桜庭支配人の現場一直線 第九話
<登場人物>
桜庭支配人~ このシリーズの主人公。
株式会社アジア開発 入社2年目の新人にして現場の支配人の辞令を受けた。
35歳 結婚式場の責任者の経験はまったく無く、営業の経験も無い。ないない尽くしで自信もないまま 指導を受けて独り立ち上がる。
河野俊一~ 隣町の結婚式場の支配人。同じアジア開発の社員で、やはり支配人として人材派遣された。桜庭より1年早く入社して現場に配属されいた。30歳。
後藤部長~ハートロード結婚式場の営業部長。営業部10年目。現場のたたき上げで
規則を守ることに厳しい。現場の鬼と呼ばれている。32歳
石原とよ~ バンケットマネージャー。ハートロード結婚式場の創立メンバーで、地元の顧客には顔きき役。親分肌で面倒見もよく、影のボスといわれている。52歳。
白石庄平~地元の生命保険のトレーナーで引退後も後輩の面倒を見ながら研修会に参加している中で桜庭と出会う。72歳。
大林友子~ハートロード結婚式場の専務婦人。フロント予約課課長。
内田悟~ハートロード結婚式場営業部課長代理。
柏崎理恵~ハートロード営業課長で最古株社員。営業の実力ナンバーワン。
小森友和~ハートロード結婚式場営業部主任。
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それでも 桜庭にとってこの後藤部長は、以前にも増して付き合いにくく敵対感さえ感じさせる難しい存在と化して来ていた。
有島副社長にまた正直に相談した。
「また鬼が出たのか?」
「お前も幸せだね、いつまで同じ事で悩んでいられるんだ。」
そんなことを言われても 当の本人である桜庭にとっては以前の石原マネージャーの時より苦しい状態に追い込まれてきていた。
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「ご指導どおりに 後藤部長を理解し 好きになろうと3ヶ月間努力してきたつもりですが、
ますます 態度が硬くなり 最近は実績だけでものを言え、というような雰囲気なんです。」
「そんなの当たり前だろう、結果の変革のためにお前が来ているというのは、後藤部長が一番良く知っているんだ。こうした責任者に対しては まずは実績を出して 行動で示して こいつはたいしたもんだ、とならない限り次に進まないぞ。」
そうだ、鬼のいない現場なんてこの世に存在しないのだ、と桜庭は妙にこの指導に納得をしていた。
今まで桜庭は 鬼のいない、自分に都合のいい職場環境をいつも想定して探して生きてきた。安全か安全でないか、鬼が出るのかいないのか、そんなデータを分析していただけの頭でっかちで世間知らずだったのだ。
「いつまで同じ事で」という有島副社長の指導には本当に深い意味合いがこめられていたが、このときの桜庭はその意味合いを少し深く感じることが出来るようになっていた。
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<登場人物>
桜庭支配人~ このシリーズの主人公。
株式会社アジア開発 入社2年目の新人にして現場の支配人の辞令を受けた。
35歳 結婚式場の責任者の経験はまったく無く、営業の経験も無い。ないない尽くしで自信もないまま 指導を受けて独り立ち上がる。
河野俊一~ 隣町の結婚式場の支配人。同じアジア開発の社員で、やはり支配人として人材派遣された。桜庭より1年早く入社して現場に配属されいた。30歳。
後藤部長~ハートロード結婚式場の営業部長。営業部10年目。現場のたたき上げで
規則を守ることに厳しい。現場の鬼と呼ばれている。32歳
石原とよ~ バンケットマネージャー。ハートロード結婚式場の創立メンバーで、地元の顧客には顔きき役。親分肌で面倒見もよく、影のボスといわれている。52歳。
白石庄平~地元の生命保険のトレーナーで引退後も後輩の面倒を見ながら研修会に参加している中で桜庭と出会う。72歳。
大林友子~ハートロード結婚式場の専務婦人。フロント予約課課長。
内田悟~ハートロード結婚式場営業部課長代理。
柏崎理恵~ハートロード営業課長で最古株社員。営業の実力ナンバーワン。
小森友和~ハートロード結婚式場営業部主任。
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それでも 桜庭にとってこの後藤部長は、以前にも増して付き合いにくく敵対感さえ感じさせる難しい存在と化して来ていた。
有島副社長にまた正直に相談した。
「また鬼が出たのか?」
「お前も幸せだね、いつまで同じ事で悩んでいられるんだ。」
そんなことを言われても 当の本人である桜庭にとっては以前の石原マネージャーの時より苦しい状態に追い込まれてきていた。
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「ご指導どおりに 後藤部長を理解し 好きになろうと3ヶ月間努力してきたつもりですが、
ますます 態度が硬くなり 最近は実績だけでものを言え、というような雰囲気なんです。」
「そんなの当たり前だろう、結果の変革のためにお前が来ているというのは、後藤部長が一番良く知っているんだ。こうした責任者に対しては まずは実績を出して 行動で示して こいつはたいしたもんだ、とならない限り次に進まないぞ。」
そうだ、鬼のいない現場なんてこの世に存在しないのだ、と桜庭は妙にこの指導に納得をしていた。
今まで桜庭は 鬼のいない、自分に都合のいい職場環境をいつも想定して探して生きてきた。安全か安全でないか、鬼が出るのかいないのか、そんなデータを分析していただけの頭でっかちで世間知らずだったのだ。
「いつまで同じ事で」という有島副社長の指導には本当に深い意味合いがこめられていたが、このときの桜庭はその意味合いを少し深く感じることが出来るようになっていた。
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