JDS日本ダウン症協会 大阪支部からのお知らせ

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村上喜美子さんが講演 支部総会の記念講演会

2015年05月29日 | 勉強会/講演会

 昨年、NHKハート展に入選した村上有香さん(15)の母・村上喜美子さんの講演が、5月24日開催されました。手作り教材についてや、実際に詩が書けるようになるまで、詩吟の効果など、これまでの成長記録を動画で振り返りながら、有香さんの語りも交えての講演でした。詩を通して、ともに暮らす親にさえ分からなかった、豊かで美しい世界が内面にあることを語りました。

 村上喜美子さんの講演「娘の成長記録:YUKAのおもちゃ箱を通して伝えたいこと」は、JDS大阪支部総会の記念講演会として、5月24日(日)、大阪府社会福祉協議会で開催されました。


 お菓子の容器やペットボトルのキャップ、CDケースなど身近にある素材で作られた色とりどりの教材が並べられた会場での講演会。はじめにダウン症のある村上有香さん(15)の自己紹介があり、母・喜美子さんから、日々の生活や言葉がけで大切にしていることなどが話されました。

《手作り教材について》
 有香さんが通っていた療育教室がきっかけで教材を作り始め、先生のアドバイスで更に工夫を凝らしていきました。制作に夢中になることで、自身も前向きな気持ちでいられました。成長するにつれて数字の概念を理解することが、いかに生活と密接にかかわっているか、それを理解して使えるようにするために、教材で遊びながら勉強の要素を取り入れてきました。一方で算数などの学習は、教えるタイミングが分かっている専門家にまかせることの大切さも話しました。

《詩が書けるようになるまで》
 小学校2年生から絵日記を日課としました。当初は「楽しかった」「嬉しかった」と同じ言葉が続くなか、専門家からの「身近なものをタイトルにすると良い」とのアドバイスで、タイトルを決めることに。たとえば犬の「こうちゃん」、「赤ちゃん」など。これにより有香さんから生き生きとした言葉があふれてきました。
 母・喜美子さんも気付かなかった有香さんの豊かな内面に出会います。まわりの同級生からも詩についての感想が寄せられ、詩を通しての交流が生まれます。そのことが有香さんの自信のみなもととなっていったことを、入選作品や有香さんの朗読、テレビ出演の際の映像も交えながら解説されました。

《詩吟の効果について》
 小学校5年生から始めた詩吟により、発声、発音の基本練習を積んできました。しっかりとした口の形をつくること、口を閉じること、お腹から声を出すことが身につきました。ただし発音練習はコミュニケーションを楽しめるようになってから始めたほうが良いそうです。有香さんが実際に朗々と詩吟を披露すると参加者から拍手がわきました。


 最後に会場から質問が寄せられたあと、母・喜美子さんから手作り教材についての説明がありました。
 講演会が終わって参加した人達は教材を手にしたり、喜美子さんに作り方を聞いたりしていました。
 大東市から参加した4歳のダウン症児の母親は、「YUKAさんのホームページを以前から見ていた。とても興味があって参加しました。」「実際に手に取り、話を聞くことで娘の今後がイメージできた。特に有香さんの明朗な話し方に引き込まれました」と話していました。



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