謎の校務員、人生先生が高校生の相談にのるスタイルで綴られていく、本当に今どきの高校生の悩みでもあり、今を生きる私達の悩みに答えていく作品です。
恋と愛の違いは?
運を上げる方法とは?
幸せになる方法とは?
生きる意味とは?
考えてみると全くわからない、もしくは少しは考えたことはあるけど深くは考えたことはない、何なら考えても答えを出したことはないことに人生先生が答えてくれます。
今、人生先生が答えてくれると書きましたが、少し語弊があります。
答えはそれなりに教えてくれますが、基本的には自分で考えていくスタイルで、人生先生が出した答えが全てではないのです。
でも、人生先生が出した答えで良いんじゃね?と思ったりします。
それくらい、良い答えを出してくれる上、生きるために必要なもの、それがビオトープであり、それを作り上げることもまさにビオトープということなんだろうなと思いました。
今作の高校生たちの共通というか、いわゆる通常の高校生は衣食住が確実に保障されている高校生であるということをまずは忘れてはいけないのかなと思いました。
世界を見ると戦争をやっていて明日どころか1時間後の自分が生きているかどうかすらわからない境遇の子供たちもいるし、学校にも行けない、今日を生きるために食べるために働かないといけない日本の高校生と同じくらいの年の子がいっぱいいる。
つまり、世界を見渡せば、衣食住や基本的に恵まれている日本の高校生たちの悩みというのは贅沢でちっぽけかもしれない。
また、私達はネットで簡単に調べられるはずの世界の国の暮らし、例えば日本よりも発展していると思うアメリカなどの国の生活を調べようとはしない人が多いと思います。
なんだかんだで、今の暮らしには満足すらしているかもしれないはずなのに、悩みが尽きないし、なぜか他国よりも同じ国の他人と比べがちなんだなと思いました。
そんな高校生たちの悩みはじゃあバカバカしいのか?というと決してそうではなく、むしろ答えが出ないことについて考えることの大切さを教えてくれるそんな作品だなと思いました。
生きるためのビオトープ。
きっと当たり前過ぎて気が付かないだけで、本当はもうビオトープを得ているのかもしれない。
そんなことを考える40代のビオトープでございました。
考えることも大事ですし、当たり前のことが当たり前でないことに気がついたりすることも大事。
何も考えずに自然と生きるのも良いですが、たまにはこういうことを考えても良いかもですね。
答えがない、正解もないかもしれませんが、たどり着いた答えこそ、私の、もしくはあなたのビオトープなのだと思います。
※ブクログに掲載した感想を転載しております。
思い出してもなかなか素敵なお話だったなと。
正解のないことも自分なりに考えることが大事。
そして、その出した答えは他人が否定しないこと、受け入れたうえで一緒に考えることも大事ということなど、高校生じゃない私が読んでもためになる気づきを得られた作品です。
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