ルーブル美術館のモナ・リザ
雪舟は1420年から1506年ころまで生きていた。レオナルド・ダ・ビンチは1452年から1519年までということで、ほぼ同じ時代を生きています。雪舟のほうが早く生まれていますが、中国へ行ったのが48歳、山口でアトリエを持ったのが67歳なので、制作時期は重なっています。
といっても二人に共通したり、ほかに比べるものは少ないのですが、世界の東西で芸術の天才が活動していたのは興味がわきます。
レオナルド・ダ・ビンチ(ビンチ村のレオナルド)はヨーロッパの大きな文化活動ルネサンスの造形やその理論に大きく寄与します。これはみなさんご存じだと思います。
では、雪舟は?
日本では芸術家自身が注目されますが、その後、桃山時代(文化の上で言う時代区分)に大きく花開く芸術活動の発端を切り開いたのではないかと思います。
雪舟が描いた天橋立図はそれまで日本ではあまり描かれなかった高所から見下ろしたような図で、花鳥図は大きな鳥や樹木を画面いっぱいに描き出すのちの狩野派が障壁画で用いた手法でした。
日本絵画が理知的な構成や視点を持てたのは雪舟のおかげであった気がします。
雪舟 天橋立図