがあまり上手ではない」(ちょっと馬術の専門的なことです)とか「エサの食いが悪くなった…」というのは、このためです。

歯が尖って、気になる部分があれば、食べないようになっていきます…。
想像できますよね。

酷いケースになると人間のように“噛む”ような仕草で食べるようになってしまうことがあります。顎の関節が正常ではなくなってしまうそうです。健常な歯であれば、よく“すり潰せ”ますので、消化を助けることになり、栄養の吸収面も良いのだそうです!

というわけで…ギコギコ?ズリズリ?しました!


結構な重労働?でPON獣医も疲れております…



こういう開口器があるといいんです…



噛んで食べる人間。すり潰して食べる馬。大きな違いがありますね。


ちなみに、歯に神経も通っていますので、削り過ぎれば痛みも感じます。
ただし通常はそこまで削ることはあまりないので、痛みは感じることは、まずありません!


ありがとうございました。

あた