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オクラ

2006-08-15 08:56:23 | Weblog
 
オクラ
 俳画 離山房 花言葉「予想外の喜び」
  題字「三喜」
 

 
 オクラ (Okra) は、アオイ科トロロアオイ属の植物、またはその果実。アメリカネリとも言う。学名は Abelmoschus esculentus Moench。英名okraの語源はガーナで話されるトウィ語(Twi)のnkrama。以前はハイビスカス属Hibiscusに分類されていたが、現在ではトロロアオイ属に分類されている。

原産地はアフリカ北東部(エチオピアが有力)で、熱帯から温帯で栽培されている。エジプトでは、紀元前元年頃にはすでに栽培されていた。熱帯では多年草であるが、オクラは少しの霜で枯れてしまうほどに寒さに弱いために、日本では一年草となっている。

日本に入って来たのは明治初期であるが、近年になって漸く普及し始めた。短期間で50cm~2mほどに生長し、15cm~30cmの大きさの掌状の葉をつけ、黄色に中央が赤色のハイビスカス、あるいはムクゲに似た花が咲く。花が咲くのは夜から早朝にかけてで、昼にはしぼんでしまう。

開花後、長さ5cm~30cmの先の尖った形の五稜の果実をつけ、表面に短毛が生えており、熟すと木質化する。若い莢が食用にされ、軽く湯がいてから調理されることが多い。オクラは、刻んだ時にぬめぬめした粘り気が出るが、この粘り気の正体は、ベクチン、アラピン、ガラクタンという食物繊維で、コレステロールを減らす効果をもっている。他の栄養素としては、ビタミンA、B1、B2、C、ミネラル、カルシウム、カリウムなどが含まれるため、夏ばて防止、便秘・下痢などの腸整作用の効果が期待できる。
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アンスビウム

2006-08-14 08:36:56 | Weblog
 
アンスビウム
 俳画 離山 今日の花「アンモビウム」。花言葉「不変の誓い」
 題字「誓願」
 


キク科。一年草。

原産地は、オーストラリア。

日本への渡来は、
近種の「ムギワラギク」と同じころ、
江戸時代の終わりと考えられています。

草丈は、40~60センチほど。
茎に、「スターチス」のような羽状の部分がみられます。

花期は、
秋まきの場合、翌年の5月~6月にかけて、
春まきの場合、7月~8月にかけて。


直径5センチほどの白い花は、
中心部分が黄色い「管状花」、

それを取り巻く白い部分は、
花びらではなくて「総苞(そうほう)」、

萼(がく)が変化したもの・・・から成り立っています。


「貝細工」とは、
まるで貝で作られたような質感をあらわしたもの。

以前ご紹介した「ムギワラギク」は、
その大きさから「テイオウ(帝王)カイザイク」ですが、

こちらは、白一点の花色で、
より一層の「貝細工」っぽさから、

スバリ「シンセイカイザイク(真正貝細工)」!

・・・迫力、ありますな。


もともとオーストラリアの砂地に生育する花なので、
日当たりのよい、やせた土壌でよく育つ、
「省エネ植物」。

肥料と水のやりすぎは、
かえってためになりません。

(「子育てにも、似ている」?・・・むむっ、どうでしょう)


存在そのものが乾燥してますので、
切り花として飾る場合、花瓶に水を入れないでおけば、

あっという間にドライフラワー。

「不変の誓い」をたてるときには、
ぜひ、おそばにどうぞ。

(禁煙!? ダイエット!?)



今号は、これにて「読み切り」。

明日も又、このマガジンでお会いしましょう!
 
「文章協力:中村クーミン メールマガジン『今日はこの花っ!花ことば366日の世界』
 http://www.mag2.com/m/0000170500.html」

美しい花と共に。
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ベロニカ

2006-08-13 08:23:14 | Weblog
 
ベロニカ
 俳画 離山房 今日の花「ベロニカ」。花言葉「人の良さ」
 題字「人情」
 


ゴマノハグサ科。一年草および多年草。

北半球の温帯におよそ300種ほどが分布し、
園芸種の元となっているものは、ヨーロッパや中東産とされます。

一部は、オーストラリア・ニュージーランドなど、
南半球でも見られます。

種類がとても多く、
一年草タイプと多年草タイプがあるグループで、

日本にも近種の「クワガタソウ」など20種ほどが自生。


園芸種は、明治~昭和のはじめにかけて、
数種が渡来しました。


草丈は、12~80センチほど。

花期は、5月~9月にかけて。

1センチほどの小花を、
花穂にびっしりと咲かせます。

花色は、青紫色の濃淡のほかに、
園芸種には、白・やピンクなども。


じつは、なかなか「聖なる」バックボーンのあるお花。


「ベロニカ」という属名は、
キリスト教の「聖人ベロニカ」にちなんでいます。

十字架を背負い、あざけりと嘲笑の中、
ゴルゴタ(しゃれこうべ)の丘を苦難にあえぎながら登っていく
イエス・キリストの受難の姿を目の当たりにした、主婦・ベロニカは、

イエスの額からしたたり落ちる血と汗を拭うよう、
ハンカチを差し出します。
(ベロニカが拭ってあげた、とも)

すると、そのハンカチには・・・
イバラの冠をかぶったキリストの顔が写し取られていたそうな。

もともとエルサレムに住む敬虔な主婦だったベロニカは、
このエピソードで「聖人」となったのです。


「ベロニカのハンカチ」は、
現在バチカンの「サンピエトロ寺院」に保存されているとか。

先だって物議をかもした、
メル・ギブソン製作の映画「パッション」にも、

「ベロニカのハンカチ」シーンはあったようです。
(クーミンはこの映画、未見です・・・)

また、青紫色は「霊力の象徴」とみなされ、
なかなか高貴な色として位置づけられております。
(「聖母マリア」の衣の色「マドンナ・ブルー」)

かと思うと「悲哀」の象徴だったりもするんですが。


「人のよさ」とは、
ベロニカのエピソードからついた花言葉でしょうか。

どこかユーモラスな花穂が風にそよぐ姿にも、
あてはまる気がします。




今号は、これにて「読み切り」。

明日も又、このマガジンでお会いしましょう!

美しい花と共に。


「文章協力:中村クーミン
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くろゆり

2006-08-12 08:15:24 | Weblog
クロユリ
 俳画 離山房 今日の花「クロユリ」。
 題字 「恋の季節」
 

日本の中部以北の高山地帯、
アジア東北部からアラスカにかけて分布します。


草丈は、15~50センチほど。

花期は、5月~8月にかけて。

直径3センチほどの黒褐色の花を、
下向きに咲かせます。

光の具合によって、
黒く見えたり、紫がかったり・・・。

「花らしくない花色」も、魅力のひとつでしょう。


香りも個性的で、
(かなり「悪臭」だそうです・・・)

「ケブカクロバエ」というハエを呼び寄せて、
受粉をしてもらうというツワモノ。


標高2000メートル以上の高山帯を生活場所とし、

石川県の「白山」に群生地がみられることから、
昭和29(1954)年に、石川県の「県の花」に指定されています。


生育地と見た目の違いで、

高山地帯のもの「高山型」と、
比較的低地のもの「低山型」に分けられます。


「高山型」・・・草丈が低め。(15センチくらい)
        1本の茎に花が1個だけ咲かせ、タネができる。
        本州の高山帯に生える種類。

「低山型」・・・草丈は高め。(50センチ前後)
        1本の茎に数輪の花を咲かせ、「両生花」と「雄花」がある。
        染色体が奇数のため、タネができず、地下茎で増える。
        北海道の低地に生える。


北海道のものが「低山」とは、
なんだか本末転倒の気もしますが、

それだけ標高の高い、寒いところにお住まい、
・・・ということですね。


伝説の多い花で、

北海道のアイヌ民族にとっては、ズバリ「恋の花」。

女性が意中の人の身近にそっとこの花を置いておき、
相手が花を手に取れば、ふたりは必ず結ばれるそうな。

さりげなく花の話題をふっておくなどの根回しをすれば、

「この花は珍しいな!?」
てな感じで、手にしてくれるかも。

(・・・そういう問題じゃないか)


ともあれ、人間の精神の根幹にダイレクトに訴えかける存在感、

花言葉も「恋」、これで決まりって感じ。



~~ ☆★ ~~   「花のある音楽」   ~~ ★☆ ~~


古今東西の、心に染みる音楽に登場する「花」にスポットを当て、

ご紹介するコーナー。


     ========================
             「黒百合の歌」 
           歌・・・織井茂子さん
     ========================

昭和29(1954)年のヒット曲。

「石川県の花」制定と同時ですな。

伝説のラジオドラマ「君の名は」の挿入歌です。

このドラマ、「冬ソナ」どころの騒ぎじゃない、
国民的大ヒット作だったそうな。
聴取率「80%」くらい!?

(「女湯が空になった」とか、聞いたことありません?)

アイヌの伝説が歌詞となっています。



今号は、これにて「読み切り」。

明日も又、このマガジンでお会いしましょう!

美しい花と共に。

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ルコウソウ

2006-08-11 09:52:48 | Weblog
 ルコウソウ 編集 | 削除
 今日の花「ルコウソウ」。
 

 
ヒルガオ科。つる性一年草。

本来多年草の性質をもちますが、
耐寒性に乏しいので、日本の園芸上は一年草扱いです。

原産地は、熱帯アメリカや熱帯アフリカなど。

日本への渡来は、17世紀の前半、
寛永年間(1624~1643)とされています。


つるは2メートルほどの長さになり、
良く繁茂します。

花期は、7月~10月にかけて。

直径2センチほどの花は、かわいい星形で、
キャンディーやコンペイトウのような雰囲気。

花色は、白、赤、ピンク、朱色など。


葉は、細かく糸状に裂けています。

さらさら、ふわふわとした羽毛っぽいですが、
とにかくよく茂るので、グリーンのベールのようになって、
なかなかよい眺め。


この葉の形状は、
名前にあるちょっとむずかしい字「縷」の由来。

「細い糸」のことを意味します。

中国の中世(13世紀)の文献「居家必要事類全集」には、
(「お家で必要なことマニュアル」「主婦の友」みたいな感じ?)

翠縷麺(すいろうめん)という名の麺が紹介されています。


なんでも、

槐(えんじゅ)の若葉を絞った汁を小麦粉に混ぜて、
練って伸ばし、ごく細く切った麺とのこと。

ルコウソウの葉にも、ちょっと似てるんでしょうか。

語感も涼しげで、
暑い日に、つるりといただきたいような。

「流し翠縷麺」なんて、いいっすね~。


葉と花がかもし出す繊細な可愛らしさは、
「常に愛らしい」存在として、
これからも日本人に好まれていくことでしょう。



今号は、これにて「読み切り」。

明日も又、このマガジンでお会いしましょう!

美しい花と共に。


【 あ と が き 】──────────────────────

ふと気がつけば、このマガジンも、もうすぐ1年!

いや~、何とか続けておりますですよ。

それにつけても思うのは、
花の世界の奥深さ。

どんどんいもづる式に、新しい「へぇ」が出てくる出てくる。

同時に、昔見たり聞いたりしても、
イマイチぴんと来なかった文学や映画、音楽のモチーフなどが、
バッチリガッテンしたりして。

「文化の入り口」とでも、申しましょうか。

これからも、そんな「花のよろずお楽しみ」を、
幅広く探求してみたいな、と思ってます。

どうぞ、末永くご一緒に!
  「文章協力:中村クーミン
 メールマガジン『今日はこの花っ!花ことば366日の世界』
 http://www.mag2.com/m/0000170500.html」

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