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『白骨 犯罪心理捜査官セバスチャン〈上〉〈下〉』 M・ヨート、H・ローセンフェルト(著)、ヘレンハルメ美穂(翻訳)

2025年01月25日 21時17分30秒 | ■読書
スウェーデン作家ミカエル・ヨートとハンス・ローセンフェルトの共著の長篇ミステリ作品『白骨 犯罪心理捜査官セバスチャン〈上〉〈下〉(原題:Fjallgraven)』を読みました。
ミカエル・ヨートとハンス・ローセンフェルトの共著は、先日読んだ『模倣犯 犯罪心理捜査官セバスチャン』以来ですね。

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〈上〉
トレッキング中の女性が偶然見つけたのは、山中に埋められた六人の遺体。
ずいぶん前に埋められたらしく白骨化していたが、頭蓋骨には弾痕が。早速トルケル率いる殺人捜査特別班に捜査要請が出された。
トルケルは迷った挙げ句、有能だがトラブルメーカーのセバスチャンにも声をかける。
家に居座ってしまったストーカー女にうんざりしていたセバスチャンは、渡りに舟とばかりに発見現場に同行する。
史上最強の迷惑男セバスチャン再び。

〈下〉
妻子を残して移民の男性が失踪した。
警察は強制送還を恐れて自ら姿を消したと結論づけたが、妻は納得しなかった。
夫が自分たちを残して逃げるはずがない。
TV番組の記者が妻の訴えに興味を持ち、事件の調査をはじめる。
一方山中の白骨事件を調べているトルケルたちは同じ頃、近くで運車の墜落炎上事故があったことをつきとめる。
車に乗っていたのは偽の身分証明書を持った身元不明の女だった。
人気脚本家コンビが放つ人気シリーズ。
訳者あとがき=ヘレンハルメ美穂
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2012年(平成24年)に発表された犯罪心理捜査官セバスチャン・シリーズの第3作……スウェーデンを代表する脚本家の二人ミカエル・ヨートとハンス・ローセンフェルトがタッグを組み、傍若無人、傲岸不遜、自信過剰で協調性ゼロ、女たらし(セックス中毒)の犯罪心理学者を主人公に据えて描かれた作品、、、

主人公のセバスチャン・ベリマンだけでなく、他の登場人物も非常に魅力的だし、ストーリーも波乱に富んでいて、とても愉しめる、面白い作品でした。

仲のいい女友だちふたりのトレッキング……カーリンは親友のマリアの50歳の誕生日記念に自然のなかを歩く4泊5日のトッレキング旅行をプレゼントしたのだ、、、

だが、あいにくの雨の中、道を間違えてしまう……道に迷ったトレッキング中の女性が偶然見つけたのは、泥に埋まった人骨だった。

山中に埋められた6人の遺体……大人が4人、子どもが2人、、、

ずいぶん前に埋められたらしく白骨化していたが、頭蓋骨には弾痕があり、殺されたものと思われる……早速トルケル・ヘーグルンド率いる殺人捜査特別班に捜査要請が出された。

その頃、殺人捜査特別班では、メンバーのひとりヴァニャ・リトネルがFBIの研修に応募していた……優秀な彼女は一次選考を突破し、最終審査を待っているところだった、、、

合格すればひと月後には捜査班からヴァニャが抜けてしまう……彼女の穴を埋めるのはちょっとやそっとの人材では無理だろう。

トルケルは迷ったあげく、有能だがトラブルメーカーのセバスチャン・ベリマンにも声をかける……家に居座ってしまったストーカー女エリノール・ベリクヴィストにうんざりしていたセバスチャンは、渡りに舟とばかりに発見現場のイェムトランド県に同行する。

9年前に妻とふたりの子どもを残して、アフガニスタン移民の男性2人が失踪した……警察は強制送還を恐れて自ら姿を消したと結論づけたが、残された妻シベカ・ハーンは納得しなかった、、、

夫ハーミドが自分と子どもたちを残して逃げるはずがない……『徹底検証』という番組の記者レナート・ストリードがシベカの訴えに興味を惹かれ、事件の調査を始める。

一方イェムトランド県での殺害事件を調べているトルケルたちは、6人が殺されたのと同じころに、近くで自動車の炎上事故があったことを突き止める……その車に乗っていたのは、パトリシア・ウェルトンという偽の身分証明書を持った身元不明の女だった! それぞれにややこしい事情を抱えた、殺人捜査特別班の捜査の行方は? 有能すぎる迷惑男セバスチャン・ベリマン・シリーズ第3弾

トラブルメーカーの心理学者セバスチャンが本作でもやってくれましたねー 自分勝手で傲慢で横柄で傍若無人振りな態度はさらにパワーアップ! 表面上は打ち解けた雰囲気を醸し出しているだけに悪質ですよね……邪な動機からヴァニャの人生をひっかきまわし、そしてあっさり捨てたはずのエリノールの反逆に遭うという展開、、、

濃密に描かれる捜査陣の人間関係や私生活のドラマの展開が気になる作品でした……もちろん、本筋の事件の方も接点の見えない複数のエピソードが終盤に一気に繋がってきて、心地よくひとつに納まって解決する展開が愉しめました。

しかも、この後の展開ムッチャ気になるところで結末を迎えているので、続篇が読みたくて堪りません……古書店で探してみようと思います。
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