jykell7引越し先

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作業員より。

2015-10-12 14:55:00 | ノンジャンル
さ先週、原発内で作業している友人から久々の連絡がありました。まとめましたので紹介します。

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元気にしてるか?いつもFBみてるぞ。
久々にこっちの状況伝える。
いつもごちゃごちゃで話してるから、
今回は要点ごとに話すから。

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1.汚染水について
6月の梅雨の大量で敷地内や山側に大量の雨がふってるせいか、ポンプの吸い上げがまったく間に合わない。
7月になってから雨もやんだが地下水は容赦なく流れ込んでる。
前は、汚染水を別のタンクに移送させたときに、ホースや、ジョイント部からも、大量にもれでているが、
とりあえず若い連中が汚染水なぞ関係なく止めろといわれて作業をやってる。
いま、巨大な汚染水をいれている簡易タンクの接合部からも漏れでてる場所もある。
接合部のゴム部からの漏れは建築していた業者いわく、予想していたとおり。だから、さらに出てくるのは、時間の問題だそうだ。
我々は、とりあえずの応急処置。わからないから、ビニールテープやガムテープ使って水を止めたりしている状況。でも、大量の汚染水が入ってるから漏れが止まらない。
ボルト締めするが、応急なのか恒久対策なのかさえ分からない。
やっかいなことに、タンクには高濃度の汚染水だから、漏れ出ている付近とかに近づくと
APD(警報付きポケッ ト線量計)が鳴る。
これでも作業してるんだから、結局は危機感なく、APDだけがうるさい。

2.凍土壁
凍土壁をやっているチームもいて、1メートル間隔で、約30メートルまで掘って配管を埋めてる作業している。
しかし、作業をやっている方も、とりあえずの作業で、誰もが凍土壁になるは思っていない。
掘っているところから、水が出たりするのだから。
1本掘るだけで、線量が高い水がでたりで、交代制で作業をやっている。
なにせ30メートルというけどかなり時間がかかる。
現場にいたらわかるが、凍土壁は無理。
効率的な方法として、周辺を掘って壁を造る提案をしても、東電に聞いても上からの指示だし、とりあえずやれって言うだけで聞いてもくれない。
たぶん、本当に壁をつくったら、原発下部の地下水があがってきて、液状化現象がおきるのは承知なんだろう。
すると建屋がいまよりさらに大きく傾くことは理解出来る。

3.線量
最近はやっぱりサーベイメータで測定すると全体的に最近高いんだよ。空間放射線量は、事故当時にくらべたら、
半分以下まで下がっているが、地上5センチ付近では放射線量が高いんだよ。
とりあえず、砂利を引いて線量低くしてるだけで、くさいものに蓋をしてるだけの状態。
そりゃそうだよな。ホースから漏れ出ている量が最近増えて地下に漏れていて、1リットルあたり150万ベクレル程度ある。
これって濃度がどんどん高くなってるんだよ。結局は、処理仕切れておらず、蓄積された汚染水濃度が高くなっている。
我々の一般の作業員は全く知らされていない。
しかし、昔からいた先輩作業員からしたら、4年間で確かに綺麗になってきた。
線量は低くもなってきて作業は比較的やりやすいが、さすがに敷地内はやはり高い。
カウンターで測定して、1mの空中放射線量を見ると、毎時3マイクロシーベルト/時になる場所もある。
しかし、場所によっては、470マイクロシーベルト/時の場所もあるから、その場所は短時間だし、あまり近寄れない。

4.教育
この前、このタイミングでか、東電からの依頼人から話があって、福島の放射線は安全。
だから、心配なく。しっかり放射線量をカウントしているから問題ない。頑張って仕事しろと教育をうけた。
こんなこと、今更言われても、怖いものは怖い。
ただ監督はとりあえず「黙ってやれ」の一言。相変わらずだけど、毎回、作業する来るメンバーが違うから、
誰が誰だかさっぱり分からない。
俺も毎回、来るやつに同じ事を教えているんだよ。

5.作業員
作業員と、たばこ吸いながら話をしたら、四国からきた方がいた。
彼は、四国で仕事がないらしく、いまこうやってきていると。
マスクして暑いが、いわれた仕事をしていたら、衣食住が与えられて、
さらにたばこも吸えるし、酒も飲める。いまとなっては健康とか気にするより、
被爆を気にするよりこうやって食ってられるだけ幸せだ。
これが作業員の現状だから。
俺もそのうちの1人。だけど、危険手当なんて無い。明らかに何とかしようという方と、
お金をもらいに来たという違いがあるのは確か。
こうやって我々の仕事も6次までおりてきてる仕事。
でも、いまはこれしか仕事がないからやっていくしかない。

6.原子炉建屋
建屋なんて、周辺は地盤沈下が発生したり、建物が傾いたりしているが、現時点で内部もわからない。
本当に原子炉格納容器内含め、どうなっているかなんてメーカーも国内外からもきているが、誰も分からない。
俺からしたら、マルチムーブ解体機(先端がかにの爪みたいなクレーン)で壊していけばいいのにそれすらしない。
なぜしないか?あいつら(東電)は分かってるんよ。あれ(解体機)をつかって、
建屋をこわしたら、すぐに建屋は崩れる。放射能を帯びたコンクリートは老朽化が激しい。
だから、コンクリートが予想していない場所におちた衝撃で、メルトダウンした部分に落ちたりしたら、
その衝撃で再臨界なんておこした日にはアウトだ。
今以上に放射能が漏れ出して近寄れなくなるから。
解体作業すらできないのが分かってる。結局、どこから手をつけたらいいかってことだ。
東電経由で言われたことを実施しているが、結果としてスケジュールは、どんどん先送りとなるよ。
あんなの、机上計算であって、ま、40年後なんて、進むどころか、建屋自体が持たないよ。

7.最後に
我々作業員からしたら、安保情勢なんかより、こっちの方が問題。日本国内のリアルな状況だから。みんな一生懸命やってるが、
本当のベテランが居なくなってきているから、手探りになってる。この先不安だがやっていくしかない。本当に汚染水を止めないと、
将来、海の魚さえ食べれられなくなる。

他のチームは、器材の設置や片付けとかの軽微作業から、建築までやっているが、東電は将来像として結局何がやりたいのか、
やっている現場からしても、さっぱり分からない。

国は、戦争を想定問答なんかしてる場合じゃないんだって。
作業者は儲かるが、税金とか電気代だしな。。
複雑なんだよ。でもやるしかない。

また連絡する。無理するなよ。

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●電話で話をしたとき、彼は少しつかれていた様子。どうも、休みが取れなかったりしているようだし、放射能の影響かはわからないから、とりあえず頑張ってくれている。
我々の知らない作業エリアも、この先どうなっていくかは、全くわからない感じだった。