ツィッターでは少し呟きましたが、先日、私が創価学会のある会合での幹部指導を耳にして、とても呆れ返ってしまいました。曰く。
「SGI提言は世界のトップリーダーが心待ちにしている。池田先生のこの提言を聞いて世界のリーダー達は自分達の取るべき行動を考えているんだ」
何でもその情報ソースとは、創価大学の教授から個人的に聞いた事だというんですね。「誰や？そんなトチ狂った話をしている教授は？」と私は思ったんですが、その幹部はその名前を具体的には言いません。でもこれを会合で聞いた活動家たちは、眼をキラキラして大きくうなずき、一部では「そうだよなー」なんて妙に納得しているんですよ。
そんな事なんてある訳ないじゃん。と私なんかは思う訳です。
でもですね、ここに「創価大学」という公的に認められた学府の、「教授」という権威ある肩書の「ある人」からの発言という事で、学会活動家はこの言葉を鵜呑みに丸まる信じ込んでしまうんですね。
創価学会の活動家幹部も人が好すぎますね。まあ私も昔はそうでしたけど。
私の場合、活動止めてからこの学会職員（外郭団体を含む）の二枚舌というか、アジテーションを上げる事への無節操さを嫌と言うほど見てきましたので、どこぞの誰が言ったのかなんて関係なく、創価関係者のそんな話なんて信じる事はしません。
でも創価学会の活動家は信じるわけですよ。だから今頃、日本各地の支部や地区で、このSGI提言を読み漁り、感動しているんでしょうね。
さて今回は「事実と真実」という事で、少し記事を書いてみます。
この言葉を私は男子部時代に聞きました。概要としては以下の話です。
「ある泥棒が盗みを働いたとする。これは事実だ。でもその泥棒はもしかしたら、お金も無く、家族を養うために敢えて盗みという行動を取ったかもしれない。この場合、そこには家族を守り抜きたいという真実が隠れているのだ。」
学会の大好きな十界論で言えば、この話で泥棒とは「餓鬼界」の生命状態です。しかしその「餓鬼界」を湧現したのは「菩薩界」の一分ともいえる訳です。だから仏法を学ぶ人間は、事実（目の前の事象）にとらわれるのではなく、その奥にある真実（事象の本質）を洞察する力を持たなければならない。そういう事だと教わりました。
これは確かに大事な視点だと思います。世の中には様々な出来事が溢れかえっています。人々は目の前に現れる事実に右往左往してしまい、その奥に隠されている本質という事に目を向ける事なんてありません。
人生を生きていく上で、こういった視点を持つ事はとても重要で、多くの人達がこういう目を持つ事が出来れば、恐らく今の日本の状況も大きく変わっていた事でしょう。でも実際に、この様な視点を持つ事は大変難しい事なのです。
この視点を持つためにまず必要なのは、屹立した視点です。けして付和雷同に流されない、独自の視点を維持できる事でしょう。仲間の誰それが言っているとか、どこぞのネットで又聞きした情報に拠ると、なんてやっていてもそれは様々な事に踊らされてしまう危険性があります。
そして次に必要なのは、情報リテラシーです。評価し判断するにもやはり情報というのは、とても大事な事です。そして入手した情報を評価する為の視点も持たなければなりません。得た事を丸々鵜呑みにしていては、やはり本質的な事に気付く事はとても困難です。
そして最後にやはり問われるのは、本人の哲学性です。どの様な事を、いつ何処から入手したとして、それに纏わる情報を多数持っていたとしても、やはりそれを最終的に判断するのは個人であり、そこは個人の哲学性に拠ると、私は思うのです。
また間違えてはいけないのが、真実とに普遍性はありません。よく自身の理解した「真実」と思う事に固執し、言い争いをしている人も居ますが、簡単に言えば人は自分が信じたい事を信じ、否定している事は、いくら言っても否定します。要は真実なんて言うのは、夫々の人の中にしかないのです。
先の泥棒の例え話でいえば、いくら菩薩の想いがあっても泥棒は泥棒です。盗まれた人からすれば、他人の生活から掠めとった悪人という事実は消えませんし、それにより損害を受けた人にとっては、泥棒本人の真実なんてのはどうでもいい事で、もしかしたら盗まれた事で、被害者の生活が破綻していたら、そんな盗人の真実なんてのは糞の役にも立たないのです。
ただし社会の「正義」という観点で考えると、一人ひとりが理解している真実の傾向性にもよります。事実を目にしてそれぞれが真実と思う、その傾向性により社会正義も決まってくるのです。
とまあ、小難しい話をコネクリ回しましたが、そもそも「真実」という事に目を向けず、目の前の事実としての事象に振り回されている人達が、今の日本にはとても多そうですけどね。少しはその奥にある真実に目を向けようという視点を持たないと、いつまでも事実を真実と誤解して、世の中に振り回されて人生は終わってしまいますよ。
