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読書反省文③  読書の家は富貴の家 詩経

2022-09-28 15:19:34 | 日記

読書反省文③  読書の家は富貴の家 詩経

日本の旧首相官邸の屋根には、フクロウの像が並んであって、私は小さいころなぜ鷹とか鷲のようなもっと強そうなのにしないのか不思議に思っていた。または 鶴のような優美なのでもいいけどと思っていた。

やっと見つけた。詩経にフクロウは災害がおこる何年も前から、巣を災害に対応できるように手入れするとあるらしい。(詩経の原典を見ていないのでらしいと書いておきます。)昔の人はそれを見て、自分たちも準備したと推測される。その言い伝えが詩経に残ってるんだろう。なるほど首相官邸にふさわしい鳥で、この建物は明治時代につくられたんでしょうけど明治の人の教養に驚く。

 同じような話が、永井荷風の断腸亭日乗にあって大空襲の朝つばめが一斉に居なくなったとある。ことさらに奇談によって世間の耳目をあつめるのを目的とした文章ではないので、これは本当なんだろう。自然災害を動物がその本能で予知するならわかるけど、空襲のような人災まで予知できるんだから、つばめの本能はなかなかなものと思われる。

 フクロウやつばめのような能力を是非いただきたいと思う。災害から逃れられるだけではない。どの会社へ就職するかとか、もっと言うと今晩何を食べるかまでこれによって決めると良いことが起きそうな気がする。

 昔、芥川龍之介の本を読んでいると「運命は性格の中にあり。」との格言が書いてあってさすが偉い人はいいこと言うなと思った。それというのもそのころ私はどうも自分の運命が宜しくないような気がしていた。同時に周囲から「あんた性格悪い。」と言われていた。ここまで証拠が揃うとこの言葉は実感を伴って正しいのではないかと思える。その後、その言葉の出典が中国の古い俚諺であると聞いて、なーんだと思ったが次のように考えられないか。

俚諺にせよ詩経にせよ古い時代の人類は、まだ言葉を使って考える前の本能の記憶を記録したものではないか。だったら俚諺とか詩経に限らないけど古くに書かれてその後もこれは良いんじゃないとされて語り継がれてきた言葉をもっと大事にするのがうまく世渡りするのに必要じゃないか。

つばめやフクロウに聞くわけにもいかないからせめて古典に聞きたい。



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