onodekitaonodekita
Jykell7がリツイート
〈プロメテウスの罠〉防護服の男(1)~(12)
http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/e623ea60d0c7288f4c4fd6f68c00f230
こんなに素晴らしい記者がいるのに、会社全体でガレキ問題はほおっかむりする新聞社とは、いったいなんだろうか。
http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/e623ea60d0c7288f4c4fd6f68c00f230
引用
「なんでこんな所にいるんだ! 頼む、逃げてくれ」
みずえはびっくりした。
「逃げろといっても……、ここは避難所ですから」
車の2人がおりてきた。2人ともガスマスクを着けていた。
「放射性物質が拡散しているんだ」。真剣な物言いで、切迫した雰囲気だ。
家の前の道路は国道114号で、避難所に入りきれない人たちの車がびっしりと停車している。2人の男は、車から外に出た人たちにも「早く車の中に戻れ」と叫んでいた。
みずえは近くの家で避難している人たちにも、防護服の男たちのことを伝えた。
1人が笑って答えた。
「おれは東電で働いていた。おれらのつくった原発がそんなに危ないわけねえべ」
「おれだけ逃げるわけにいかないよ」。
このとき津島地区から10キロほどの地点で、30マイクロシーベルト用測定器の針が振り切れていた。(前田基行)
「警官はなぜあんな格好をしているのか」
住民は不安を抱いた。
浪江町議会議長、吉田数博(65)は津島地区の警察駐在所を訪れ、「不安を与えるので防護服は着ないでほしい」と要請した。
吉田はいう。
「知らないのはわれわれだけだったんだ」(前田基行)
「福島は何十年も暮らした土地ですから。戻りたい」。涙がこぼれた。
日曜になると、背中に「文部科学省」と書かれた作業服の男たちが、地区に放射線量を計測にきた。ヤスコは車がくると出て行き、「今日はなんぼですか」と尋ねる。
「15マイクロシーベルトだよ」。男は気軽に教えてくれた。
「私の家も測ってくれんかね」
別の日、男は家の周辺を測ってくれた。家の外で10マイクロシーベルト、居間で5.5マイクロシーベルトあった。平常値をはるかに上回る量だ。
男はそれを紙に書いてヤスコに渡した。
6月初めのある日曜日、男がポツリと言った。
「今だからいうけど、ここは初め100マイクロシーベルトを超していたんだ。そのときは言えなかった。すまなかった」
数日後、ネコを引き取りに再び家に帰った。警視庁のパトカーが敷地に入ってきた。
「ここって高かったんですね」と30代ぐらいの警察官に聞いてみた。
「そうなんです、高いですよ。でも政府から止められていていえなかったんです」
警察官はそう答えた。
和代はびっくりした。ジープの自衛官がいったことは何だったのか。
Jykell7がリツイート
〈プロメテウスの罠〉防護服の男(1)~(12)
http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/e623ea60d0c7288f4c4fd6f68c00f230
こんなに素晴らしい記者がいるのに、会社全体でガレキ問題はほおっかむりする新聞社とは、いったいなんだろうか。
http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/e623ea60d0c7288f4c4fd6f68c00f230
引用
「なんでこんな所にいるんだ! 頼む、逃げてくれ」
みずえはびっくりした。
「逃げろといっても……、ここは避難所ですから」
車の2人がおりてきた。2人ともガスマスクを着けていた。
「放射性物質が拡散しているんだ」。真剣な物言いで、切迫した雰囲気だ。
家の前の道路は国道114号で、避難所に入りきれない人たちの車がびっしりと停車している。2人の男は、車から外に出た人たちにも「早く車の中に戻れ」と叫んでいた。
みずえは近くの家で避難している人たちにも、防護服の男たちのことを伝えた。
1人が笑って答えた。
「おれは東電で働いていた。おれらのつくった原発がそんなに危ないわけねえべ」
「おれだけ逃げるわけにいかないよ」。
このとき津島地区から10キロほどの地点で、30マイクロシーベルト用測定器の針が振り切れていた。(前田基行)
「警官はなぜあんな格好をしているのか」
住民は不安を抱いた。
浪江町議会議長、吉田数博(65)は津島地区の警察駐在所を訪れ、「不安を与えるので防護服は着ないでほしい」と要請した。
吉田はいう。
「知らないのはわれわれだけだったんだ」(前田基行)
「福島は何十年も暮らした土地ですから。戻りたい」。涙がこぼれた。
日曜になると、背中に「文部科学省」と書かれた作業服の男たちが、地区に放射線量を計測にきた。ヤスコは車がくると出て行き、「今日はなんぼですか」と尋ねる。
「15マイクロシーベルトだよ」。男は気軽に教えてくれた。
「私の家も測ってくれんかね」
別の日、男は家の周辺を測ってくれた。家の外で10マイクロシーベルト、居間で5.5マイクロシーベルトあった。平常値をはるかに上回る量だ。
男はそれを紙に書いてヤスコに渡した。
6月初めのある日曜日、男がポツリと言った。
「今だからいうけど、ここは初め100マイクロシーベルトを超していたんだ。そのときは言えなかった。すまなかった」
数日後、ネコを引き取りに再び家に帰った。警視庁のパトカーが敷地に入ってきた。
「ここって高かったんですね」と30代ぐらいの警察官に聞いてみた。
「そうなんです、高いですよ。でも政府から止められていていえなかったんです」
警察官はそう答えた。
和代はびっくりした。ジープの自衛官がいったことは何だったのか。