楓図 画像お借りしました
楓図(京都・智積院)と松林図屏風(東京国立博物館)はどちらも長谷川等伯の代表作品です。
楓図は襖の画面いっぱいに金箔が貼られ、突き抜けるような大木の楓が大きく枝を広げて紅葉の盛りのあでやかさを示しています。
松林図屏風はこれと対照的に、紙の上に墨だけでシルエットのような形の松を陰影をつけて配置しています。わずかな墨の使い分けで、松林の奥行きや広がりを示しています。
一見同じ作者の絵と見ることが難しいように、その表現は異なります。これを等伯の人生のうえに跡付けようとする意見があります。
楓図は豊臣秀吉の幼子鶴松が死んだために作られた祥雲寺の障壁画として描かれました。松林図屏風は自分の息子久蔵がなくなったために描いたと考える人もいます。
前回の秀吉の茶室も黄金の茶室とわびさびた茶室があったように、この時代、あでやかな表現とわびさびた表現が一人の作者にも見られるのだと思います。
松林図屏風 向かって右隻 画像お借りしました
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