goo

くろゆり

2006-08-12 08:15:24 | Weblog
クロユリ
 俳画 離山房 今日の花「クロユリ」。
 題字 「恋の季節」
 

日本の中部以北の高山地帯、
アジア東北部からアラスカにかけて分布します。


草丈は、15~50センチほど。

花期は、5月~8月にかけて。

直径3センチほどの黒褐色の花を、
下向きに咲かせます。

光の具合によって、
黒く見えたり、紫がかったり・・・。

「花らしくない花色」も、魅力のひとつでしょう。


香りも個性的で、
(かなり「悪臭」だそうです・・・)

「ケブカクロバエ」というハエを呼び寄せて、
受粉をしてもらうというツワモノ。


標高2000メートル以上の高山帯を生活場所とし、

石川県の「白山」に群生地がみられることから、
昭和29(1954)年に、石川県の「県の花」に指定されています。


生育地と見た目の違いで、

高山地帯のもの「高山型」と、
比較的低地のもの「低山型」に分けられます。


「高山型」・・・草丈が低め。(15センチくらい)
        1本の茎に花が1個だけ咲かせ、タネができる。
        本州の高山帯に生える種類。

「低山型」・・・草丈は高め。(50センチ前後)
        1本の茎に数輪の花を咲かせ、「両生花」と「雄花」がある。
        染色体が奇数のため、タネができず、地下茎で増える。
        北海道の低地に生える。


北海道のものが「低山」とは、
なんだか本末転倒の気もしますが、

それだけ標高の高い、寒いところにお住まい、
・・・ということですね。


伝説の多い花で、

北海道のアイヌ民族にとっては、ズバリ「恋の花」。

女性が意中の人の身近にそっとこの花を置いておき、
相手が花を手に取れば、ふたりは必ず結ばれるそうな。

さりげなく花の話題をふっておくなどの根回しをすれば、

「この花は珍しいな!?」
てな感じで、手にしてくれるかも。

(・・・そういう問題じゃないか)


ともあれ、人間の精神の根幹にダイレクトに訴えかける存在感、

花言葉も「恋」、これで決まりって感じ。



~~ ☆★ ~~   「花のある音楽」   ~~ ★☆ ~~


古今東西の、心に染みる音楽に登場する「花」にスポットを当て、

ご紹介するコーナー。


     ========================
             「黒百合の歌」 
           歌・・・織井茂子さん
     ========================

昭和29(1954)年のヒット曲。

「石川県の花」制定と同時ですな。

伝説のラジオドラマ「君の名は」の挿入歌です。

このドラマ、「冬ソナ」どころの騒ぎじゃない、
国民的大ヒット作だったそうな。
聴取率「80%」くらい!?

(「女湯が空になった」とか、聞いたことありません?)

アイヌの伝説が歌詞となっています。



今号は、これにて「読み切り」。

明日も又、このマガジンでお会いしましょう!

美しい花と共に。

  「文章協力:中村クーミン
 メールマガジン『今日はこの花っ!花ことば366日の世界』
 http://www.mag2.com/m/0000170500.html」
goo | コメント ( 0 ) | トラックバック ( 0 )