このブログでも「香りに纏わる読み物」で紹介している”香水~ある人殺しの物語”が、
映画化されたそうな。
この本は、香りの勉強を始めた頃に読んだことがあるのですが(たぶん一昔は経っています)、この全編に匂い(臭い・香り)のたちこめた小説を、映画でどのように見ることができるのか、興味津々。香りといえば聞こえはよいですが、冒頭からかなりグロテスクな臭いが立ち込めていて、途中で気分が悪くなったりしたこともありましたが、読み進むうちに引き込まれていきました。 場面場面で様々な匂いを想像し、思いめぐらして、そして物語の最後には、いかにも遣る瀬無い気分にさせられました。
これは、香りに憑かれて人を殺めていくグルヌイユという一人の青年の物語ですが、同時に人間にとっての臭いというもの、嗅覚というもの、の持つ意味についても考えてみるきっかけになるような気がします。登場人物たちのとった行動や、グルヌイユが選んだ結末が、私たちに様々なことを教えてくれます。
こんな風に思うのは、香りに携わっているからかもしれませんが。。。
この小説は原本はドイツ語のようですね。CD化されているものも見つけたのですが、そのときはドイツ語版のみ。ドイツ語の素養がないので、何がなんだかまったくわからないだろうなぁと思い、そのときは買わなかったのですが、朗読はどんな雰囲気なのか聴いてみたい気もします。
来春の公開を前に、もう一度読み返してみようかなぁ。