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宮田 八郎 (著)とありますが,氏は2018年に伊豆の海にてシーカヤックで遭難されており,この作品は,宮田氏が生前に書き溜めておいた原稿をまとめて発刊した遺稿集です。
ブックカバーの折り返しに,作品の概要が以下のように記載されています。
「山岳遭難の現場ではいったい何が起きているのか。長年、穂高岳山荘を基点に、遭難救助の最前線で活躍し続けてきた宮田八郎が、山岳レスキューの実態をつぶさに紹介する。霧の中の危機一髪のヘリ・レスキューなど、心に残る救助体験のほか、登山者に向けた厳しくも暖かいメッセージが綴られている。穂高を愛し、仲間とともに多くの遭難者を救った穂高岳山荘元支配人・宮田八郎の遺稿集。」
宮田氏と言えば,山岳漫画「岳—-ガク—-」に“宮川三郎”として登場していますね。
この作品を読んでいると,その姿が思い浮かんできます。
しかし,本書では実際に山で起こる出来事の厳しさ,そして彼の捜索に向かう真に迫る姿が描かれています。
彼は「判断力」「決断力」の大切さを文中で語っていますが,それは山だけでなくどんな仕事でも必要であり,それができる人こそ真のリーダーだと言えるでしょう。
ボクもそう思いながら仕事をしてきましたが,なかなか難しいことですよね。
彼の緊急時の決断力には敬服しました。
宮田氏は学生の頃から穂高を訪れており,1991年に穂高岳山荘スタッフとなって,1994年~2006年まで支配人を務めます。
小屋番を務める傍ら,2001年には映像制作会社ハチプロダクションを設立し,山岳映像を撮り続けて,穂高の四季の表情を数多くの作品に残しましたが,冒頭に記載した通り,2018年4月5日に南伊豆にてシーカヤック中に落命しました。
享年52でした。
改めてご冥福をお祈りいたします。