徒然なるまま読書感想ブログ

日々読んだ本の感想ブログです。小説、ビジネス書、ライトノベルなど通勤中、休日に読んだ本の感想を自由に書いていきます。

【襷がけのふたり】 感想

2024-02-13 10:40:03 | 一般文芸



 大正に製罐工場を経営する山田家に嫁いだ千代とその山田家の女中であるお初が駆け抜けた大正→戦時中→終戦後の彼女達の生活を描いた作品です。


 舞台がその時代なので、男尊女卑が凄いですが、女性の仕事は跡取りを産むという、今では考えられない時代ですが、そういう時代に生きた2人の女性を通じて、当時の女性の扱われ方や、SNSやネットなどもなく、情報源は新聞、ラジオ、お隣さんの噂話だった時代の生活が見えてくる作品でもあります。


 じゃあ、ただの大正、昭和を舞台にした話なのか?というと決してそうではなく、今に通じる話なのではいか?と思いました。


 今、結婚はしたい人がするし、恋愛もめんどくさくてしたくない、結婚するならデートとかなしで結婚したい若者が増えていると聞きます。


 なんでも、結婚したら生活が面倒くさいとか、子供ができたら子育てがとか、1人の時の生活のほうがお金を自由に使えるし、気楽だとか。


 おそらく、結婚生活のあり方などもいろいろかわっているんでしょうし、お見合い等で結婚を親に世話してもらうような時代でもない。


 結婚するのが当たり前という本作品の時代とは全く異なる今なのに、本作品に今を感じるのは、登場人物の女性の生活が困難でも楽しそうだからではないかと思いました。


 同性愛とかそういうのではなく、友達と楽しくずっと共同生活をしている感じの雰囲気が羨ましいなと思ったり、異性のパートナーがいなくてもこういう風に楽しく生活することもできるのかと感じたりします。


 性別に囚われず、固定観念に囚われず、どんなに辛い時代でも誰かと一緒にいることの楽しさや誰かを心の拠り所にするということの羨ましさなどなど、本作品からは楽しく生きるためのエッセンスが詰まっているように感じました。


 どんなに辛くても生き抜くこと、私達はそんな生き抜いた人たちから生まれたんですからきっと生きていけるというメッセージを受け取ったとともに、生きるならどんな状況でも楽しい方が良い。


 そんな気がした作品です。

※ブクログに掲載した感想を転載しております。


 こういう2人みたいな生き方もよいなと純粋に羨ましく思った作品。


 一緒に生きていくのが楽しいならば形なんてこだわる必要もないんじゃないか?そう思えた作品です。

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