ある出来事をきっかけに大学病院から地元の病院に移った内視鏡の一流医師が患者と向き合うお話。
医療とは何か、生きることは何か、幸せとは何か。
1人の医師の診療を通じて様々なことを読者に気づかせてくれる作品です。
医師マチ先生ではなく、人生の先生マチ先生は今日も様々な患者と向き合っています。
医療とは何なのか?
様々な病気に対して治療をすること、手を尽くすことができない病気にも立ち向かって治療をする、もしくは延命すること。患者さんの要望に応える形で。
私のイメージはこんな感じです。
実際そうなのかもしれません。
そして、医療において1番幸せなのは何か?
病気が完治することが幸せだとすれば、完治せず死を待つばかりの患者は不幸ということなのか?
いつか誰もが通る道である死。
事故にあうこともなく、老衰でもない場合、大体、誰もが医療では手を尽くすことができない死を迎えるわけですが、そういう患者は幸せではないのか?ということになるのだろうとなるのかと思います。
そういう、哲学的な問いもありつつ、では、医療には何ができるのかということを考えさせてくれる作品だと思います。
そして、それは医療だけにとどまらない。
私は、本作を通じて、今、私のやっている仕事で、どんなふうにお客と接していくのが良いのかということも考えるきっかけになりました。
医療とは全然違う仕事ではありますが、客がどんなことを望み、その望み通りにするだけの仕事をするということに意味があるのかと思うきっかけになりました。
きっと、この作品は医療だけの話はとどまらず、今の自分を見つめ直す作品でもあるのではないかと思います。
読書は薬です。
読書を通じて自分自身に問いかけをする。
そこに正答はないし、正しい答えを導き出す必要はない。
でも、本作品を通じて、今の自分を見つめ直すきっかけになったのは確かで、作品のストーリーの面白さだけではなく、せっかく読むなら今の自分や仕事への取り組み方などを見つめ直してみてほしい。
そんな風に思える作品でした。
※ブクログに掲載した感想を転載しております
いろいろなことを考えさせられる作品でしたが、今思い返してみても、今の自分の仕事と向き合う、いやクライアントと向き合あおうと思った作品だなと思いました。
何が幸せなのかはわからないですが、きっと、今幸せだと思ったらそれこそが幸せなんだろうなと思いました。
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