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昨年4月に地域包括支援センターより依頼を受け通院や諸事外出をずっと介助していた一人暮らしのお婆ちゃんが娘さんの嫁ぎ先の埼玉県へ引き取られることになり、2月4日、50年間暮らした下関を離れて行かれた。
夏頃から娘さんが、家族を関東に残してずっと下関に滞在し、身の回りの世話や通院、そして下関市内の老人ホームへの入居をご本人が希望されていたので、三人であちこちを見て廻るお供もさせてもらった。私も可能な限り情報を集めて一緒に廻ってみたが、こちらが希望しても緊急連絡先が県外だからと断られ、結局娘さんが引き取る事になった。
実は、私の仕事で知り合いになった「ケアサポート下関」という、身内が市内に居住されていない方の緊急連絡先やあらゆる付き添い、更には身元保証も引き受ける業者さんがいたのでその方にも相談していたのだが、最終的に娘さんが「施設に入居させる費用にその費用を考えると、とても一般サラリーマン家庭ではやり繰りしていけません。」と断念されたのであった。そしてご主人様のご理解によって、取りあえず埼玉の自宅に引き取って、近所で入居出来る施設をゆっくりと探そうとなったらしい。この娘さんが、本当に純朴で控えめな可愛い女性で、中学生の娘さんとご主人のご理解とご協力で10か月も下関の母親のもとで滞在していたのである。学校を卒業してすぐに下関を出て東京の方に行かれてたのであろうか、母親を大変大切に思っておられた。もし、この娘さんと若い頃に知り合っていたら私は夢中になっていたかも知れないな…と考えたこともあった。この年になると、恋愛感情ではなく男女の別はなく人間として惚れていた。
しかし下関を去る前にご自宅を取り壊さないとならず、家財の廃棄処分と家屋取り壊しの見積もりを業者さんにお願いしたところ、事情を知ったその業者さんが「費用が結構掛かかりますから、地主さんと話し地代を私どもでこれからも支払いしますから、家をタダでください。家財もこちらが責任もって処分します。」と驚くような提案をされたらしい。やはりこのような人物だから人も情が移るのでしょうね。
お二人に取っては夢のようないい話で、結局埼玉行がわずか数日で決まったようだ。私としてはかなり寂しいが、祝福して送り出してあげないといけない立場となった。小倉駅新幹線口の改札口まで見送りして駅員さんに引継ぎする際に、「今まで大変お世話になりました。これはほんの気持ちです。」と言ってちょっと早いバレンタインチョコ(当然義理だよねー)とお気持ちの品を手渡された。娘さんは晴れ晴れしたお顔であったが、お母さんと私は多少、うるうるした気持であった。
このblogを投稿している頃には新天地での生活が始まっていると思うが、どうかお幸せな余生を送ってもらいたいものである。
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