残照亭の日日

日常の腹立たしいことなど、自分のストレス解消に書いてます。

故「藤沢周平」のファン。思い出の作品などを書こうかな。

「藤沢周平」⑨~続・時代小説に資料の活かし方~

2023-09-15 | 藤沢周平作品

*敬称略 悪しからず

時代小説を書く時、実際の資料をどのように生かして行くのか?

藤沢「こういう歴史、一体に、昔の人を書く場合、昔と今と共通してい

   る部分ネ、親子の間の感情とか、男と女の間の気持ちとか、

   こういう所はそう大して変わらないところが有る訳ですよネ。

   ところが、昔はこういうふうに考えたけど、いまはまったく

   変わってしまった、と言う部分も有る訳ね。

   で、この二つがですね、均等に出て来ないと、本当の昔のことを

   書いた、とならない訳ですよね。

   共通したところだけ書くと、現代的な物語になりすぎて、

   なんだ昔と大して変わりないじゃないか、昔のロマンスを書いた

   だけじゃないか、と言うことになる訳ですよネ。

       ただ、昔とは変わったんだと云うところだけを書くと、それも

   一面的になっちゃう。

    資料というのは、そういう昔と変わっているところ、

   変わっていないところを証明するものとして残っているわけです

  よね。

  それを、生かす、それを引用するというところで、一遍の小説の

  中に、リアリティを持たすっていうか、なるほどこういう事だっ

  たのかって、納得行くものを、資料として出せばいいんじゃない

  か、と思うんですよネ。」

 

藤沢周平は云う、時代小説(大衆小説)ばかり書いていると、

どうしても歴史小説を書きたくなる・・

『一茶』「長塚節」「義民が駆ける」などである。

「漆の実る国」は、また別の理由があった・・これはいつかまた。

藤沢周平が「これから書くとしたら、平安時代」といっていた作品を

読んでみたかったナ~


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