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『裏切り』 シャルロッテ・リンク(著), 浅井晶子(翻訳)

2025年01月18日 22時42分36秒 | ■読書
ドイツの作家シャルロッテ・リンクの長篇ミステリ作品『失踪者〈上〉〈下〉(原題:Die Betrogene、英題:Cheated)』を読みました。
シャルロッテ・リンクの作品は、3年以上前に読んだ『失踪者』以来ですね。

-----story-------------
〈上〉
元警部の父親が惨殺され打ちのめされたロンドン警視庁女性刑事の悲しみ。
最後の最後まで読者は裏切りの数々に翻弄されることになる。

スコットランド・ヤードの女性刑事ケイト・リンヴィルが休暇を取り、生家のあるヨークシャーに戻ってきたのは、父親でヨークシャー警察元警部・リチャードが何者かに自宅で惨殺されたためだった。
伝説的な名警部だった彼は、刑務所送りにした人間も数知れず、彼らの復讐の手にかかったのだろうというのが地元警察の読みだった。
すさまじい暴行を受け、殺されていた父。
ケイトが愛し尊敬してやまなかった父は、なぜ殺されなければならなかったのか? 
ケイトにかかってきた父について話があるという謎の女性の電話……。
ドイツ本国で160万部超の大ベストセラーとなった傑作ミステリ!

〈下〉
人里離れた農場で起きた監禁事件と、元警部殺しはどう関わるのか?

父親の元警部の死について話があるとケイトに電話をかけてきた女性の死! 
それはケイトと地元警察との間に軋轢を生んだ。
休暇中のケイトには捜査権はない。
その頃、ロンドンのシナリオライターが、バーンアウト寸前でヨークシャーの人里離れた農場に妻子とともにこもることになった。
そんな彼らの前に五歳になる養子の息子の生みの母が、恋人という得体の知れない男とともに現われるが、彼の正体は? 浮上するケイトの父親殺しと彼の関係。
本国で9月刊行後3か月でその年のペーパーバック年間売り上げ1位となったドイツミステリの女帝の傑作! 
訳者あとがき=浅井晶子
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2015年(平成27年)に刊行されたスコットランド・ヤードの女性刑事ケイト・リンヴィル・シリーズの第1作です。

ヨークシャー警察の元警部リチャード・リンヴィルが自宅に侵入した男によって惨殺された……尊敬し憧れ、唯一心を許していた父の死を知ったロンドン警視庁に勤める娘・ケイトは長期休暇を取り故郷に戻った、、、

警察は、かつてリチャードが刑務所に送り込んだ連中のうちの誰かによる復讐との線で捜査を進めていくが、一番の容疑者とされる男デニス・ショーヴの行方はわからないままだった……捜査はなかなか進展せず、ケイトは苛立ちを募らせる。

捜査責任者であるケイレプ・ヘイル警部は、長い間アルコール依存症の治療のため休職しており、この事件で復帰したばかり……ケイトはケイレプの刑事としての能力に疑念を抱く、、、

そんなとき、メリッサ・クーパーという女性が、ケイトの父親のことで話があると連絡してくる……生前の父から聞いたこともない見知らぬ人物だが、ケイトは早速彼女に会う約束を取り付けるが、そこから事件は新たな展開を見せ、ケイトは衝撃的な事実を知ることになる……。

家族が死亡し、何年ぶりかで故郷に帰った主人公が事件の真相をつきとめていくというミステリの定番的な展開に、仕事で神経をすり減らし医師の勧めで2週間ほど妻子とともに人里離れたヨークシャーの農場にこもることとなった脚本家ジョナス・クレインのもとに、養子である5歳の息子サミーの生みの母テレーズ(テリー)・マライアンが現れ、思わぬ事態が巻き起こるというエピソードが、さまざまな視点人物によって描かれ、やがてひとつの物語として収斂していく展開が愉しめました……意外性とスリリングな展開も愉しめましたね、、、

裏切りの衝撃、驚愕の展開……面白かったです。

主人公が個人的に問題を抱えているところも興味深いところ、、、

スコットランド・ヤードの刑事であるケイトは39歳で独身……人付き合いが苦手で恋人も友人なく、仕事に自信が持てず、職場では周囲から疎んじられて浮いた存在、そんな振り切ったヒロイン像も良かったなー 本シリーズ、ぜひ、続篇も読んでみたいですね。
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