自燈明・法燈明の考察

日本はどうしたいんだろう

 今月も明日で終わります。
 新型コロナ禍もいまだ収束が見えず、もう一年半を過ぎました。この先どうなっていくんでしょうか、とても気になります。世間では「アフターコロナ」なんて言葉もありますが、個人的にこの新型コロナ禍で、ワクチン接種がこれだけ進むと、単に過去に戻れるのが「アフターコロナ」ではなく、社会生活のカタチが変わってしまう「アフターコロナ」になってしまうのでは無いかと思っています。

 政治の動きについても、来月に自民党総裁選挙も行う様ですが、下村氏は断念しましたが、髙市女史や岸田氏は出馬をするという話です。それ以外にも野田女史や稲田女史など、一部では女性候補乱立という話も出ています。ただ思う事は、この時期に総理大臣になるという事は、何を求められ何を為さねばならないかという事を、これら立候補している人達は認識しているのでしょうか。

 いや、そもそも自民党総裁だから、それが即ち総理大臣という事ではないかもしれませんけどね。

 今の世界は今迄の行動規範だけでは、なかなか対処して行くのが困難だと思うのですが、これまでの日本政府の動きを見ていると、なんら平時の時と変わらない行動規範で動いているように思えます。恐らく菅総理しかり、安倍前総理が失政という様に見えたのも、そんな事が理由なのではないでしょうか。

 今朝方のテレビでは、アフガニスタン情勢について、どの放送局でもやっていました。(地方放送局は除く)日本からも自衛隊輸送機が、カブール空港に行きましたが、救出できた邦人は1名だけ。大使館職員はすでに近隣諸国に避難したと言いますが、肝心の民間人の救出は出来て居ないようです。
 アメリカは空港に辿り着けない自国民に対して、軍用ヘリを使って救出したと言いますが、今の日本では自衛隊法により自衛隊が活動できる地域を「安全確保された地域」に限定している事から、自衛隊機はアメリカが安全確保していたカブール空港でしか活動できません。

 私はここにも新型コロナ対策に見える、日本政府の安全保障に対する姿勢の未熟さが露呈されていると思うのです。アメリカでは最後にアフガニスタン大使が退去したそうですが、では日本の大使は何時退避したんでしょうか。すでに大使館職員はUAEに退避したと言いますが、その時に一緒に退避したという事なのでしょうか。

 現行法内でどこまで対処出来るのか。国民を守る為にどこまでギリギリに対処する事が出来るのか、等など。政治家を初め国の運営に携わる人達が、必死にならなければ、国の安全保障を問われる事態は乗り切る事が出来ないと、私は思っているのですが、今の日本にはそんな姿勢すら見えません。単に平時の延長線上で動くしか、昨今の政治家を初め官僚達も出来ていないのでは無いでしょうか。

 行動する平和博士と言われるヨハン・ガラルトゥング氏は、安全保障法制の際の混乱する日本を評して「憲法9条を安眠枕にした平和主義」と、日本を揶揄していました。
 日本は太平洋戦争で敗戦し、いまの日本国憲法を制定して、そこで「武力放棄・戦争放棄」を高らかに謳いました。そしてこの憲法では自国の安全保障は周辺国の信義に委ねるとしたのです。これはこれでとても理想的な内容でしたが、戦後日本の失敗は、理想を掲げるだけで終わってしまい、その理想を本当に実現するための方途を考えもせず、ただ経済復興のみを念頭に走ってきてしまったという事のように思うのです。

 だから戦後七十年を経過して、いざ国難に遭い蓋を開けると、国の安全保障について何も具体的な事を考えられない政治家ばかりとなり、右往左往するしかない状況に陥っているのでは無いでしょうか。

 新型コロナ禍の対応のまずさ、アフガニスタン動乱の対応の未熟さも、そこには同じ原因があると思います。ただこれからの世界は、この様な状況が今後も多く発生してくる事も考えられるのです。

 その時に日本は一体、どの様にしたいのか。そろそろ国民も本気で意識すべき時代に来ているのではありませんかね?


クリックをお願いします。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「思う事」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事